2018年7月27日金曜日

超体当たりコミュニケーション

皆さま、こんにちは。ねこです。
先日、スイスから
友人ファミリーが来ました。

1994年にイギリスに
語学研修に行った時の友人で、
1996年に、一度、ご夫婦で来日。
私の実家に1週間宿泊し、
みんなで楽しい時間を過ごしました。

2000年には、私が両親を連れて
スイスを訪問。
彼らには赤ちゃんも誕生し
さらに賑やかに。

そして、2018年7月、2人は
19歳と17歳の息子さんを連れて
再び日本へ。


私の両親は、もうそれはそれは
大喜びしました。

面白いのは、私の両親と
スイス人ファミリーとの会話です。
日本語以外話せない両親ですが、
まあ、よくわからないことを
喋るわ、喋るわ(笑)。

これまでの経験上、
適当に声を発していれば
何だか通じちゃうというのを
わかっているので、
気持ちだけで会話を進めます。


父:ここ、成田。ここ、日光。
少年:うん。

通訳不要(笑)。

両親は和製英語を把握していないので
時折、ヘンな会話も飛び出します。

母:ライス? パン?

「パン」は英語ではないけれど、
お茶碗と食パンを手にしているので
十分、意味は伝わります。

母:「○○ちゃん、スマートねぇ」

着物を着せながら、言ったこの言葉、
smartは「頭がいい」「聡明な」という
意味になってしまいますが、
帯を巻きながら言っているので、
体型の話だということは
恐らく伝わったでしょう。
(一応、slimと補足しましたが)

翌朝、味噌汁を作る時も、
母は友人に、味噌、野菜、豆腐などを見せ
「味噌汁。具、何がいい?」。

うはっ、全部日本語。
しかも、通じてるし(笑)。

こういう体当たりの
コミュニケーションを見ていたら
何とも心が温かくなりました。
とりあえず、文法とか、
どうでもいいじゃんね。

でも、せっかくなので
両親にもいくつか
大事なフレーズを
カタカナで書いて
教えておきました。

サンキュー フォー カミング

アイム ハッピー

友人ファミリーは
拍手をしながら
大喜びしてくれました。

日本では、英語を
「学問」として捉えがちだけれど
言葉は本来、人と人とが
意思疎通をするための道具です。

「伝えたい」という気持ちが
溢れ出してきて、
気づいたら声を発している。
そんなふうに英語を
身につけていけたら幸せですね。

2018年7月26日木曜日

ひとり旅って実際どんなもの?

皆さま、こんにちは。ねこです。
そろそろ旅ネタを終えて、
次の話題に移りたいので、
とりあえず、これが最終回。

さて、今日の話題は「ひとり旅」。
単身で旅をしている時、
どんな場面で
どんな気持ちになるのかを
まとめてみたいと思います。

今回は、何しろロシアでの言葉に
ものすごく不安を感じていたので、
モスクワ滞在は、ただただ必死。
孤独を感じる暇もなく、
ヘトヘトになるまで街を歩き回り
必死で写真を撮りまくっていました。


サンクトペテルブルクも、
基本的には同じ。


絶景を求めて走り回って、
クタクタになって眠るだけ。
猫カフェの店員さんとは
けっこうお喋りできたかな。


エストニアに向かうバスで
隣に座ったロシア人のおばちゃんとは
あまり会話はできなかったけれど、
とても面倒見のいい人だったので
彼女が先にバスを降りた時、
不意に寂しさを感じました。


エストニアのタリンに到着すると
いきなりすべてが英語で
問題なくこなせるようになり、
旅の難易度は急降下。

急に気持ちに余裕ができて、
ふと日本に残してきた
パートナーのことを思い出し、
Skypeで生中継をしながら
街歩きなどしてみました。


日本との時差は6時間なので
遅めのランチタイムが
日本のディナータイム。
久しぶりに誰かと
お喋りしながらの食事です。


しかし、Skypeを切ると、
急にひとりになっちゃうんですよね。


ねえ、カモメさん。
ふと気づけば、周りは
カップルとか家族連れ
ばっかりなんですけど…。

ちょっとした孤独感を抱えながら
ショッピングモールに立ち寄り
コスメや日用品を売っているお店で
ハンドクリームを購入。
ついでに洗濯洗剤がないか尋ねたら
店員のお姉さんが、
「この店にはないけれど、
1階のスーパーの中にあるわ。
ちょっと場所がわかりにくいから、
書いてあげるわね」と
こんなメモをくれました。


何だかこのメモが
妙に嬉しかったんですよねぇ。
孤独感マックスなので
人のちょっとした優しさが
心に大きく響きます。

で、結局、夜は猫カフェ(笑)。
「ニャーン」は、
世界の共通言語です♪


旅の様子が一変するのは
この翌日から。
国立公園ツアーに参加し
皆と家族のようにワイワイと
楽しい一日を過ごしました。


参加者8人のうち、
私を含めた4人が
ひとり旅だったので、
すっかり意気投合し、
夜は4人でディナー。


ドイツ人女性2人、
インド人男性1人と私という
メンバーだったのですが、
何とインド人のGくんが
意外なことを言い出しました。

「ひとり旅っていいんだけど
食事だけは困るよね。
ちゃんとしたレストランで
ひとりで食べてると、
あの人、友達いないのかなって
思われそうでさ」

いやはや、びっくりです!
どこの国の人でも、男の人でも、
そんなふうに思うんですね。

この発言には、
ドイツ人女性2人も私も
「だよね、だよねー」と大騒ぎ。
でも、そういう気持ちを
経験してきたからこそ、
みんなで食べるディナーは
とびきりステキな時間になりました。

翌日からは再会や出会いの連続。
東京マラソンで来日した時に
都内で観光案内をした
バミューダ人のご夫婦と
ヘルシンキで再会。
(※事前に約束済み)


国立公園ツアーで仲良くなった
ドイツ人のNちゃんも
ヘルシンキに到着したので
一緒に街歩き。


その翌日には、
都内のライブハウスで知り合った
フィンランド人のRちゃんと再会。


夜はカモメ食堂で、
たまたま居合わせた
日本人とフィンランド人の
おじさまたちと
相席させていただき
大盛り上がり。


いやぁ、ヘルシンキ、
忙しかったなぁ(笑)。


そして、帰国便では
なんとお隣に座ったのが
プロのカメラマンさん。


写真の話で盛り上がり、
機内で翻訳もせず、
お喋りしまくりながら
帰ってきました。


というわけで、序盤は
孤独感を感じる暇もなく
黙々と旅をし、
中盤で、少しだけ孤独を感じ、
終盤は人との出会いに
恵まれすぎて大忙しという
何とも不思議な旅。

ひとり旅では、
ステキな出会いが
待っているかもしれないし、
何もないかもしれないけれど、
まあ、なかなか楽しいものです。

安宿に泊まるのか
高級ホテルに泊まるのか、
パンを囓って済ませるのか
豪勢な食事を楽しむのか、
早めに宿に帰って寝るのか
トコトン観光しまくるのか
すべては自分次第。

興味のある人は、
いつか挑戦してみてくださいね。

2018年7月10日火曜日

言語習得というのは結局…

皆さま、こんにちは。ねこです。
すでにロシア旅行の記憶が
薄れつつありますが、
いろいろ思い出して
書いてみたいと思います。

今回の旅で訪れたロシア、
エストニア、フィンランドで
最も不安要素が多かったのが
ロシアでした。
特に言葉の問題です。

あまりに不安だったので
半年以上前から、
ロシア語の旅行会話を
学び始めました。
基本的には耳のトレーニング。
日本語とロシア語を
交互に聞き続けるだけです。

最初は単語の切れ目なども
まったく認識できず
意味のない音の連続にしか
聞こえませんでした。

しかし、航空券を予約して
旅が現実のものとなってからは
焦りの気持ちも働いたのか、
少しずつ音の輪郭が見えてきました。

主に使っていたのは、
こちらの教材です。



ウォーキングをする時に聞いたり、
寝る前に聞いたり、電車で聞いたり。

声を出せる時は、
ひたすらシャドーイング。
意味がわかってもわからなくても
とにかく声を出しました。

ガイドの仕事で出かける時は、
行きは英語の音声、
帰りはロシア語の音声を
聞くようにしました。

旅の直前には、
最も使いそうなフレーズを
紙に書き出して、
とっさに言えるように
準備しました。

ロシア到着後、驚いたのは、
駅のアナウンスや人の会話で、
聞き取れる単語があったことです。

もちろん意味がわかる単語は
ほんの少しです。
でも、“あっ、今、
パジャールスタって言った!”
などと思うだけで、
とてもウキウキしましたね。

「~してもいいですか?」
という意味の
“モージナ”という単語などは
あちこちで使いまくりました。

ホテルのフロントで、
部屋の鍵を見せて外を指し
「モージナ?」と言えば、
「鍵を持って出かけていい?」
というのが相手に伝わります。

電車で空いている席を指し、
「モージナ?」と言えば
「座っていい?」という意味に。

そんなこんなで、ロシア滞在中は、
少なすぎるボキャブラリーを
180%ぐらいフル稼働して、
ロシア語を話しまくりました。
要は「必死」だったわけです。

ところが、エストニアに入った途端、
すべてが変わりました。
どこでも英語が普通に通じてしまう環境に
すっかり甘やかされてしまい、
未知の言語と格闘する気力はゼロに。

まるで英語圏を旅しているかのように
楽チンな日々。
エストニア語の
「ありがとう」を覚えたのは
エストニアを発つ朝のことでした。


そして、フィンランドへ。
こちらも、英語圏のような快適さ。
しかも、さすがのデザイン大国、
文字を使わない絵だけの標識まで…。



街の中には、公用語である
フィンランド語と
スウェーデン語の
標識がいっぱいありますが、
予備知識がゼロなので
どっちがどっちか
区別すらつきません。
(※Google翻訳で確認したら
上段がフィンランド語でした)


でも、アルファベットなので
Googleマップと照らし合わせれば
何とかなってしまいます。

地下鉄の行き先表示も
フィンランド語と
スウェーデン語。
でも、アルファベットなので
問題ナシ。


こちらは、ホテルにあった表示。
どちらの言葉も読めないけれど、
「入り口はあっちなので
ぐるっと回ってね」というのは
理解できちゃいますよね。


結局、フィンランドでも、
フィンランド語を使わないと
どうにもならないという場面が
一度もなかったので、
「ありがとう」という言葉すら
覚えずに終わってしまいました。

今、思うと、エストニアと
フィンランドの皆さんに
申し訳ないことをしたなぁ…
という気分です。

日本に来る観光客の皆さんだって
みんな一生懸命、日本語で
「コニチワ」「アリガト」って
言ってくださるのにね。

というわけで、今回、
身をもって実感したのは、
「その言葉を使わないと
どうにもならない」という
切迫した状況に追い込まれれば
言語の習熟速度がアップする
という当たり前の事実でした。

「いつか英語が話せるように
なったらいいなぁ…」
という気持ちだけでは、
なかなか上達できないのは
ある意味、当然なのです。

とはいえ、日本で暮らしていたら
観光地でバイトでもしない限り
あまり切迫した状況に
追い込まれることはありません。
(※浅草の仲見世通りの
おじいちゃん、おばあちゃんは
かなり追い込まれたのか、
最近、皆さん、とても上手に
英語で接客されています)

なので、英語力を伸ばしたいのに
実際に会話をする機会がないという人は
無理やり、その機会を作りましょう。

例えば、語学ボランティアの活動に
参加するといったの方法です。
東京都がこんな活動をやっているようですね。

「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/05/24/25.html

また、ねこがいろいろお世話になっている
GCAIというコミュニケーションの学校では
受講生および修了生のみ対象ですが、
今度の7月21日(土)にも、原宿駅周辺で
語学ボランティアの活動を実施するとのこと。

JVTAの受講生・修了生も参加可能なので、
日頃、パソコンに向かって
独り言ばかり言っている翻訳者さんは
GCAIに問い合わせをして、
ぜひ、ご参加を(笑)。

こちらは、少し古い記事ですが、
活動の様子を写真付きで
ご覧いただけます。
http://gcai.jp/appearance/cosplay

とにかく、いい意味で、
自分を追い詰めてみましょう。
その先に、きっと何かが
見えてくるはずです♪