2026年7月21日火曜日

語学学習にAnkiを活用する

皆さま、こんにちは。ねこです。先日、「言語習得のカギは脳に負荷をかけること」というブログを書きましたが、今日は、そこでちらりと紹介したAnkiアプリについて解説しますね。

Anki(アンキ)は間隔反復(Spaced Repetition)という科学的記憶法を取り入れた暗記カードアプリです。PCデスクトップアプリ、AnkiWeb、スマホアプリの3つが連携して動作する仕組みになっています。

① PCデスクトップアプリ:カード作成と管理
② AnkiWeb:PCとスマホ間でデータを同期する、ブラウザ上でも学習可能
③ スマホアプリ:日々の学習 *AnkiMobile (iOS)は有料、AnkiDroid (Android)は無料

<使い方の基本ステップ>
1)AnkiWebアカウントの作成(これがPCとスマホのデータを繋ぐIDになります)
2)PCにデスクトップアプリを導入
3)PCでデッキ(単語帳)とカードを作成

4)同期してスマホに転送
5)スマホで毎日学習

(表)

(裏)

(表)

(裏)

単語カードの作り方は、YouTubeでたくさん解説動画が見つかります。例えば、こちらのニーナさんの解説はかなりわかりやすいかと思います。


私はこんな形で、エクセルでリストを作って、それをCSV(UTF-8) 形式で保存し、デスクトップアプリにインポートしました。


A列とB列だけでなく、他の列も組み合わせて問題を作ったので、「ノートタイプ」を選び、「フィールドの割り当て」もしました。


ここまで、ややこしい作業をしたくないな…と思う人は、単純にエクセルのA列に表面、B列に裏面を入力して、サクッとインポートするだけで大丈夫です。

エクセルなんて、使いたくないし…という人は、デスクトップアプリの「追加」のところで、表面と裏面を打ち込んで「追加」ボタンを押すだけでもOK👍

ちなみに、「共有デッキをダウンロード」というところを押すと、Shared Decksというページに飛んで、そこに出てくるデッキを使わせてもらうことも可能です。検索窓に"Italian"と入力したら、たくさんのデッキが表示されました。

「イタリア語」で検索したら0件でしたが、「英語」はいっぱい出てきます。

ただ、これは一般の人が自分の勉強のために作ったものも多いようなので、作成者が誰なのか、Ratingはどのくらいかも参考にしつつ、どれを使うかじっくり判断をした方がよさそうです。

「パソコンもスマホも嫌!」という人は、昔ながらの単語カードもアリだと思います。あるいは、ノートの真ん中に線を引いて、左側に日本語、右側に英単語(イタリア語単語)を書いて、栞で片側を隠して、1行ずつずらしながら単語テストをするのも効率的です(←英検の単語は、こうやって覚えました)。

AIに答えを聞くのをやめ、脳に負荷をかけて語学を学ぶという方法に切り替えましたが、Ankiの設定方法を学んだり、エクセルの単語リストを作ったりすることにはAIを活用しています。ここはAIに頼るところ、ここは脳トレするところ…という判断を大切にしていきたいですね。

2026年7月19日日曜日

言語習得のカギは脳に負荷をかけること

皆さま、こんにちは。ねこです。4月から毎週水曜日にイタリア語文法の授業を受けているのですが、AIに頼って予習をしていたせいで、学びが少なかったことに気づきました。今日は、そこからどう勉強方法を改善したかのお話です。

日々、忙しく過ごしていると、あっという間に水曜日がやってきます。すると、いつの間にか「とりあえず授業で答えられるようにすること」が予習の目的になっていました。

ChatGPTに「この文章の日本語訳と、単語や文法のポイント解説をお願い」と言って、出てきた答えをコピペ。そうやって「予習用ノート」を作るのが習慣になってしまったのです。それをざっと眺めると、なんとなくわかったつもりになるのですが、授業中にちょっとした応用問題を出されると完全に頭がフリーズしてしまいます。

そんな調子で3ヵ月が過ぎ、6月末に英語教育のフォーラムに参加。そこで、「認知的負債」の話を聞き、「あっ、このやり方では脳に負荷がかかってなかった!」と気づきました。

イタリア語をなんとなく勉強したりしなかったり…というのを始めたのは、おそらく20年ほど前(笑)。2007年のNHK「イタリア語講座」のテキストとCD一式を今も持っていて、よく音源を聴いています。


でも、実際にやっていたのは、4月号から6月号あたりをランダムに流し聴きするだけ。そして旅行前には旅行会話のCDをひたすらシャドーイング。

なので、イタリア語の音にはすごく慣れているし、旅に必要な会話はできるし、冠詞の変化や動詞の活用、人称代名詞がどうこうというややこしい文法があることも漠然とは知っているものの、自力で文章を組み立てることができないままだったのです。

この20年分の大反省のもと、先日ついに動詞の活用を覚えるトレーニングを開始しました。使っているのはAnkiというアプリです。

使い方はあらためてご紹介しようと思いますが、いわゆる昔のリング付き単語カードをめくっていくような感じで、次々と単語テストをやっていきます。

そしたら、あら不思議。2週間ほどで、答えを言うペースが早くなって、頭の中で何かがちょっぴりつながり始めてきました。

授業の予習も、まずはイタリア語の文章だけを見て、日本語訳を考えます。訳せない時は、どの単語がわからないから訳せないのかを考え、イタリア語の辞書を引き、ChatGPTにヒントを出してもらいます。そうやって頑張って日本語訳を作ってから、ChatGPTに訳文の講評と解説をしてもらいます。イタリア語の作文も同様です。

当然、時間はすごくかかりますが、そこまでやってからChatGPTの解説を読むと、「ああ、そういうことか!」と、脳が喜ぶ感覚があります。

AIを使っちゃいけないということではなく、自分の脳に負荷をかけるべきこと、AIにお願いした方が効率的なことを見極める力が重要だったんですね。

長年なんとなく英語を勉強したりしなかったりで、停滞モードになっている人、脳に負荷をかけるトレーニング方法を考えてみませんか😊

2026年6月28日日曜日

英語教育クロスリンクフォーラム vol.1「AIと英語教育」

皆さま、お久しぶりです。ねこです。元々は2010年にイーオンの生徒さんの質問に回答するために始めたブログですが、ほぼ休止状態で、最近は投稿内容も他の話題が多くなっていました。今回は久しぶりに英語の話題です!

6月27日に「AIと英語教育」というフォーラムに参加してきました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000247.000038445.html
株式会社朝日出版社と英語教育クロスリンクフォーラム組織委員会の共催です。

登壇されたのは、こちらの先生方:

三原 伸剛 先生(灘中学校・高等学校 英語科 教諭/英語教育クロスリンクフォーラム組織委員会 会長)

髙木 俊輔 先生(聖光学院中学校高等学校 英語科 教諭/文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ委員/Google for Education認定トレーナー)

田中 茂範 先生(慶應義塾大学名誉教授/PEN言語教育サービス代表)

具体的な内容の前に、とにかく印象的だったのは、中学・高校の先生と大学の名誉教授の話し方の違いです。

中学・高校の先生は、日頃から生徒さんの興味関心を引くのに苦労をされているからか、セミナーの話がとにかく面白い! 会場を笑いの渦に包み、グイグイ話に引き込んでいきます。

一方、大学の名誉教授は、文字の小さなパワーポイントを出し、淡々とお話を始められたので、実は最初ちょっぴり戸惑いました。その後、ものすごく話に引き込まれることになるのですが…。

・・・・・

では、おひとりずつのお話を少しご紹介しましょう。

<三原先生のお話>
なぜ、シャドーイングが効果的なのか、どういう手順でシャドーイングをすると効果的なのかというお話がとても参考になりました。

①精読
②チャンクごとに止めながら音読
③一文ずつ止めながら音読
④文を見ながらオーバーラッピング
⑤英文の意味を想起しながらオーバーラッピング
⑥文を見ずにシャドーイング
⑦意味を想起しながらシャドーイング 

これだけでも貴重な情報なのですが、さらには生徒さんに宿題として、どうやってシャドーイングをやらせるかについて、AIを活用した教材の作り方から使用事例まで、とても丁寧に解説してくださいました。

AIでスクリプトを生成し、Grammarlyでチェックをし、BenesseのGELP(ジェルピー)という学習支援サービスを使ってシャドーイング教材を作り、学習状況も管理しているとのこと。
https://www.benesse.co.jp/gtec/gelp/

POLYGLOTSのレシピーというプラットフォームもご紹介いただきました。
https://www.polyglots.net/

高校生向けの「Echo Listening」という教材もおすすめだそうです。(※店頭販売なし)
https://text.asahipress.com/high-school-english/detail.php?id=2126

<髙木先生のお話>
学習者が関心を持つ教材を作る工夫、自学支援をする方法、発音改善の指導、英作文の添削など、英語教育にAIを活用する事例をとても具体的にご紹介いただきました。生徒さん自身にAIによる英文添削(文法・表現上のエラーの指摘)を受けてもらい、修正前と修正後の英文を提出してもらうといったやり方をすると、学習者の間違いや誤解を分析することができるとのこと。

「AIリテラシーが高いと自負している人ほど、自信過剰になる傾向」というお話には、かなりドキッとしました。AIに答えを聞くのは、AIに筋トレさせているだけ。それでは自分の力は伸びない。確かにそのとおりですね。

ご紹介いただいたツールで特に使ってみたいのはこちら:

Google AI Studioを使ったTTS (Text to Speech)は、いろいろなタイプの声のトーンでかなり自然な読み上げをしてくれるツール。
https://aistudio.google.com/prompts/new_chat

その他にも、英文読解の解説をしてくれるbotや、英文をチャンクごとに対訳で表示してくれるbotなどの自作ツールもご紹介くださいました。

世の中って本当にすごい勢いで進化しているんですね。ぼーっといつもどおりに仕事をしているだけで、意識的に情報を取りにいかずにいると、あっという間に取り残されてしまいそうです。

<田中先生のお話>
AIにできること、人間にしかできないことについて、大変深い考察を示してくださいました。さまざまな具体例を挙げてAIの限界を示すことで、人間はどうAIを利用していくべきかのヒントを提示してくださったという感じです。字幕翻訳者として、今後どう生き残っていくかの手がかりにもなるお話でした。

「認知的オフロード」「認知的負債」についてのお話も印象的でした(ぜひ、これらの言葉を検索してみてくださいね)。最近、時間に追われていると、英文メールで送りたい内容を日本語でざっと書いて、AIに英文を作ってもらい、内容に問題がなければそのまま送ってしまうこともありましたが、やはり、それを続けていては、当然ながら英文を書く能力が低下するわけですよね(汗)。

添削にAIを使うことで、learner's voiceが失われるというお話もありました。その話を聞いて思い出したことがあります。アメリカ人の親友(言語学者)宛てに英文メールの下書きを作り、それをChatGPTにリライトしてもらった時のこと。リライトされた文章をメールの前半に貼り、修正前の文章を後半に貼って送ってみたところ、「気づかず普通に読んでたけど、修正前の文を読んだら、ああ、これがKumiko's voiceだと思った」と言われたことを思い出しました。

田中教授のお話は、今後のAIとの向き合い方を考え直すきっかけになりそうです。


<フォーラム開催のお礼>

このような興味深いフォーラムを主催してくださり、ありがとうございました。

・株式会社朝日出版社
・英語教育クロスリンクフォーラム組織委員会

協賛してくださった企業の皆さま、ありがとうございました。

・株式会社アルク
・株式会社Glats(学研グループ)
・株式会社Globee(abceed)
・株式会社三省堂
・株式会社ポリグロッツ(レシピー)
・株式会社学びエイド

「英辞郎」や「キクタン」、「新明解国語辞典」や「Dualウィズダム英和辞典」でとてもお世話になっている企業様がいらっしゃったので、まるで恩師に会ったような気持ちになりました。

また、配付資料の中に「CNN ENGLISH EXPRESS」3月号が入っているのを見つけて大感激!! しかも、Kindle Unlimitedで、他の号も0円で読めるんですね。これを機に、あらためて英語とじっくり向き合い、2026年の学習方法をちょこちょこ発信していけたらと思っています。


<当ブログの関連記事>
「ChatGPTはどんなふうに使えるか」2024年8月11日投稿(※ちょっと古いのですが…)
https://interesting-languages.blogspot.com/2024/08/chatgpt.html

2026年2月28日土曜日

Maria Schneider Orchestraの新作「American Crow」が到着!

皆さま、こんにちは。ねこです。今回もジャズのお話です。

マリア・シュナイダー・オーケストラの新曲「American Crow(アメリカン・クロウ)」のCDがはるばる海を越えて、ねこの家に届きました。そう、CDです。


大好きなアーティストさんが心を込めて作ったものだから、ジャケットやCDの盤面、そこに綴られている文字のすべてが愛おしい。なので、せっせと注文して手に入れました。

その注文プロセスをご紹介します。入り口はこちらです。
https://www.mariaschneider.com/

このページにある「CD STORE/LISTEN」というところをクリックすると、販売中のCDが出てきます。そこで「American Crow」を選び、「BUY NOW」を押すと、ArtistShareのページに飛びます。

ArtistShareはミュージシャンの創作活動をファンが支援する目的で設立されました。いわゆるクラウドファンディングの先駆けという感じです。アーティストがCDを制作する段階で、ファンがCDの購入権を先に買うというカタチで応援できます。このCDの制作段階で多額の寄付をした方たちのお名前は、CDパッケージのデザインの一部として、ばっちり印刷されています。

さて、話を戻しましょう。ArtistShareのページで「ADD TO CART」を押します。そうすると、Shopping Cartが表示されます。


CDのお値段は24.95ドルです。送料はTBD(未定)。ここから青いボタンを押して、STEP2に進みます。ここで、Loginと出てきて、びっくりするかもしれませんが、メールアドレスを入力してCONTINUEを押してください。

そして、メール認証をして、Shipping Addressを入れる段階になったら、国名を選びます。



そして、住所の入力が済むと、日本の場合Shippingの料金が$15.95になります。あとは、クレジットカード情報を入力して完了です。


それにしても、これまでにないようなデザインのジャケットですね。写真だとわかりにくいかもしれませんが、厚紙をミシンで縫って、CDを収納する場所を作ってあります。


エンボス加工の小さな星がたくさんあるのは見えますか。この星と文字が星条旗を形づくっています。どんなことが書いてあるのか、一部をご紹介しましょう。

"If you want peace, you don’t talk to your friends, you talk to your enemies. -- Desmond Tutu"
(平和を求めるなら、仲間と話すのではなく、敵と話をすることだ――デズモンド・ツツ)

「American Crow」では、皆が自分の言いたいことだけをわめき散らし、考えの合わない人の話には一切耳を傾けなくなった今の世の中を憂う気持ちが描かれています。裏を返せば、「平和への強い願い」と言うこともできるでしょう。

デトロイト・ジャズ・フェスティバルで、「American Crow」を演奏する際、マリアが、曲のどの部分がどんなことを表現しているかを説明し、最後に"Can we ever find our way back?"(かつての世界に戻る道を見つけられるでしょうか?)と言っていたのが印象的でした。(曲解説は、いずれ、ねこおじさんが書くでしょうから、おまかせしましょうね)

CDと一緒に小さなカードが入っていて、そこに書いてあるURLに、自分用の番号を入力するとWAV(284MB)とHi-Res FLAC(580.75MB)の高音質ファイルのダウンロードができます。

また、制作プロセスについての特典映像を見ることができます。これは、ファンにはたまりません!

注文したくなった方、今すぐにこちらへどうぞ♪
https://www.mariaschneider.com/

そして、CDが届くまでは「American Crow」のYouTubeをお楽しみください。冒頭で古代ギリシャの言葉が画面に映ります。

"We have two ears and one mouth, so that we can listen twice as much as we speak."
(私たちには耳が2つと口が1つある。話すことの倍、人の話を聞くためだ)

とても印象的なMusic Videoです。縫い目が解けていく映像と、ミシン目でしっかり縫われたCDジャケットも、対比になってるのかもしれませんね。

ところで、マリア・シュナイダー・オーケストラの来日公演が発表されました。ブルーノート東京の8月4日~8日の5日間と8月9日の高崎芸術劇場です。

ブルーノート東京の会員先行予約は3月8日から、一般予約は3月15日から。https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/maria-schneider/

高崎芸術劇場は「プレオーダー受付中」となっています。
https://www.takasaki-foundation.or.jp/theatre/concert_detail.php?key=2243

暑いのがすごく苦手なので夏は嫌いだったのですが、今年は夏が来るのが楽しみで仕方ありません!