皆さま、こんにちは。ねこです。
最近、何でも尻込みせずに
挑戦するようになりました。
今回挑戦したのが、写真の専門学校。
ICP (International Center of Photography) という
専門学校で、42丁目のブライアント・パークの
すぐ近くにあります。
この学校は、1年間の専門コースの他に、
1週間の講座、4日間の講座、
1日限りの講座など、
さまざまな講座を設けています。
2016年夏の講座案内のPDFがこちら。
今回、ねこが受講したのは
午前10時から午後5時という
一日限りの講座です。
さっそく学校の中に入ってみましょう。
こちらは、仲良しになったクラスメートのPia。
アルゼンチン人です。
アルゼンチンで写真家として活躍していて
3か月、ニューヨークに
写真の勉強をしに来たとのこと。
そうなんです。
びっくりしたことに、
ねこが選んでしまった講座は、
かなりハイレベルなクラスで、
写真で何をどう伝えるかについて
いろいろディスカッションをするという
授業でした。
構図などのキホンのキを
学ぶつもりだったのに…。
何だか小学生が大学の授業に
出てしまったような気分です。
ま、嘆いていても仕方ない。
とにかく授業に集中しましょう!
講師はKaren Marshall先生。
http://www.karenmarshallphoto.com/
https://www.instagram.com/kmphoto/
まずは、プリントが配られ、
写真を撮って編集するプロセスについての
説明がありました。
1)The Intention
Defining what it is you want to photograph
何を撮りたいかを決める
2)The Manifested Experience
What happens out in the field
予想外な事態(天候など)に柔軟に対応する
3)The Image in Front of You
How to deal with the images you make
写真で物事を伝える方法(構図)などを学ぶ
4)The Objective Viewer
Extract yourself from the experience you had photographing when you analyze your photographs
他の人にとっても価値のある写真か客観視する
(※特別な思い出のせいで、その写真をいい写真だと思い込んでしまうことを、Karen先生は、"back story syndrome"と呼ぶ)
5)Establishing a Relationship: Conversations Your Work
Allow your photographs the power to guide you
撮った写真からインスピレーションを得て次の写真に生かす
6)Finding Your Directions: Conceptual Concerns
Determine the genre you want to work in
自分の写真の方向性を見つける
7)Your Journey: the Personal, the Objective, and the Metaphor
Identify the metaphoric links between your photographs and your life
写真を比喩として使い自分が何を伝えようとしているのかを知る
8)The Sequence
Develop skills to build a concise visual language within a group of images
複数枚の写真を並べて視覚的言語を紡ぎ出す方法を学ぶ
う~む。。
これ、日本語で授業を受けても、
かなりいっぱいいっぱいな感じ(汗)。
まあ、とにかく他の生徒さんの
写真を楽しませてもらいましょう。
写真はデジタルで持ってきても
プリントで持ってきてもOK。
1人20枚、作品を持参しています。
今日の生徒は7人。
デジタルの作品は、
Lightroomというソフトで
スクリーンに表示されます。
まずは、大写しで1枚ずつ
じっくり鑑賞します。
この時点ではディスカッションなし。
1枚5秒ぐらいだったかしら。
次に全部の写真が表示され、
ディスカッションが始まります。
まずは、パワフルだと思う写真はどれか、
好きな写真はどれか。全員が意見を言います。
こんな写真が残りました。
子供の撮影を仕事にしているプロなので、
かわいい写真がたくさん。
しかし、先生のコメントは
非常に印象的でした。
左下のかわいい写真を一枚指して、
「例えば、自分の子供をこんな風に
撮ってもらえたら、
親としては、とても嬉しいと思う。
でも、それは本人たちだけが喜ぶ
コマーシャルフォト(商用写真)なの」。
それが悪いと言っているわけではないけれど、
写真自体が何かを語りかけてくるような
見る人に何かを考えさせるような
そういった力強さはないとのこと。
メッセージ性のある写真で
「少女」というテーマで
セレクトされた6枚がこちら。
また、最もパワフルな写真という意味では
こちらの3枚が選ばれました。
先生が繰り返し言うのは、
"Less is more."
つまり、“少ないものの方が多くを語る”
ということです。
例えば、Facebookに旅の写真を
100枚アップするよりも、
旅のエッセンスを抜き出した
10枚をアップするほうが、
より多くを伝えることができると。
この数日前に、50枚近い写真を
Facebookにアップしてしまったので、
思わず大反省です。。
また、先生は、"decipher"
という単語を繰り返し使っていました。
“解読する”“読み解く”という意味です。
先生の定義としては
"successful photographs"というのは、
人を立ち止まらせて何かを考えさせるような
そういう力のある写真のことを指すようです。
さて、続いては、Benが撮った写真。
こちらは4x6(フォー・バイ・シックス)という
ポストカードぐらいの大きさの写真です。
(※4inch x 6inch / 10cm x 15cm)
すべてキューバで撮影した
モノクロ写真。
展示をするならどの写真を
どの順番で並べるか
ということをディスカッションしていきます。
特に被写体の視線がどうなっているかが
ポイントになりました。
同じカメラ目線の写真でも、被写体が、
“さあ、どうぞ撮ってください”という
顔をしているものの場合、
すでに、被写体は自分の場所から、
写真の中に移動してしまっている。
しかし、“あっ、撮られる?”という感じで
一瞬、カメラを見た写真の場合、
被写体は、まだその場所にいる。
(She didn't leave where she was.)
カメラ目線でニッコリという写真が
いけないと言っているわけではなく、
考えるべきは、
“伝えたい内容と合うか”ということ。
こちらの写真は、
セレクトから外されたものです。
なぜなら、"generic Cuba"だから。
ドアのところに座る老人や
その右の少年の横顔などは、
本当に構図も美しくていい写真だけれど、
誰かが何度も撮ってきた一般的(generic)な
キューバの写真なので、
これは"Ben's Cuba"ではない。
というわけで、先生の誘導する
ディスカッションを通して選ばれた
Ben's Cubaは上段の9枚です。
(※これだけではよく見えないと思うので
後ほど、Benのサイトなども紹介します)
さて、次はAshleyの写真です。
彼女はICPで働きながら、
写真を学んでいます。
彼女の写真については、
"provoking"だという
感想を持つ人が多かったようです。
“挑発的”“刺激的”という意味です。
左上の写真は、ダーツのボードに
三つ編みされた髪が刺されています。
その下は、オレンジの果肉の中に
髪の毛が挟まれている写真。
スマイルマークのボールが
割れていたり、
“えっ、何? 何なの?”と
妙に感情を刺激されます。
まさに、先生の言う、
"Make people think."
考えさせる写真ですよね。
"How do you take responsibility as an artist"
芸術家として、どう責任を取るのか。
Ashleyの作品を
いろいろ並べ替えながら、
先生はストーリーを構築していきます。
例えば、この4枚に絞った場合、
女性の"vulnerability"
いわゆる“弱さ”を象徴する
作品になるとのこと。
また、ここにタバコを吸う黒人男性と、
茶色と白の卵の写真を入れると、
人種(race)や性別(sex)をテーマにした
別のメッセージが生まれる。
いやはや。写真って、すごい…。
今、紹介したPia、Ben、Ashleyと
仲良くなったので、
公式サイトやインスタグラムなども
教えてもらいました。
Pia Harboure
http://www.lumenuxphotography.com/
https://www.instagram.com/lumenuxphotography/
Ben Arnon
http://www.benarnonphoto.com
https://www.instagram.com/benarnon/
Ashley Comer
http://ashleycomer.com/
https://www.instagram.com/ashley.comer/
これからずっと応援していきたい
アーティストの皆さんたちです。
よかったら、インスタグラムなど
フォローしてみてくださいね。
<本日のおまけ>
皆さんの写真と同等に扱うには
すごく気が引けてしまうので、
ちょっとおまけとして、
ねこの写真を紹介します。
ねこの写真は、光と色に、
すごく特徴があるのだそうです。
なので、そこを意識して、
撮っていくといいと言われました。
また、モノクロのニューヨークの写真は、
現在の写真であるにもかかわらず、
1920年代ぐらいの雰囲気が出ていて
ちょっと面白いとのことでした。
引き続き、いろいろ楽しく
撮っていけたらいいなぁ…と思っています。
<参考情報>
Karen Marshall先生の別の講座の内容が
記事にまとめられているものがありました。
すべて英文ですが、興味のある方はどうぞ。
http://photography.tutsplus.com/articles/how-to-assess-and-edit-your-photographs--cms-24904