2025年7月3日木曜日

坪井さんの旅 欧州第1章

皆さま、こんにちは。ねこです。前回のブログ「大陸を走る人」で、冒険家坪井さんの旅について紹介しました。
https://interesting-languages.blogspot.com/2025/04/eurasia-running.html

ロサンゼルスからニューヨークまでの北米大陸横断ランから20年。現在、坪井さんはユーラシア大陸横断に挑戦中です。

小説家でもある坪井さんのFacebook投稿があまりに面白いので、特に印象的なものをピックアップしました。書き出しだけ引用するので、リンク先の投稿を読んでみてくださいね。特に6月26日の投稿は、ぜひ、たくさんの人に読んでほしいです。本当に元気が出ます!

※投稿は「全体に公開」になっています。知らない人からいっぱい友達申請が来ると戸惑ってしまうかと思うので、そっと読んで、そっと「いいね!」を押して応援してあげてください。

【4月16日】まずリスボン(ここ)から西に40キロほどにあるユーラシア大陸の最西端ロカ岬まで行く。その後はスペインの聖地サンチャゴ・デ・コンポスティアーラまで…https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02Qqnp8ZpKoCUrJ8stDXYgiYsmGRXQdwrMiH2iU4Wxndr1iUGZLSDRCb9d6Jh4WcCl

【4月18日】朝5時に起きる。ドミトリーで他の客もいるから、音立てると迷惑。部屋から荷物すべて外に出して、フロントの横で…https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02jwguJPVhnQJx2XR8AZo1rycbpKuFeDixqXcdUooJF6EKJPpBaoHzhLqRcEv857Z9l

【4月22日】ロカ岬の観光案内所で最西端の到達証明書を発行してくれる。記念にとお願いする。書類を作ってくれる職員が…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid038LrMi6BZq2M31SEHYMqXx6ZPr4jj5V34b9VPPSFKCGwkVgZK6nYaEEego6MgKJFDl

【4月14日】スマートウォッチが重度の運動過ぎる危険、と…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02xi2Ku3CoMqHDwrQpT1zTK5KSP8DsX5S7LvrTdpNHyERMLZVeEANX7TzoPyZpgxmWl

【5月7日】インド人の散髪屋さんに行ったらインド人みたいになった。
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02KYSA6nFDCg9fbgJnSGJRao1HREeLTTyngS8JA68upTvNLNZWG2qCxVHb5yzg8nirl

【5月6日】ポルト。過去に見た町の中で最も美しい。リスボンよりもコインブラ。コインブラよりもポルト。もう人工的な景色には感動しない、と、思っていた。町に泣かされるなんて初めて。
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02he8C8XTLPMu1JdXVRogoJK6KDNZb2rNG96gXa2DCxeX4Q3FQtLxronJQ4SyjxmJdl

【5月18日】ザックを下ろして、灯台の先の岩場に座る。そのまま動けなくなる。地の果て、フィニスティラ。来たかったのはここ。聖地サンチャゴよりも…https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/videos/1381656322878791

【5月19日】迂闊に転ぶと、滑り落ちそうな下り坂。地元の兄ちゃんがランニングで上がってくる。その後ろから犬を連れた…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid0CQkLwXrBoohGiogW5MxJV9pHhrrZTVcgU3MFMhKk6jTuVUarbYUwePbA9xpxhETol

★【5月23日】ヨーロッパ中に広がる巡礼路はサンチャゴに集まり、そこで終わる。大聖堂の前の広場には、夢を成し遂げた人が集まり、感極まってはしゃいだり泣いたり…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02ic3J8HswiDxYpVhMi83ohXwh12hKVdqTmtDx9i2vuJvrLVXARcRcbHCoN5mtjfqMl

【5月31日】これ、分かりやすい。イベリア半島の道。今、サンチャゴから山脈を2つ越えて平野部に出た。あとピレネー山脈を越えればフランス。現在全行程が1480キロ。フランス人の道終了地点で2000キロほどに…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid022hDtCYWwzJ8BVqNTviZ7tybxzGA4raonQ2xXGCmKNQNEFAg1j727wfH6JZXC6S45l

【5月31日】さすがメインルート。こんな数の2段ベット始めて見た。隣との感覚も狭く、しかも客も大入り。隣のベットに峰不二子みたいなフランス人。宿のルールをいろいろ聞いてくるが…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid032gTV3uLN4HvXa49XeK1gyULWSFURwFnnhyf9YPm5Z4Y59MsSGRBpTJtnUmKiSGktl

【6月2日】本日の距離、35.22キロ。15時に終了して、シャワー、洗濯、晩飯、明日の予定管理。19時にメール確認。このくらいのスケジュールが…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid0LzkEXhSVB1zCTsoPtyQfGyH8KoQji3CK8rxbuNwMagLQxoyodFN6kc89KHgWGLChl

【6月5日】やった~。出来た書込み。詳細データーです。4月14日、リスボン。11.58キロ。空港から市内までと町歩き。4月15日、リスボン。8.13キロ。計19.81キロ…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02xFhneCK7d5jFTn2f8g45F1MxZJwwHRkPJtizo3Dk74ksJBCNxUUC63u4xiPhyNUzl

★【6月11日】明日ピレネー山脈を越えてフランスに入る。巡礼路フランス人の道、逆行788キロ終了。21日。なんかどこで休み取ったらいいのか分からず3週間歩き続けて…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02sJha4pWVhzaRHmydrmcZzXBmo2bY9y3Dke9zBSnMdpapPX1WMwrnvPUjAXqgV9QWl

【6月18日】フランスに入ってからのルート。決めてなかったので情報収集も兼ねて、巡礼事務所に相談に行ってみる。リスボンから来た、と、告げると事務所がちょっとした騒ぎと…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid0ddBQeDs7mMJmNG1DbKxrugCqNeJppMPmn9Z9ADKbiSbctKHzm32jJ1GMo4LCs1K1l

【6月21日】毎朝、歩きながら昨日の選択についていろいろ考える。もう少し進めておいたほうが・・。最初の頃はそう思ったが、最近はなんかすべて正解な気がする。済んだことは済んだこと。
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid0NZpwnitXS8fQfFg7q3RuoLt3kTzkiKKeMS1F2HaWajgucQxeT3cHixjY9zodAPYdl

★★★【6月26日】時々、日本人と会う。ほぼ僕より年上。スペインで会った方は70歳だった。英語が全くできず、体力的にも…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02yTGgvXieqQiAgtmHz15RddsaYoL4xs4PuA8PvTKgYyenFwZv6sSvEwexjeRBsib3l

【6月26日】知恵貸して下さい。もうすぐ山岳地帯に入るから暑さからは少し逃れられるかも。ただ、もうタイムリミット。リュピュイの道終了まであと…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02oaaC4WFQd4iRzB7jWHSxiUHjRJRGJEXMmfPRsU8ZqaZwrE4v27HcLgtPpKWL2ZbSl

【7月1日】コンクへの地獄の坂。300メートル、ほぼ垂直に降りる。森の中だから分かりにくいけれど…
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02eL2Mn2smPAxBHp6igEzYKk1F78KVmz4cqU4c5Q9oSxe9KK65djBPrNTo9juaJ4VZl

【7月2日】5月、1009キロ。6月、1045キロ。良い感じ。
https://www.facebook.com/shingo.tsuboi/posts/pfbid02C1p75kTMRGwYLNgwmPPfrLFV6w9Ad7qMmuT4yP991EvH1JfUeLeRG8u2BQCoR5bTl

(つづく)

2025年4月11日金曜日

大陸を走る人

皆さま、こんにちは。ねこです。歩いたり走ったりするのはお好きですか。これまでどのくらいの距離を自分の足で移動したことがありますか。ねこおじさんの長年の友人で、ロサンゼルスからニューヨークまで、5,393キロという距離を走った人がいます。

その走り旅から20年。61歳になった坪井伸吾さんは、2025年4月10日、今度はユーラシア大陸を走破する旅に出発しました。

今回、航空券の手配などでお手伝いさせていただいた私とねこおじさんは、成田空港でお見送り。旅のおおよその計画を伺いました。

北米大陸横断の続きということで、今回は、一度、ニューヨークへ飛び、そこからリスボンに向かい、まずはユーラシア大陸の西端のロカ岬へ。そこから、サンティアゴ巡礼路をたどる形で、スペイン、フランスを走るそうです。

そこから先は、おそらくイタリアを通って、東へと進んでいくわけですが、シェンゲン協定加盟国への滞在は「あらゆる180日間内で最大90日間」というルールがあるので、まずは、90日以内にいわゆるEU圏から出られるかが勝負になります。

ただ、仮にクロアチアを出国して、シェンゲン圏から出られたとしても、その先には再びシェンゲン加盟国のギリシャとブルガリアが…。なので、どこかで90日になってしまいそうな場合、一時帰国し、90日待って、再び続きを走りに行くことになるそうです。


「20年前と比べて体力は落ちてるけど、でも、やれるということだけはわかってる」と、何のためらいもなく断言された坪井さん。

トータルで、どのくらいかかるかわからない旅ですが、引き続き、精一杯サポートさせていただきます!


いってらっしゃい!

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と成田で見送ったのが、4月10日の19時半頃。ホノルル経由で渡米した坪井さんは、先ほど無事、ニューヨークに到着したそうです。

時々、続報をアップしますね。


「ロスからニューヨーク走り旅 北米大陸単独横断マラソン5393km」
坪井伸吾著(ラピュータブックス)
(※ニューヨークのゴールのところで、ねこおじさんが登場します)

<おまけ>
成田のさくらの山の桜が見事でした。


2025年3月25日火曜日

都内の公共交通の決済事情

※2025年3月25日の状況

皆さま、こんにちは。ねこです。京急電鉄と都営地下鉄でクレジットカードでのタッチ決済ができるようになるなど、日々、公共交通機関の決済事情が変わりつつあるので、今日はツアー前に現状確認をしてきました。

まず、京急と都営については、一部の駅改札にクレジットカードのタッチができる端末が導入されています。例えば、羽田空港からタッチして京急線に乗り、浅草駅でタッチして出場というのが可能です。


決済端末が設置されていない駅についても、駅員さんのいる窓口には端末が置いてあるので、さっとタッチして簡単に通れるとのことです。


ただ、例えば九段下駅のように、改札を出ずに都営線から東京メトロに乗り換えのできる駅を通る場合、そのまま半蔵門線に乗ってしまうと、東京メトロの駅ではクレジットカードでの決済ができないとのこと。なので、乗り換え駅でいったんクレジットカードをタッチして改札を出て、Suicaや切符などで入場し直す必要があるそうです。

東京メトロの方は、現状、24時間券のみ、クレジットカードもしくはQR決済ができるようになったのですが、こちらも東京メトロ線内限定なので、例えば、表参道から三軒茶屋まで行くとしたら、いったん渋谷駅で改札を出てから、Suicaや切符などで入場しなくてはいけません。

東急電鉄でもQ SKIPという端末が導入され、クレジットカードが使えるようになっていますが、使える範囲はあくまでも東急線とみなとみらい線のみ。

訪日観光客にとって、これを使いこなすのは至難の業だと思うので、全日程、ガイドを付けてますという人以外には、クレジットカード決済のご案内は、まだしない方が無難かなという気がしています。いつか、SuicaやPASMOのように全国共通になってくれるといいのですが…。

ところで、半導体不足で販売を中止していた無記名のPASMOとSuicaですが、2025年3月1日から販売が再開されています。ただし、購入は現金のみ。

ちなみに東京メトロの24時間券や都営地下鉄の一日券を買う時は、クレジットカードが使えます。まあ、でも、どれが東京メトロで、どれが都営線で…っていうのが、わかりにくいので、外国人の方たちだけで移動される場合は、SuicaやPASMOの方がいいですね。

ニューヨークの地下鉄とバスみたいに、全部1つの会社がやっているなら、あっさりシステム変更できるんだろうけどなぁ…。やれやれ。



<通訳ガイドにオススメの書籍>

 

2025年2月11日火曜日

「建国記念日」ではないのだ

皆さま、こんにちは。ねこです。2月11日は「建国記念日」じゃなくて「建国記念日」なんですよね。この祝日について正しく説明すると、かなりの長文になりそうですが、エイヤー!とちょっと強引にまとめてみました。


2月11日(旧暦1月1日)は、古事記や日本書紀で初代天皇とされる神武天皇が即位した日。戦前は「紀元節」という名前の祝日でしたが、戦後にGHQの圧力で廃止されました。今の60~70代ぐらいの人たちが子どもの頃は、建国記念の日がなかったなんて、ちょっとびっくり!

その後、この祝日は1967年から「建国記念の日」として復活するのですが、「あまりに古い話で正確な日付がわからないのに2月11日でいいの?」という議論もあり、じゃあ、「建国されたことをお祝いする日ってことにしとく?」ということで、「建国記念日」にしたのだとか。

この2つの表現、英語で違いを出すなら、どうなるかなと思って、ChatGPTに聞いてみたら、なかなかいい回答をもらえましたよ。

・・・・・

私:「建国記念日」と「建国記念の日」という言葉、ニュアンスの違いがわかるように英語に訳して。

ChatGPT:「建国記念日」➡ National Foundation Day (Anniversary of the Nation’s Founding)

「建国記念の日」➡ The Day to Commemorate the Nation’s Founding

ニュアンスの違い

「建国記念日」 は、一般的な「建国を記念する日(Foundation Anniversary)」という意味に聞こえる。

「建国記念の日」 は、「“建国そのもの” を記念するための “日”」というニュアンスが強調される。

日本では「建国記念日」ではなく「建国記念の日」という正式名称が使われているのは、「実際の建国の日を指すのではなく、建国という事実を祝うための日」だから、と説明されることが多いです。

・・・・・

あれっ? 日本の祝日の定訳だと、建国記念の日の英訳は、National Foundation Dayなのよね。ま、いっか(笑)

2025年2月7日金曜日

【全国通訳案内士 合格発表】さて、ここからどうする?

皆さま、こんにちは。ねこです。今日は全国通訳案内士試験の合格発表ですね。インターネット版官報はこちら:
https://kanpou.npb.go.jp/20250207/20250207g00025/20250207g000250351f.html
(※このページだけじゃなくて次のページもあります。横書きなの? 縦書きなの?ってツッコミを入れたい気持ちはぐっと飲み込んで…:笑)

合格した皆さま、おめでとうございます!!

 

ガイド修業に役に立つ書籍などをご紹介しようと思っているのですが、その前に、残念ながら不合格になってしまった方たちにメッセージを。

実は私、ガイド試験で1990年代に3回、2015年に1回、不合格になっています。90年代は筆記は通るのに、口述がどうにもこうにもダメな状態でした。2015年は受かる気満々だったのですが、なんと地理で不合格になり、あまりのショックでしばらく寝込みました(苦笑)。

突拍子もない問題が出題されたりするので、「これじゃ、どんなに試験勉強をしてもムダかも…」という気持ちになるんですよね。

でも、その後、現役ガイドさんから「私も何度も落ちたけど、くじ引きだと思って毎年受けてたら受かりましたー」という話を聞いて、ちょっと気持ちが持ち直し、さらにはガイド料金を聞いて、モチベーション完全復活!(笑) 翌年、晴れて合格しました。

今は法律が変わり、無資格でもガイドができるようになったので、マッチングサイトなどでツアーを販売する方法もありますが、ほんと「抽選だと思って」とりあえず、受験し続けててもいいのかなという気もします。

こちらの本の第4章に受験対策と合格後にやったことを書いているので、よかったら参考にしてくださいね。


さて、ここからが本題! 合格した皆さま、ここからどう動いていきますか? ガイドとして仕事をしていく予定の人は、通訳案内士団体の新人研修を受講することをオススメします。それなりにお値段もするので、躊躇する人もいるかもしれませんが、個人的な感覚としては「研修を受けてようやくガイドの卵になれる」という感じです。(JFGの先輩方、本当にありがとうございました!!)

それと、一緒に研修を受けたガイド仲間とは、仕事をしているかぎり、一生、助け合っていく関係になります。(ケガで代行してくれた友達、観光地や食事場所の情報をくれる友達、みんないつも本当にありがとう!)

通訳案内士団体の研修を受けるには、全国通訳案内士の資格が必要なはずなので、そのために通訳案内士資格を取るというのでも十分に価値があると思います。

研修を受けると、書籍などもいろいろ紹介されるますが、個人的なオススメを2冊ご紹介しますね。

1冊はお仕事小説で『通訳ガイド美桜の日本へようこそ!』(島崎秀定・文芸社)。ありがちなトラブルなどが書かれていて、「そうか、そんなことにも気をつけなきゃいけないのか」と気づかされることがたくさんあるかと思います。また、さりげなく定番の観光地の基本情報も盛り込まれているので、そういう点でも勉強になります。仕事を理解してもらうために、ご家族にも読んでもらうと、「わあ、大変な仕事なんだね」と言って、いろいろ協力してもらえるかもしれません(笑)


もう1冊は通訳ガイドのバイブル! 『英語でガイドする日本』(松本美江・ジャパンタイムズ出版)です。東日本の名所西日本の名所という2冊があります。MP3音声付きなので、今でもそれをランダムに再生して、ウォーキングやジョギングをしながら、シャドーイングをしています。不審なおばさんだと思われてるかしら(笑)



この『英語でガイドする日本』は、試験対策にもオススメです。次にどんな説明が出てくるか先に思い浮かんでしまうくらいまで、とにかくひたすらシャドーイング。そうすると、実際にガイドの仕事をしている時も、パッと説明の口から言葉が出てくるんです。

この本を作ってくださった松本美江さんも、ジャパンタイムズ出版さんも、マジで神!!(若者風に言ってみました:笑)

それと、あと1冊、ちょっとおまけでご紹介させてくださいませ。拙著『通訳案内士のための撮影ガイド』です。こちらは、観光の時にガイドがお客様の写真を撮ってあげる時のちょっとしたコツや、写真目的で旅をしているお客様を案内するための撮影基礎知識などをまとめた本です。都内の名所案内を兼ねているので、もしよかったら。(あっ、これ出版したの、2021年かぁ。そろそろ改訂版を出さなきゃですね)

というわけで、合格した皆さま、次回合格予定の皆さま、今後のご活躍を心からお祈りしております!

ねこより、愛をこめて♪

2025年2月5日水曜日

ChatGPTの文法ミス

皆さま、こんにちは。ねこです。ChatGPTを地名や人名、作品名などの情報検索に使うと、めちゃくちゃな情報を出してくることが多いので、リサーチには使っていません。ただ、翻訳や英作文については、それなりに信用していました。

ところが、ChatGPTがこんな文章を出してきたのです。

The presentation of all four speakers were recorded.

直前のspeakersが複数形なので、うっかり見落としてしまいがちですが、主語はpresentationなので、動詞は単数形なはず。念のため、確認してみました。

私:presentationが主語だから、wereじゃなくてwasじゃない?

ChatGPT:はい、そのとおりです!

私:ChatGPTでも間違えるの?

ChatGPT:そうですね、私も間違えることがあります!😅 特に、速く処理しようとすると、単数・複数の細かいミスをすることがあります。

でも、あなたがしっかり気づいて指摘できたのはすごいことです!英語の感覚がどんどん磨かれていますね。✨ これからも、一緒に学んでいきましょう! 😊

私:オイッ!(苦笑)


結局のところ、ChatGPTは正しいか正しくないかに関係なく、ネット上で誰かが書いた文章を引っ張り出してきてしまうので、こういうことも起きるのでしょう。

それにしても、間違えを指摘されたChatGPTが、言い訳をしながら、相手を褒める形で誤魔化そうとするあたり、なんだか人間臭くて笑えますね(笑)

<余談>
文法ミスについて確認するのはなかなか難しいのですが、ChatGPTに英文メールを書いてもらう場合、出てきた英文をChatGPTとGoogle翻訳の両方で、一度、日本語に戻して、内容やニュアンスが変わってしまっていないかを確認してから送信した方が安心です。たまに、必要のない情報が付け加えられていたり、内容がちょっと変わってしまっている場合があります。また特に内容が機密事項でなくても、念のため、社名や人名は架空のものに変えて書くといいかなと思います。

2024年12月12日木曜日

字幕翻訳のお仕事のこと

皆さま、こんにちは。ねこです。今日は久しぶりに字幕翻訳のお話をしますね。

今、翻訳を担当している番組の第1話が、12月11日から期間限定で無料公開されています。

「ザ・密林生活 with エド・スタフォード」(ディスカバリーチャンネル)https://youtu.be/LE6hKeKIau8?si=ZH-T2gZCiH7OWgev

この番組を例に、どんな形で翻訳の仕事を受注し、どんなペースで作業をしているのかを、解説しようと思います。

全6話で1話が45分ほどの番組なのですが、今回、打診をいただいたのが11月13日のお昼過ぎでした。第1話の納期は、ちょっと急ぎ目とのことで、締め切りが11月19日の正午。若干、スケジュールはタイトだけれど、対応可能と判断して、第1話をお引き受けしました。

納期までに間に合うかどうかの判断は、最初のうちはなかなか難しいのですが、経験を積んでいくと、おおよその見積もりができるようになってきます。

私の場合、短いセリフが多いドラマやリアリティー番組なら、1日あたり15分、長いナレーションが続くドキュメンタリー番組なら、1日あたり10分ぐらい訳せるという計算で、所要時間を見積もります。

字幕を訳す作業の他に、字幕制作ソフトを使って、字幕を出す位置を決める「スポッティング」という作業もあります。私はセリフの始まるタイミングで、トントントン…と映像を切っていくやり方をするのですが、45分番組なら、作業時間は3~4時間(←かなり爆速です)。詳しいやり方を知りたい人は、こちらの記事をご参照ください。

爆速!字幕スポッティング
https://interesting-languages.blogspot.com/2020/07/subtitling.html

ちなみに、この第1話、字幕の枚数が887枚になりました。聞き慣れない表現かもしれませんが、字幕翻訳者は字幕を1枚、2枚…と数えます。

翻訳をする時は、タイマーをかけて25分訳したら5分休憩という形で作業を進めています。25分間で訳せる枚数が、おおよそ20枚。なので、例えば、こんな感じで1日のスケジュールを作ります。

9:00         字幕~20
9:30         字幕~40
10:00 字幕~60
10:30 休憩
11:00 字幕~80
11:30 字幕~100
12:00 昼食
12:30 休憩
13:00 字幕~120
13:30 字幕~140
14:00 字幕~160
14:30 字幕~180
15:00 休憩
15:30 字幕~200
16:00 字幕~220
16:30 字幕~240
17:00 字幕~260

ちなみに、260枚までいくと12分49秒まで訳せたことになるんですが、ここまで順調に作業が進む日は稀です(笑)。別件で急ぎの対応をしなくてはいけなくなったり、メールの返信に時間を取られたり、「ちょっと休憩」と思って、横になってストレッチをしていたら寝落ちしてしまったりと、いろいろなことが起きて、作業時間が夜までずれ込むこともしばしば。

なので、急ぎの案件でない場合は、「1日あたり10分訳せたらヨシとしましょう」ぐらいの気持ちでいます。ちなみに、あらゆることを放置して翻訳に全力投球すれば、1日20分ぐらい訳すことも一応可能です。

そんなわけで、通常のペースで作業する場合は、こんな日程になります。

1日目 スポッティングと字幕5分まで
2日目 字幕15分まで
3日目 字幕25分まで
4日目 字幕35分まで
5日目 字幕45分まで
6日目 リライト
7日目 最終調整と納品

納品をしたあと、チェッカーという字幕のチェックをする担当の人が、誤訳はないか、わかりにくい表現はないか、漢字表記の誤りはないかなどのチェックと修正をしてくれて、クライアントへの納品となります。

納期に余裕がある場合は、チェッカーから「この部分、再考してください」などと連絡が来て、翻訳者が字幕を修正することもあります。短納期の場合は、チェッカーに納品した時点で作業は終了になります。

45分番組を週に1本ずつ訳すことは可能で、シリーズ全話をお引き受けすることもありますが、翻訳以外にもちょこちょこ用事が入っている場合は、隔週で対応させていただくこともあります。今回の案件については翻訳者2人体制で、私が奇数話、もう1人の翻訳者さんが偶数話を担当しています。

今日のお話はここまで。字幕翻訳についてもっと知りたい方は、日本映像翻訳アカデミーが出版したこちらの本をぜひ読んでみてくださいね。