2024年9月25日水曜日

【DJF特集13】公式フォトグラファーのお仕事

皆さま、こんにちは。ねこです。デトロイト・ジャズ・フェスティバルのこと、あと数回、ブログをアップする予定です。今回は、ねこおじさんと私のお仕事について。

2018年から、2人でフェスティバルの公式フォトグラファーとして雇っていただくようになり、今回で5回目となりました。


「アメリカのジャズフェスティバルなのに、なぜ日本人が雇われるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、おそらく事務局としては、「世界に向けて情報を発信する」「ジャズを通して国際交流をする」という考えがあるように思われます。

ニューヨーク在住のねこおじさんが、フォトジャーナリストとして初めてデトロイト・ジャズ・フェスティバルに行ったのは14年前。それから毎年、丁寧な取材をし、日本に向けて雑誌や書籍で情報を発信し続けたことで、フェスティバル事務局から注目されるようになりました。

その後、日本のジャズフェスティバルと提携をして、お互いにアーティストを派遣し合うという話が動き出し、ねこおじさんは、その交流事業の橋渡しも引き受けることになります。

交流事業のことはあらためて書くことにして、今回は公式フォトグラファーのお仕事についてお話ししましょう。実はこの業務、とんでもなく大変なんです(苦笑)。コンサートは毎年、3~4会場で行われるのですが、その全ステージの写真を撮らなくてはいけません。しかも、各会場で、いろいろな時間帯にVIPのスピーチがあり、それもすべて撮影することになっています。


なので、ねこおじさんは、毎朝、入念に撮影の順番と移動方法を検討し、分刻みのスケジュールを作成。どうしても時間が重なってしまう時や、ステージの進行が遅れて、何かの撮影が困難になった場合は私がカバーします。

一方、私のメインの業務は、会場全体の雰囲気や観客の様子がわかる写真の撮影、そして、スポンサー広告関係の撮影です。DJFには、莫大な資金を投じてくださるスポンサーがたくさんいらっしゃって、そのおかげで誰もが全ステージを無料で楽しめます。そのスポンサーさんたちに「うんうん、広告の効果はありそうだから、来年も出資しよう」と思ってもらえるように、広告と観客を絡めた写真を撮るのが私の仕事です。撮影リストは数ページに及びます。



フェスティバル期間中、レストランでゆっくり食事をする時間は取れないので、隙間の時間で、屋台のホットドッグやハンバーガーを買ってむしゃむしゃ食べます。


一日の撮影を終えると、私はひと足先に部屋に戻り、サンドイッチなどを囓りながら写真のセレクトと編集作業を開始。私が撮影する写真は主にSNS用なので、締め切りは翌朝です。

ねこおじさんが撮るステージ写真は、DJFの公式記録写真として末永く残されるので、撮影から10日以内に編集を済ませて納品という契約になっています。ただし、10~15枚はSNS用に翌朝納品します。

深夜のセッションの撮影を終えて、ねこおじさんが部屋に戻ってくるのは午前2時頃。その後、シャワーを浴び、数時間の仮眠を取ります。

私はねこおじさんのいびきをBGMに写真編集を続け、ベッドに入るのが午前4時か5時頃。そのタイミングで、ねこおじさんが起き出して、即納用の写真10~15枚のセレクトと編集に取りかかります。

7時頃に目を覚ますと、ちょうどねこおじさんが写真編集を終える頃なので、インスタントのお味噌汁を2人分作って、梅干しを食べ、カップヌードルを朝食にします。リハーサルなどがある場合は、8時か8時半頃にシャワーを浴び、9時前には部屋から出動。また分刻みの一日が始まります。

フェスティバル期間中、2人で同じ場所にいることは、ほとんどありません。でも、最終日の最後のコンサートだけは、一緒に聴くことに決めています。そして、フォトグラファー仲間と「See you next year!」と挨拶して、熱い4日間が終わります。

こんな過酷な現場なのに、まったく嫌にならないのは、毎年会うフェスティバルのスタッフたちのおかげです。かなりの少人数で仕事を回しているので、各自の負担はかなり大きいはずですが、それでも笑顔を絶やさず常に前向きなフェスティバルファミリー。



また来年も、みんなに会いたいから、過酷な4日間を乗り切れるように、黙々とジョギングを続けるねこおじさんと私なのでした。

次回のブログでは、いよいよジャズでの国際交流の様子をお伝えします。お楽しみに!