2011年2月26日土曜日

紛らわしい地名 Part 2

昨日、間違って消えてしまった分を書きます。(^^;

「ワシントン」という地名もなかなか厄介ですよね。

アメリカ合衆国の首都がワシントンD.C.です。
"D.C." は "District of Columbia" の略で、
日本語では「ワシントン・コロンビア特別区」や
「ワシントン市」と表記されます。

連邦政府直轄地であり、どこの州にも属していません。
バージニア州とメリーランド州の間に位置し…
という説明よりは、普通のアメリカ全図の右上あたり
と言ったほうがわかりやすいでしょうか。^^

一方、ワシントン州というものも存在します。
こちらは文字通り1つの州です。
西海岸最北部の州。
つまり、アメリカ全図の左上に位置します。

どちらの地名も、アメリカ建国の父、ジョージ・ワシントンに
由来するとのことですが、それにしても紛らわしいですね。


最後に小ネタをもう1つ。
ネバダ州にあるラスベガスはカジノで有名な大都市ですが、
ニューメキシコ州にもラスベガスという小さな町があるのを
ご存知ですか?

賭博が禁止されているニューメキシコ州の
人口約15,000人の素朴でかわいらしい田舎町。
「今度、ラスベガスに行こう!」と誘われて、
着いたところがこの町だったら、
かなりびっくりすることでしょう。(笑)。
でも、暮らすには、なかなかいい町かも。^^

     Las Vegas (NM) in Aug. 2007                           Photo by neko

2011年2月25日金曜日

紛らわしい国名・地名

紛らわしい国名や地名ってありますよね。

パッと見て判断すると間違えそうなのが
"Australia" と "Austria"。
こうして並べてしまえば、すぐわかりますが、
1つだけで見ると、案外勘違いしやすいのかも。

かつて語学留学をしたときのルームメイトがオーストリア人で、
彼女からの手紙の差出人住所のところには、
いつも "Austria / Europe" と書かれていました。
“自分たちの国の名前って、ちょっと紛らわしい”という
意識があるんでしょうね。

でも、オーストラリアの人は
"Australia / Oceania" 書かないような気がします。
大きい国だからでしょうか(笑)。


聞き間違いが多いのは、
「オランダ」とアメリカの「オーランド」。
でも、実はこの2つ、アクセントの位置が全然違うので
正しい発音を知っていれば間違えません。

オランダは "Holland" 【ランド】
オーランドは "Orlando" 【オランドー】という感じ。
(※クリックして音を確かめてくださいね。)

商社の人がこの2つを聞き間違えて、
別の国に荷物を届けたという話を聞いたことがあるけれど、
普通は全部住所を書くはずだから、
それはきっと作り話だろうなぁ(笑)。


※あと2つほど地名を取りあげていたのですが、
アップロード時に消えてしまったので、
また、後日あらためて書くことにします。

2011年2月24日木曜日

イギリスって難しい!?

皆さま、こんばんは。ねこです。
音楽DVDの字幕翻訳をしていて、今日のお昼に納品しました。

さて、この音楽DVD、アイルランド出身の
ミュージシャンのものだったのですが、
この周辺の国名の扱い、なかなか難しいものがありました。

ちょっと整理してみましょう。
話をわかりやすくするためにまずは「イギリス」の説明から。


イギリスの正式名称は英語で
"United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland"
と言います。

日本語では、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」
あるいは「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」です。
この通称が「イギリス」あるいは「英国」です。
"English" が訛って「エゲレス」→「イギリス」となったそうですね。

さて、では "GB : Great Britain(グレートブリテン)" という名称には
何が含まれるのか?

・England(イングランド)
・Scotland(スコットランド)
・Wales(ウェールズ)

以上が含まれます。
(※EUのナンバープレートでは北アイルランドも含めて "GB" と表示します)


"UK : United Kingdom(連合王国)" と言った場合は?

・England(イングランド)
・Scotland(スコットランド)
・Wales(ウェールズ)
・Northern Ireland(北アイルランド)

以上が含まれます。

これらの4つは非独立国で、それぞれ首都を持ちますが、
イングランドの首都であるロンドンは、
イギリスの首都も兼ねています。

ここで、ちょっと難しいのが、"British" という言葉の使い方。
上記の区分けで言うと、イングランド人だけでなく、
スコットランド人やウェールズ人のことも
"British" と呼んでよさそうな気もしますが、
民族的アイデンティティーが違うといって、
それを快く思わない人々もいるとのこと。
このあたりについては、マスコミ各社でも
意見が分かれているとのだとか。


さて、アイルランドに話を移しましょう。
長い歴史の最後のほうだけかいつまんで説明すると、アイルランドは、
1938年にイギリスから独立を承認され、イギリス連邦内の共和国になり、
1949年、イギリス連邦を脱退しました。

現在の国際連合やヨーロッパ連合での登録国名は"Ireland" で、
日本政府も「アイルランド」という名称を使うとしています。


今回、訳していて戸惑った点は、
字幕の中で「イギリス」という言葉を使うかどうかです。
英語話者でも、"United Kingdom" の意味で "England" と言う人もいます。
そう考えると、"England" という音声に「イギリス」という字幕をあてても
OKということになります。

日本人の感覚として、「イギリス」という字幕のほうが
「イングランド」という字幕よりも自然に感じるのでは?
と思うと、「イギリス」と表記したいところ。
でも、アイルランド人が "England" と言ったなら、
やはりそれは「イングランド」としたほうが無難かなぁ…と。

でも、「イングランド」というと、
サッカーのイメージばかりが思い浮かんでしまうのは
ねこだけでしょうか?

とりあえず、納品した字幕原稿には
「イングランド」という表記を使いました。
現在、翻訳エージェントと相談中なので、
どうなったかは、またブログの中でご報告しますね。(^^ゞ

2011年2月22日火曜日

"other" と "another"

"other" と "another"。
この2つの単語の使い分け、
なかなか悩んでしまうところです。

"another" っていうのは "an + other" というのを
聞いたことはあるものの、
それって、つまりどういうこと!?という感じ。
というわけで、いろいろリサーチをしつつ、情報を整理してみました。


とてもわかりやすい説明がこちら:

2枚のカードがあります。色が、白、赤だとすると、
"There are two cards. One is white, and the other is red" と言えます。

3枚のカードがあります。色が、白、赤、青だとすると、
"There are three cards. One is white,
another is red, and the other is blue" と言えます。

4枚のカードがあります。色が、白、赤、青、緑だとすると、
"There are four cards. One is white, another is red,
another is blue, and the other is green" と言えます。

4枚のカードがあります。色が白、赤、黒、黒だとすると、
"There are four cards. One is white,
another is red, and the others are black" と言えます。

つまり、"another" は「別の一つのもの」で
"the other/the others" は「残りのほかのもの」という意味するというわけです。


さらにわかりやすい解説の載っているサイトを見つけました。
http://www.english-zone.com/grammar/st-yudai.html
ミニテストも付いています。
ぜひ、このチャンスに使い分けの整理をしちゃいましょう♪

2011年2月21日月曜日

苦手な表現は音で覚える

うろ覚えで、いつも迷ってしまう表現ってないですか?
ねこは、"an hour and a half(1時間半)" というのが苦手でした。
"half" の前に "a" が必要かどうかが分からなくなって、、
「アンナワー アンド もごもごもご…」と誤魔化したものです。(^^ゞ

こういった表現を覚えるとき、どうしてこの位置に冠詞をつけるのか
というのをきちんと理詰めで覚えるのも1つの方法ですが、
それよりもむしろ、フレーズとして音で覚えてしまったほうが、
実際の会話でもスムーズに使えます。

具体的にどういうことかというと、
とにかく口に出して何度も何度も言う。
何日か続けてやれば、
そのフレーズは必ず自分のものになります。

先日、興味深い記事を読みました。
小学校で英語教育を受けた生徒が中学校に進むと、
Are, Is, Am, Does, Do などを選択する問題で、
"Am you?" "Does you?" といった間違え方をほとんどしないのだとか。

つまり、"Do you?" っていうのは聞き覚えがあるけど、
"Does you?" というのは聞いたことがないという感じで、
理屈ではなく感覚で正解がわかるわけですね。

そんなこと言われても、もう大人になっちゃったから無理!
だなんて諦める必要はありません。
とにかくぶつぶつ言ってみる。
何でも“言ったもん勝ち”です。(^^)v

2011年2月18日金曜日

"ex"

忙しくしていて、しばしブログをさぼってしまいました。(^^;
また、頑張って書きます♪

さて、今日の話題は "ex"。
この "ex-" または "ex" という表現、英語では非常によく使います。
接頭辞としての "ex-" が持つニュアンスは、
(1)「外」「無」「非」「超過」「徹底」「上昇」などと
(2)ハイフン付きの複合語をつくって「前の」「前…」「元の」など。

(2)のハイフン付きの例としては次のようなものが挙げられます。
ex-boss 元上司
ex-employee 元従業員
ex-girlfriend 元彼女
ex-smoker タバコをやめた人

ところが、ハイフンなしで "ex" と書いた場合は、
かなり意味が限定されるというのをご存知でしたか?

ex 前妻、前夫、元恋人

つまり、かつて婚姻関係あるいは恋愛関係にあった人
という意味になります。

"Do you still keep in touch with your ex?"
(まだ、前の彼と連絡取ってる?)

っていう感じですね。

今月のNHK『ラジオ英会話』のテーマが "Love, Love, Love" で、
2月9日(木)の放送に、この "ex" という表現が出てきました。
ラジオ英会話では、いつも本当に“生きた英語”が使われていて、
いいなぁ…と思います。
ねこは、テキストの左側の英語本文を隠して、
右側の日本語訳を見ながら、英語を言う練習をしています。^^


ああ、そうそう、先日"ex-wife" と聞いて
"extra wife(予備の妻?)" の略かと思ったという人がいました(笑)。
う~ん、なんとも意味深な。(^^;

2011年2月14日月曜日

グラミー賞

"The Grammy Awards(グラミー賞)" というのは、
もともとは、"The Gramophone Awards" という
名前だったそうですね。
今日のニュースで知りました。(^^ゞ

"gramophone" は(主に)イギリス英語で「蓄音機」を意味します。
Gramophone Company社の商標だったものが、
いつの間にか蓄音器全般を指すようになったとのこと。
"sound recording" を意味する 'phonogram' という言葉から作られたそうです。

それにしても、「蓄音機」という言葉、今ではほとんど聞かなくなりましたね。
日本語でも英語でも、まったく通じなくなる時代が来るのでしょうか。
それとも、歴史の教科書の中で細々と生き延びていくのかなぁ…。

「ニート」って英語!?

ふと疑問に思いました。
「ニート」って英語の単語なんでしょうか?

真っ先に思い浮かんだ綴りは "neat"。
でも、「きちんとした」「器用な」という意味なので
なんだか違いそうです。

調べてみると、現代よく使われる「ニート」という言葉は
NEET = "Not in Education, Employment or Training"
(教育を受けておらず、労働や職業訓練もしていない状態)
という表現の頭文字でした。
つまり、これ、一応英語(の頭文字)です。
※一般常識だったらすみません。(^^;

ただし、この "NEET" という言葉が英語圏の会話において
日常的に使われているかというと、
どうやらそうではない様子。

この言葉が世の中に登場したのは1999年。
イギリス政府機関が作成した調査報告書 "BRIDGING THE GAP" の中で
'New Opportunities for 16-18 years olds not in education, employment or training'
教育、雇用、職業訓練に参加していない 16〜18歳の若者に対する新しい機会)
という表現が用いられました。

ところが、このNEETという表現は、
日本以外ではほとんど使用されておらず、
逆に欧米では「日本における若年無業者問題を指す語」として
認識されつつあるのだとか。

ちなみに、カタカナ表記の「ニート」という言葉が浸透するようになったのは、
2004年に出版された『ニート フリーターでもなく失業者でもなく』(玄田有史著)
がきっかけだったのではないかと言われています。

ところで、「フリーター」という言葉は英語ではありません。
「フリーランス」もしくは「フリー(自由な)という言葉と
「アルバイター(ドイツ語で「働く人」という意味)」を
組み合わせて作られたのではないかと言われています。

「アルバイト」も英語ではありません。
ドイツ語の「働く」という動詞 "arbeiten(アルバイテン)"が
ちょっと形とニュアンスを変えて日本語に定着してしまったようです。
日本語の「アルバイト」を英語で表現するなら、
"part-time job" です。

ただし、フルタイムの仕事以外は、
契約形態がどうであろうと、すべて
"part-time job" と表現することができます。
有名大学の非常勤講師であったとしても、
"part-timer" なわけです。

さて、「ニート」からだいぶ話がそれてしまいましたが、
こうして見てみると、言葉というものは、
あちこちで使われている間に、
随分、意味や使われ方が変わっていくものなんですね。
これだから言語学は面白くてやめられません!^^

2011年2月13日日曜日

アンテナの話

先日、こんなことを聞かれました。
「ブログのネタを考えるのって大変じゃないですか?」
これは即答で「ノー」です。
むしろ、これから書く予定のネタのリストが長くなりすぎて
困っているくらいです。(^^ゞ

なぜ、そうなるのでしょうか?
答えは簡単。
常に言葉アンテナを張っているからです。


例えば、この間の土曜日のこと。
英会話教室のロビーで生徒さんの話し声が聞こえてきました。

「"supermarket" よりもっと大きい店のことを
"hypermarket" って言うんだって。
冗談かと思ったけど、ちゃんとウィキにも載ってて…」

おおっ、なんだか面白そうな話題じゃないですか!
ねこの言葉アンテナが激しく反応します。
そして、話に混ぜてもらい、しっかりと情報収集。^^

そして接頭辞としての"super-" と "hyper-" の違いが気になったねこは、
さらに自宅でも情報収集。

まずはリーダーズ英和辞典。
(※一部抜粋です)

"super-"
-pref [形容詞・名詞・動詞に付けて」「(以)上」「(すぐ)上」
「付加」「過度」「極度」「超過」「超…」

"hyper-"
-pref 「向こうの」「超越、超過」「過度に」「非常な」
「三次元を超えた(空間の)」の意味。

Cambridge Dictionaries Online のほうでは…

"super-"
larger, or more effective, or more powerful, or more successful than usual; very or more than usually
a supercomputer
a supermodel
the super-rich
superfine stockings


"hyper-"
having too much of the stated quality
hyperactive
hypercritical
hypersensitive

こうやって比べてみると、
"super-" のほうは「すごいぞっ!」という感じで、
"hyper-" のほうは「ちょっとすごすぎるんだけど…」
という感じでしょうか。

ただし、この2つの接頭辞、もともとの語源が違います。
"super-" はラテン語、"hyper-" は古代ギリシャ語で、
どちらも英語で言う "over" のニュアンスに近いものを
意味していたといわれています。
それがいつの間にか、同じ言語の中で使われるようになり、
次第に意味に差異が出てきたということなのでしょう。


…と、こんな感じで、ちょっとしたきっかけから
気づけばいくつも辞書を引き、いくつものサイトを渡り歩き、
今日もこうして1つのネタが完成するというわけです。(^^ゞ

このブログを始めたことで、友人や生徒さんから
「今度はこの単語を扱ってほしい」などという
リクエストもいただくようにもなりました♪

アンテナを張ること、そして、
“自分はこれが好きなんだ”とアピールすることで、
情報というものはどんどん入ってくるものなんですね。

ちなみに、言葉アンテナの他には、
ジャズアンテナ、写真アンテナ、猫アンテナなども
張りめぐらしております。
ガーデニングアンテナ、花アンテナ、
料理アンテナ、旅アンテナなども少々。^^

皆さんは、どんなアンテナを張っていますか?
これまで英語アンテナが圏外になってた人は、
ぜひ、このブログでバリ3に(笑)

2011年2月11日金曜日

"toner"

「化粧水」って英語で何て言うかご存知ですか?
ねこは少し前まで "lotion(ローション)" だと思っていました。

ところが…

ロンドンのドラッグストアで
"lotion" と書かれたボトルを買ってみると、
何と中身はとろ~んとした白いクリーム状のもの。

イギリス人の友達に液体のものがほしいんだと伝えると、
それは "(skin) toner" と言うのだと教わりました。

最近、日本人の友人にこの話をしたところ
「トナーって、あのコピー機に入ってるやつ?」という質問が。

言葉が気になるねこは、
さっそくGoogleやら各種辞書、語源辞典をあたります。

ほほう。
やはり、コピー機も化粧水もどちらも "toner" でした。
語源は "tone + -er"。

「音」「調子」「色調」などを作り出したり、整えたり、
というニュアンスが含まれていると考えると、
コピー機のトナーと化粧水を表す単語が同じでも、
納得はできますよね。

ただ、それでも、「トナーを顔につける」と考えると、
なんだか顔が真っ黒になりそうだなぁ…と思うのは、
ねこだけでしょうか(笑)。

"Do you have any siblings?"

前回に引き続き、「家族」についての表現をもう少々。

日本語で兄弟について話すときは、
「3人兄弟です」などという形で自分のことも含めて数えますよね。

ところが、英語では通常、自分のことは含めません。

I have a brother and a sister.(兄が1人と妹が1人います)
※弟と姉の可能性もあります

この違いについての文化的背景はわかりませんが、
ひょっとしたら、“家族・兄弟の中での自分”という見方をする日本と
“自分という個人の視点から見た兄弟”という見方をする欧米の
違いなのかもしれませんね。

ちなみに英語で“ひとりっ子”は次のように表現します。

I'm an only child. (私はひとりっ子です)

順番が逆になりましたが、
「兄弟はいますか」という質問はこうなります。

Do you have any brothers or sisters? (お兄さんかお姉さんはいますか?)
※弟と妹の可能性もあります

Do you have any siblings? (兄弟/姉妹はいますか?)

"siblings" という単語はあまり耳慣れないかもしれませんが、
兄、姉、弟、妹すべてをこの単語だけで表現できてしまいます。
随分、違うものですね。

訳語がぴったり一致しない単語の裏には、
大抵、面白い文化の違いが潜んでいます。
せっかく言葉を学ぶなら、文化も一緒にのぞいていくと
楽しみが倍になりそうですね。^^

2011年2月9日水曜日

伯母と叔母

「伯母」と「叔母」。
読み方は同じですが、意味は少し違います。
「伯母」は父または母の、「叔母」は父または母のを意味します。

「伯父」と「叔父」も同じで、
「伯父」は父または母の、「叔父」は父または母のを意味します。
(※地域によっては違う意味で使われることもあるようですが、ここではその説明は割愛します)

英語なら "aunt" と "uncle" で済んでしまうのに、
日本語では、わざわざ書き分けるんですよね。

そもそも、"brother" と "sister" という言葉も、
日本語では「兄/弟」、「姉/妹」と使い分けられています。

英語でもあえて年齢の上下を表現するなら…

兄: an elder brother, an older brother, a big brother
姉: an elder sister, an older sister, a big sister
弟: a younger brother, one's little brother
妹: a younger sister, one's little sister

となります。
しかし、ネイティブたちは
単に "brother" "sister" で済ませてしまうことのほうが
多いように思われます。

これは、年齢が上か下かで家族の中での位置づけが変わる文化と
それほど年齢を意識しない文化の違いによるものなんだとか。

ちなみに、中国語では「いとこ」にあたる言葉はなく、
父方か母方か、男か女か、年上か年下によって
呼び方が変わるそうです。

たしかに、日本語でも「いとこ」を漢字変換すると、
「従兄」「従姉」「従兄弟」「従兄妹」「従姉弟」「従姉妹」「従弟」「従妹」と
やたらといっぱい出てきますよね。
(※字幕では「いとこ」とひらがな表記をすることになっているので、
これらの使い分けについて考えたことはありません…)(^^ゞ

ところで、この文化の違い、
翻訳をするときに、大変な頭痛のタネになることがあります。

例えば、ドキュメンタリー番組のインタビューで、
誰かが "My sister lives in New York." と言ったとします。
これを字幕で「私の姉妹がニューヨークに住んでいます」
とするわけにはいきません。
なんだかお姉さんと妹さんの両方がいるような
印象になってしまいます。

そんなとき、どうするか。
とにかく、とことん調査します。
有名人なら、ある程度、家族構成を把握できることもあります。
しかし、一般の人の場合は、これがなかなか難しい…。
どうしても調べがつかず、「じゃあ、妹ってことにしますか」
などという結論を出しちゃうこともありますが、
そういうのは、どうも妙な気持ち悪さが残ります。(^^;

みんなインタビューのときには、"My elder sister is..." って感じで、
具体的に話してくれると助かるんだけどなぁ…。

2011年2月7日月曜日

センター試験と発音のこと

英語教育に携わる者としては、
やはりどんな問題が出たかを把握しておかないと…
と思い、今日ようやく、センター試験の英語の問題を解いてみました。

自分が受験生だった頃の問題がどんなだったかは
まったく記憶にないのですが、
今のセンター試験というのは、TOEICにわりと似ている
という印象を受けました。
マークシートの試験問題というのは、そんなものですかね。

センター試験というのは、問題も解答も、
後日、多くの人の目に触れることになるため、
文句を言われることのないように、
偉い先生方が点検に点検を重ね作られるのだそうです。

まあ、いくつかは“その設問はちょっと意地悪すぎないかな”
と思う問題もありましたが、基本的には妥当なところでしょう。
読み物もなかなか楽しく読めました。

ただ、最初の発音の問題について、
ちょっと思うところがありました。

下線部の発音がほかの三つの場合と異なるものを選べ
という問題です。

1. format    2. instance    3. manage    4. passion

1, 3, 4 が æ で、2 が ə なので正解は 2. ですが、
それって、英語を話す上で
そんなに大事なことなのかなぁ…と。

“センター試験で出るから”という理由で、
日本全国の大学や高校がこういう部分を重視して、
学生が必死になって発音記号を覚える…というのは
なんだか本末転倒な気がするのです。

英会話のレッスンをやっていると、
もっと他に、「みんな、頑張って覚えて~!」と言いたくなる発音が
山ほどあります。

その典型的な例が、 "work" と "walk"。
時々、中上級レベルの生徒さんの中にも、
字面に惑わされてしまう人がいます。

あえてカタカナで書くなら、正しい発音はこうです。

※発音記号をクリックすると発音サイトが開きます。

work = ワーク  walk = ウォーク
wə'ːrk〕     〔wɔ'ːk

ローマ字で読んだ場合とちょうど逆になる感じですね。
迷ったときは、「ハローワーク」と「ウォーキング」を
想像するとよいでしょう。^^

それと、"she" と "see" と "sea" もなかなかのくせ者ですね。

she = シー ※人を黙らせるときの「シーッ!!」って音に近いです。
ʃi
sea と see = スィー ※「ス」と言ってから「ィー」をくっつける感じ。
si'ː

そうそう、それともう1つ。
洋服という単語の複数形の "clothes"klo'uz〕。
みんな「クロズィーズ」と言ってしまうんです。
ねこも、よくホームステイ先で直されました。
これ、正しくは「クローズス」に近い音になります。

やっぱり発音は耳で覚えるのが一番!
CDを聴きながらリピートしたり、CDと一緒に音読したり、
シャドウイングをしたりしながら、
1つ1つ、自分のものにしていきましょう。

CDがなくて、“これ、どう発音するのかな?”
と思ったときには、こちらもオススメです。
http://www.howjsay.com/
検索窓に単語を入れて"Submit"を押すと発音してくれます。

こちらは文章も読んでくれます。
http://stepup.yahoo.co.jp/english/listening/


<今日のおまけ>
センター試験のリスニングに、1つ笑ってしまう設問がありました。
「猫を連れて引っ越しする際のアドバイスで
適切なものを選びなさい」という内容だったんですが、
これ、音を聴かなくても、選択肢を見ただけで、
正解がわかっちゃいました。(^^)v
一見、何の役にも立たなそうな知識でも、
思いがけないところで役に立つものですね♪

2011年2月6日日曜日

デモ

ちょっと恥ずかしい(?)告白をします。
「デモ」という言葉が "demonstration" の略語だということ、
実は最近まで知りませんでした。(^^ゞ
皆さんはご存知でしたか?

自分の中では、なんていうか、「デモ」と言われると、
プラカードとか横断幕を持った人がゾロゾロという印象だけれど、
「デモンストレーション」と言われると、
モーターショーなどの華やかな展示会場で、
きれいなお姉さんが商品の説明をしているイメージ。
その2つが、どちらも "demonstration" とは、なかなかびっくりです。

ところで、英語でも "demo" という省略形が使えるようです。
名詞としては「示威運動」という意味も、
「実演説明」という意味もあります。
複数形は "demos"。
"demo" を動詞として、「実地説明をする」「実演してみせる」という意味で
使うこともできるようです。

ちなみに、接頭辞としての "dem-" "demo-" の意味は、"people"。
"demography(人口統計学)" や "democracy(民主主義)"などが
同じグループに入りますね。

英単語を覚えるときに、
こうした接尾辞のイメージが頭に入っていると、なかなか効率的です。
代表的なものを挙げてみましょう。

bi- 二つの → bicycle 自転車
bio- 生命の → biology 生物学
co- 共同、共通、同等 → cooperation 協力, 協同組合
de- 否定、強調、下降、分離、悪化 → decode 復号する
dis-, di- 否定、反対、分離、強調 → dislike 嫌う
geo- 地球の、地面の → geology 地質学
hydro-,hydr- 水の → hydrogen 水素
inter-  間の、間に、互いに → international 国際的な
intra- 内部に → intracompany 会社内の
mono- 一つの → monoplane 単葉飛行機
nano- 10億分の1、極微細な → nanometer ナノメートル
tele-, tel- 遠い、電信の → telephone 電話

接頭辞ばかりを必死で覚えるというのは
あまり賢いやり方ではありませんが、
単語を覚えるついでに、ちょっと気にかけてみるようにすると、
語感が養われるのではないでしょうか。

ついでに、接尾辞や語根も意識してみると、
さらに言葉たちの素性が見えてきて、面白くなりそうです♪

2011年2月4日金曜日

"see" と "look" と "watch" の違いを考察する

"see" と "look" と "watch"。
どれも日本語では「見る」という訳になってしまいますが、
それぞれニュアンスや使い方が違う様子。

ねこは、これまで、"see" は「見える」で、
"look" と "watch" は「(意識的に)見る」だと思っていました。
でも、最近、なんだかそれも違う気がしてきたのです。

リーダーズ英和辞典と Cambridge Dictionaries Online
確認してみましょう。


"see"
vt
1a 見る、…が見える
b <演劇・名所などを>見る、見物する
c ≪新聞などで≫見る、…について読む;知る、学ぶ
★見るための努力が払われるときにはしばしば can を伴う;
進行形には用いられない;受動態では to 不定詞を伴う。
vi
1 見る;目が〔目に〕見える
(しばしば can を伴う;進行形には用いられない)

● to be conscious of what is around you by using your eyes
     e.g. Turn the light on so I can see.

● to watch a film, television programme, etc.
     e.g. Did you see that documentary on Channel 4 last night?


"look"
vi
1a 目を向ける、見る、眺める、注視する、熟視する

● to direct your eyes in order to see
     e.g. Look! There's grandma.
           They looked at the picture and laughed.



 "watch"
vi
1a 注意して見る、見守る、注視する、観察する
b 見物する、傍観する

● to look at something for a period of time,
especially something that is changing or moving
     e.g. I had dinner and watched TV for a couple of hours.
            Just watch how he slides that ball in past the goalkeeper.


なんだかなぁ…。(^^;

Googleの検索窓にこれらの3つの単語を入れて検索してみると、
使い分けについて、英語でも日本語でもいろいろな解説が出てきます。
それらを総合してみると、おおよそ次のようになるでしょう。

"see" は視覚的に認知すること、 対象が見えること。
"look" は視線を対象の方へ向ける行為。
"watch" は時間をかけて、動いているものを見ること。

"look" は視線を向けるという行為なので、他の2つとは区別しやすそうですが、
"see" と "watch" の違いはなかなか難しいですね。
"watch" には「動いているものを見る」というニュアンスがあるものの、
演劇を「見る」には "see" が使われます。
映画やテレビを「見る」には "see" も "watch" も使われる様子。

結局のところ、言葉が先にあって、
文法や語法といったルールは後から取って付けたものなので、
例外はいっぱい出てきます。

つまり、言葉を学ぶためには、
実際に使われている言葉をたくさん読んで聴いて、
感覚的に身につけていく努力も必要ということですね。

さあ、道のりは長いぞぉ!!

2011年2月2日水曜日

英語だと思ってました vol.1

英語だと思って言ってみたら、なぜか通じない。
そんな経験はありませんか?

そんな単語の代表格が「ホッチキス」。
これ、英語ではありません。
英語では "stapler(ステイプラー)"と言います。
ねこは大学生の頃、イギリスで思いっきり間違えました。


ねこ: Can I use your ホチキス?

ホストマザー: ????

(発音が悪いのかなと思い、もっと英語っぽく言ってみます)

ねこ: Can I use your ホッチキス?

ホストマザー: Hot kiss!??


そんなそんな、熱いキスなど求めちゃいませんよ。(^^;

ちなみに、「ホッチキス」というのは会社名です。
明治中期に伊藤喜商店(現、株式会社イトーキ)が
米国より初めて輸入したステープラが、
E.H.ホッチキス社(E.H.Hotchkiss)の製品であり、
これを「ホッチキス自動紙綴器」という名前で販売したので
ホッチキスという名前が定着したのだとか。


さて、もう1つ。
ねこが最近まで英語だと思っていたのが
「フリーサイズ」という単語。
こちらは和製英語です。
正しくは "one size fits all" と言います。

この「英語だと思ってました」シリーズは、
これからも、ちょこちょこ書いていこうと思います。
お楽しみに!

<今日のおまけ>
"stapler" を調べていたら、"wool stapler" という言葉が目にとまりました。
こちらは「羊毛商人」という意味だそうな。
辞書は雑学の宝庫ですね。

「英語・愛憎の二百年」

NHK教育テレビの『歴史は眠らない』という番組で
日本人と英語の関係についての全4回シリーズ
「英語・愛憎の二百年」が始まりました。
http://www.nhk.or.jp/etv22/tue/summary.html

第1回は“英語教育事始”。
江戸時代の人々が、日本人の英語教育の原点を確立する奮闘ぶりが
紹介されていました。

中でも目を奪われたのが、日本初の英和辞書を作る際の
手書きの原稿。
35,000語の英単語と日本語訳を手書きするなんて、
考えただけでも気が遠くなりそうです。
しかも、訳語を何度も何度も書き直した赤ペン入り。

こうやって努力をしてくれた人がいるおかげで、
今、私たちは簡単に英語が学べるんですねぇ。
感謝、感謝!

次から次へとついつい買ってしまう英語教材を
本棚で眠らせている場合じゃないなぁ…と
反省いたしました。(^^ゞ


ちなみに、放送時間は以下の通り。

本放送 毎週火曜 PM10時25分~PM10時50分(教育テレビ)
再放送 翌週火曜 AM5時35分~AM6時00分(教育テレビ)

※第1回の再放送は2月8日の早朝です。

2011年2月1日火曜日

"SMOKE-FREE BUILDING"

前回のたばこの話に引き続いて、もう1つ。
ビルのロビーにこんな表示があります。

"SMOKE-FREE BUILDING"

さて、ここでたばこを吸っても大丈夫でしょうか?

答えはNO!
"-free"というのは、「~から自由な」「~のない」という意味。
つまり、この表示は「煙のない建物=全館禁煙」を意味します。

"free" ってことは、自由に吸っていいのかぁ
なんて思ったら、大変なことになっちゃいますね。

この "-free" という表現は他にもたくさんあります。

additive-free food
無添加食品

advertising-free website
広告のないウェブサイト

alcohol-free beer
ノンアルコールのビール

auto-free zone
自動車乗り入れ制限区域

barrier-free
障害物のない、垣根のない

caffeine-free coffee
カフェイン抜きのコーヒー

car-free mall
歩行者天国

duty-free
免税の、無税の

duty-free shop
免税品店

salt-free butter
無塩バター

"barrier-free" "duty-free shop" あたりの表現は、
日本語でもかなり浸透してきていますね。