2014年2月13日木曜日

"successful"をどう訳す?

皆さま、こんにちは。ねこです。
最近なんだか“自分を高めたい”という気持ちが
ミョーに強くなっていて、ヘンな感じです。
それはそれで、いいことなんですが、
友達や家族とお喋りする時間とか、
じっくり音楽を聴く時間とか、
花や木、空を眺める時間とか、
そういうのも大切にしていきたいものですね。^^


さて、今日は翻訳のお話。
"successful"という言葉を、
どういう日本語に訳すかという問題です。

いわゆる学校の試験のような英文和訳なら、
「成功している」と書けばマル。
でも、例えば、小説の中や映画の字幕で、
「成功している」と書いてOKでしょうか?

次の文章の訳を考えてみてください。

He is a successful businessman.
He is a successful lawyer.
He is a successful musician.
She is a successful writer.
She is a successful mother.

彼は成功しているビジネスマンです。
彼は成功している弁護士です。
彼は成功している音楽家です。
彼女は成功している作家です。
彼女は成功している母親です。

う~ん…。
まあ、意味は十分通じるけど、
ちょっと翻訳調で味気なくないですか?

もちろん、前後の文脈によりますが、
例えば、他にこんな表現が考えられそうです。
(※役職などについては、前後の文章に
具体的な情報があるという過程で書いています)

・やり手のビジネスマン
・有能な社員
・商売上手な営業担当

・敏腕弁護士
・優秀な弁護士

・著名な音楽家
・人気のあるミュージシャン

・売れっ子作家
・ベストセラー作家

・カリスマ主婦
・できる女
・いい母親

基本的には原文にないカタカナ表現は
使わない方が望ましいと言われていますし、
原文にないことを勝手に書くことはできません。
なので、あくまでも、前後の文章を
じっくりと読み込んで、
妥当な範囲で意訳することになりますが、
でも、"successful"を「成功している」と訳すよりは、
グッと人物像が見えてきませんか?

最近、字幕だけでなく、
吹替えの翻訳もするようになりました。
ただ文字を見ているのよりも、
実際に声に出してみると、
“あっ、これなんか日本語として不自然だな”
ということに気づきやすくなります。

自然な日本語というものを
頭よりも口のほうがよく知っているということですね。

英語の前置詞とか文法も、頭ではなく、
口で覚えていきましょう。(^^)v