2023年4月13日木曜日

骨折生活のまとめ vol.1

皆さま、こんにちは。ねこです。実は3月2日に自転車に乗っていて、交差点で止まりかけたところで、突風で煽られて転倒しました。翌日、整形外科でレントゲンを撮ったところ、膝蓋骨(しつがいこつ)骨折とのこと。膝のお皿に4箇所ほどヒビが入って、シマシマになっていました。医師の指示は「絶対に膝を曲げてはいけない」「体重をかけてはいけない」とのこと。

訪日観光の繁忙期だったので、慌てて各方面のガイド関係者に連絡を取り、すべてのガイド案件の代行を探しました。新人研修や交流会などでガイド仲間を増やし、いざという時に助けを求められるようにしておくことの大切さを痛感しました。当然ながら、数ヶ月間、ガイドとしての収入はゼロになってしまうので、字幕翻訳という、もう1つの仕事があって、本当にホッとしています。

さて、今回のブログでは「骨折で膝を曲げられない」という状態で、どんなことに困って、どんなことが役に立ったのかというお話を書こうと思います。こうした情報は使わずに済むのが理想ですが、同じ状況で困っている方のお役に立てればと思い、書くことにしました。

<松葉杖のこと>
松葉杖の使い方は整形外科でざっと教えてはもらえますが、歩き方のコツや、椅子に座る方法、階段の昇り方などをYouTubeで調べたら、かなり参考になりました。ケガの部位や状態によって、どれくらい体重をかけていいか変わってくるので、自分に合った情報を探すのが大切です。

「松葉杖の使い方」IMSグループ医療・介護のお役立ちサイトチャンネル
https://youtube.com/playlist?list=PLCi-9vnJjkXeJ_WxzTH87pXjC9ZKkptlD

家の中で松葉杖を使うと、意外なトラブルが多発しました。松葉杖って、すごく倒れやすいのです。キッチンのシンクに立てかけたらガス台の方に倒れてしまい、鍋の柄に当たって大惨事に…。壁に立てかけたら、プッシュピンで留めてあったカードなどをすべてなぎ倒してしまう…。運よくどこにも当たらなかったとしても、松葉杖が倒れるとすごい音がします。なので、家の中で、どこに置けば倒れないのかを早い段階でしっかり検討しておくことをオススメします。

<椅子のこと>
私の場合、リビングやトイレが1階で、自分の仕事部屋が2階なので、1日に6~8回ぐらい階段を往復する必要がありました。自宅の階段では松葉杖を使いにくかったので、階段ではT字の杖1本を使い、仕事部屋では、丸椅子に両手をついて、椅子をずらしながら移動しました。こういう丸椅子、案外便利です。


そして、ちょうど、仕事用のデスクチェアを買おうと思っていたタイミングだったので、こちらの椅子を購入。肘掛けがないので、座ったままラジオ体操ができます。腰痛対策にもオススメです。


椅子の話ばかりで笑ってしまいますが、もう1つ、すごく役に立ったのがシャワー用のスツールです。浴室でも使いますが、ざっと水気を拭いて着替えの時にも使います。


<靴下のこと>
日常生活で一番苦労したのは、靴下を履くことでした。片足の膝を一切曲げずに靴下を脱いだり履いたりするのは、バレリーナ並みに体が柔らかくないと、かなり大変なのです。世界で一番遠い場所が自分のつま先でした。靴下に杖を突っ込んで脱いでみたり、洗濯ばさみに紐を付けて引っ張ったり、トングで引っ張ったり、いろいろ悪戦苦闘をしましたが、実は靴下を履く補助具というのが、いろいろあるようです。


<モノを運ぶこと>
松葉杖を使っていると、両手がふさがってしまうので、ウエストポーチやリュックが大活躍しました。家の中でも、洗濯物をリュックに入れて洗濯機まで運び、洗ったものをまたリュックで運んで干しました。スマホや文庫本などを運ぶには、ウエストポーチが便利です。コーヒーを運ぶ時は、少し移動しては置き場所をずらして…という感じで、時間をかけて運びました。階段で3段上に置いては、自分が3段上って、また3段上に置いて…といった具合です。

外出時は、リュックを降ろすのが一苦労なので、小銭入れやスマホや鍵はウエストポーチに入れました。コンビニのビニール袋やエコバッグなども持てないことはないですが、歩くたびに前後に揺れるので、長い距離を移動するなら、ちょっと時間がかかってもリュックに入れた方がいいですね。コンビニやスタバのコーヒーは、買うことができませんでした。紙コップを受け取ったら、行動不能になっちゃいますからね(苦笑)。治るまでは、自販機のペットボトルで我慢です。

<駅と電車のこと>
公共交通の利用は、バリアフリー化が進んだことで、数十年前と比べたら格段に良くなっていますが、松葉杖で行動してみたら、いくつか意外な盲点がありました。それは、水平移動に驚くほど時間がかかることです。移動速度は人によって違いますが、私の場合は時速1km以下でした。(※Googleマップや物件情報の徒歩の速度は時速4.8km[1分=80m]です)

そのため、エレベーターやタクシーを利用できても、エレベーターまで移動する時間や、タクシー乗り場まで行く時間がすごくかかり、体力的にも負担になります。駅ビルでデパートの入り口まで行ったものの、エレベーターまでの距離や、エレベーターから売り場までの距離を考えて気が滅入ってしまい、買い物を諦めて帰宅したこともありました。

ケガなので、私が松葉杖を使うのは一時的なことです。しかし、年配者など杖を使って歩く方たちにとっては、バリアフリー化が進んでも、長い距離を移動することの負担が常につきまとうということです。これは、今後、介護などに携わる際に配慮すべき点だと感じました。時間がかかっても、本人が「運動になる」と考えるなら歩くのはいいことです。しかし、負担や苦痛になるようなら、気軽に車椅子を借りられるような世の中になると暮らしやすい気がしました。(※貸し出し制度はあっても、あまり知られていなかったり、お願いしにくかったりというハードルがありそうな気がします)

もう1つ、これまで考えたことがなかったのは、エスカレーターのことです。エスカレーターは松葉杖でも乗れそうな気がしますよね。しかし患部に痛みがある状態で、松葉杖でエスカレーターに乗るのは、かなり困難です。一度だけ昇りのエスカレーターで、人に松葉杖を持ってもらった状態で体を支えてもらい、タイミングを計って飛び乗るというのをやりましたが、かなり勇気が要りました。

ケガの部位や症状にもよりますが、私の場合、エレベーターがすごく遠い場合は、階段を利用する方が楽でした。ただし、松葉杖を1本、誰かに持ってもらい、片手で手すりをつかみ、片手で松葉杖を使うという形なので、単独で行動している時の階段利用はかなり難しかったです。

電車の優先席は、スマホを利用したいので座らないようにしていたのですが、2015年以降、「混雑時のみ電源」というルールに変わっていたんですね。なーんだ、そうだったのか。

どの席にいるとしても、膝をまったく曲げない状態で座席に座っているのは、なかなか不安です。足を投げ出している状態なので、うっかり蹴られたりしないようにケガした脚の両側に松葉杖を置いていました。これができるのは、早朝やお昼の車内がガラガラな時間帯だけ。混んだ時間帯に電車を利用するのは厳しそうです。

鉄道各社の構内図は、とても役に立ちました。事前にエレベーターの場所を確認しておくと行動しやすくなります。

<タクシーのこと>
タクシーが呼べるアプリ「GO≪ゴー≫」には大変お世話になりました。事前にクレジットカードの情報を登録しているので、あとは地図上で迎えに来てほしい場所、行き先を指定するだけ。到着後も、お金を出したり、レシートを受け取ったりせずに、ただ車から降りるだけなので本当に便利です。お友達紹介のプロモーションコードがあるので、まだ登録をしていない方は、ぜひご利用くださいね。

友達紹介コード
mf-uz75ha

かなり長い記事になってしまったので、一旦、ここで終わりにしましょう。続きはケガから3週間経ってレントゲンを撮ってからのお話です。