2022年8月17日水曜日

ゆっくり富士登山 Day 3

皆さま、こんにちは。ねこです。富士登山3日目。こんな素晴らしいご来光を見るまでと、その後の下山の様子を詳細にお伝えしますね。


前夜、19時の消灯後、眠れないなぁ…と思いながら、いつの間にか夢の国へ。そして、深夜にとんでもない頭痛で目を覚ましました。しっかり高度順応をしてきたものの、やはり睡眠中に呼吸が浅くなったことで、酸素不足に陥ってしまったようです。

とりあえず体を起こして、深く深く呼吸して酸素を取り入れるも全然効果なし。気持ち的には頭痛薬を飲みたいけれど、体からの危険信号を感じなくさせるのは危険かもしれないので、とりあえず我慢。

ううう…。痛い、痛い、痛い。ゴロンゴロンゴロン。

はっ、ミネラルウォーターがほとんど残ってない!! 高山病を防ぐ決め手のひとつが水分なのに、これは非常にマズい状況です。普通のホテルと違って水道はないし、消灯後は外出禁止でしっかり施錠されていて外の自販機にも行けません。

大ピンチ!!と思っていたら、たまたま山小屋のスタッフのお兄さんがトイレに行くために目の前を通りました。「すっ、すみませんっ!! 水を売っていただけませんか?」とお願いしたら、深夜にもかかわらず、快く500mlのボトルを売ってくれました。お兄さん、マジで命の恩人ですっ! その後、水をちょこちょこ飲み、迷った末、バファリンも1錠だけ飲んだら、すーっと眠りに落ちました。

次に目が覚めたのは午前3時過ぎ。頭痛は消え、元気いっぱい! さあ、撮影だ! フリースやらネックウォーマーやら、できるかぎりの防寒をして、いざ外へ。温度計は4℃。うん、好みの気温♪ 山小屋のスタッフさんたちは、焚き火や温かい飲み物を用意しています。



3:50。山口屋さんの前では、夜を徹して登ってきた人たちが、ご来光を見るための場所取りを始めました。

見下ろすと、山頂を目指す登山者の列が…。
1つ1つのヘッドライトに、1人1人の富士登山のドラマがあるんだなと思ったら、すでに涙腺がかなりヤバいことに(笑)


さて、今日の日の出時刻は4:56。


こちらは5:00の空模様。あたりに立ちこめる諦めムード。隣でずっと一緒に写真を撮っていたおじさんが「じゃあ、僕はそろそろ行きますので」と挨拶をしてきました。


「もう少し待ってれば必ず出ますよ」と自信満々に引き止める私。長年、朝日を撮り続けているので、これは一発逆転があり得る!という不思議な確信があったのです。

5:06、ほら来た。

5:10、もう一声!


5:11、あざーすっ!


一度は諦めて下山しようとしたおじさんと、「出たー!! 出たー!!」と泣きながらハイタッチです(笑)。かなりの人数の登山者が下山していく中、辛抱強く待った人たち、ほんと、良かったね。


さて、山頂でラーメン!


ラーメン食べながら見える景色はこんな感じ。贅沢すぎる!


さて、荷物をまとめて下山しましょう。6時までにチェックアウトって、下界では聞いたことないですよね(笑)。ご来光の後に、お鉢まわりをする宿泊客は、ザックを置かせてもらって、身軽な格好で散策に出かけることも可能です。

6:30、下山開始。八合目までは、須走ルートと吉田ルートは同じ。


この現実離れした光景! 「あれ? うっかり天国に来ちゃったのかな?」と思ってしまいます。


あのでこぼこな感じは、八ヶ岳連峰じゃないかしら。


絶景すぎて言葉を失います。


吉田ルートの五合目までの下山は、おおよそ4時間と言われていますが、もったいないので、ゆっくりゆっくりゴミ拾いをしながら歩きました。


富士登山では、長い長い下りで膝を痛めてしまう人が多いのだとか。登山者の皆さん、それをよく知っているようで、歩幅を小さくしたり、まっすぐではなくジグザグに歩いたり、少しの間、後ろ向きに歩いたり、頻繁に休憩したり、いろいろ工夫をしていました。


こんな絶景が見られるのに、走って降りちゃもったいないでしょー! 下山したら暑いんだから、できるだけ雲の上にいたい気分(笑)


7:00。8月なのに、こんな服装です。ウルトラライトダウンはザックにしまいましたが、フリースは着ています。寒くはないものの、荷物を軽くするために、レインウエアの下も履いたまま。靴に小石が入るのを防ぐため、ゲイターは必需品です。


下っても下っても雲の上。


7:45、ようやく分岐です。


7:50、下江戸屋さん。


まるで天国にある標識。


温泉街の湯気に見えてくる(笑)


8:45、地図を見て、ゆっくりしすぎてたかも!と気づく。


こちらは富士山で働く人たち。下山道では、時々、ブルドーザーやショベルカーが通ります。


9:00、まだ雲の上。


9:30、ええと…、五合目の登山口まで121分ですと!?


10:00、七合目トイレ。実は予習不足で知らなかったんですが、下山道には、飲み物や食べ物を買える場所が全然ないんですね。登りが山小屋パラダイス状態で、いつでも何でも買えたので、下山道のアトラクションのなさに愕然。。


うーん、山小屋のベンチに座って、コーヒー飲みたいよぉ!!と思いながら、ひたすら歩を進めます。

10:20、森林限界より下に来たようで、周辺に緑が増えてきました。こちらは落石から登山者を守るシェルターです。


外側も歩けますが、せっかく作っていただいたので、中を歩きました。少し立ち止まって休憩したり、何かを食べたり飲んだりするのも、この中の方が安心ですね。


10:45、登山者や観光客を運ぶ馬の駅みたいなところに出ました。疲れた顔をしていたら、「まだまだ遠いから乗っていきなさい」と誘われたので、背筋を伸ばして、歩調を速めました。


11:00、六合目の指導センターのところまで戻ってきました。初日に夜景撮影をした場所です。


これから登る人、頑張って!


五合目の登山口に向かう皆さんは、指導センターの方に歩いていきますが、私は星観荘に、三脚などの不要な荷物を置かせてもらっているので、吉田口方向に下ります。トレランの皆さんが時々、通りかかりました。


11:30、星観荘到着。気持ち的には、ここで、ほぼ下山終了という感じです。


美味しい牛丼、お米一粒残さず完食しました!


12:30、五合目の登山口に向けて再び歩きだします。


13:00、登山口に到着しました。6:30スタートだったので、経過時間だけで言うと、6時間半!?(笑)。


山頂で出しそびれた郵便を出し、お土産を買い、16:00に予約したバスを14:00に変更して、新宿バスタに向かいました。めでたし、めでたし。


<旅の予算のまとめ>
新宿から吉田口五合目のバス(往復) 5,300円
星観荘 1泊2食付き 9,000円(素泊まりは6,000円)
山口屋 1泊夕食付き 7,000円
豚汁(山頂)800円
ラーメン(山頂)1,000円
(その他、コーヒーやミネラルウォーターなどの飲料代が1本400~500円)

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今回の登り方は、年配の方や体力のない方でも、あまり無理なく登れるスケジュールです。ただ、日程が長くなる分、計画の段階で天気予報に悩まされます。富士登山のガイドブックを見ると、七合目か八合目で1泊するか、山小屋には泊まらず日帰りでサクッと登ってしまうのが一般的なようですね。

それにしても、富士山、すっかり気に入ってしまいました。登頂する以外の楽しみ方もありそうなので、いろんなシーズンに訪れてみようと思っています。真冬にチェーンスパイクを履いて、雪を踏みしめて六合目の佐藤小屋まで平坦な道を歩くのが楽しみです!

また、登山指導センターで7月と8月だけ働くということもできるのだとか。来年の夏も暑そうだし、英語が話せるスタッフは重宝されるらしいし、そういうのもアリかなぁ…。


(追記)
今回、実際に「登ってみよう」という決め手になったのは、「登頂しなくても絶景が楽しめる」という情報を得たことでした。「あまり気負わず、とりあえず六合目でも七合目でも、行くだけ行ってみよう」と思ったことで、かなり心理的なハードルが下がりました。「一度登ると気持ち的に富士山の見え方や存在が違ってくる」という言葉も背中を押してくれましたね。

そして、ラーメン屋さんでの作戦会議で、この登山計画と山小屋を伝授してくれた同級生! ほんと、頭が上がりません! ありがとう! 近いうちにご馳走します。もちろん、餃子も付けますよ。