2017年1月4日水曜日

ネイティブチェックの重要性

皆さま、こんにちは。ねこです。
英日翻訳と日英翻訳、
日本人にとって、やりやすいのは、
どちらだと思いますか。

えっ? どっちでも同じじゃないの?
と思う人も多いかもしれませんが、
この2つは全く異なる作業です。

英日翻訳の場合は、
英語の意味を理解して、
日本語でアウトプットするので、
日本人向きの作業になります。

日英翻訳は、その逆で、
アウトプットが英語になるので、
英語ネイティブ向きです。

日本人は日英翻訳をしてはいけない
ということではありません。
ただ、基本的に、翻訳は
外国語から母国語に訳す
というのが基本で、
母国語ではない言語に訳した場合は、
その言語のネイティブによる
チェックが必要です。

マンハッタンで、それを説明する
いい例が見つかりました。
こちらの写真をご覧ください。


左側のガラスに、
この店が今、営業中であることが
各国の言語で書かれています。

が・・・

日本語おかしくないですか(笑)

おそらくOPENという英単語を
英和辞書か何かで調べ
開かれた」と訳してしまったのでしょう。

日本でこういう場所に
何か表示を出すとしたら
営業中」といったところでしょうか。

日本語ネイティブ数人に確認すれば
少なくとも「開かれた」という訳語には
ならなかったはずです。

もう1つ、例を挙げましょう。
先日、ネットで注文した品物が、
どうやら中国から発送されるようで、
その発送元から、
こんなメールが届きました。

* * * * * * * * * *

○○様
こんにちは 
お世話になります。 

この度△△をご利用をいただきありがとうございます。
大変恐れ入りますが、弊店の商品は中国から発送ですので、通常、最短4日~最長12日以内にお届けます。【商品が運送途中で紛失や税関の検査の状況であれば到着予定日は10~15日を遅延される可能性があります、ご理解いただきますようお願いします。】

* * * * * * * * * *

日本語ネイティブとして、
ちょっとツッコミを
入れてみたいと思います。

> こんにちは 
> お世話になります。

消費者宛てのメールには
この2行は、いらないでしょう。

> この度

「この度は」って書いてほしいなぁ。

> 中国から発送ですので

「中国からの発送ですので」か
「中国から発送しますので」だよね。

> 最短4日~最長12日以内に

「最短4日から最長12日で」
というのが自然じゃないかしら。
「最短」「最長」って書いてるのに
「以内」って、ちょっと微妙?

> お届けます。

…。(^^;

> 商品が運送途中で紛失や税関の検査の状況であれば

パッと見、普通に読めちゃいそうだけど、
よくよく読むとかなりヘンよ。
「商品が運送途中で紛失した場合や、
税関検査の状況によっては」かな。

> 到着予定日は10~15日を遅延される可能性があります、

「到着予定日よりも10日から15日遅くなる可能性があります」だよね。
しかも、文末は「、」じゃなくて「。」だよー!

いやはや、ツッコミどころ
満載でしたね(笑)。

こんな感じで
「意味は十分通じていても
何だか違和感がある」というのが
非ネイティブのライティングなのです。

つまり、日本人が書く英語も、
ネイティブの感覚で読むと
こんな感じなんだと思います。
(※当然ながら個人差はありますが)

くれぐれも誤解をしないで
いただきたいのですが、
決して「日本人は英語を書くな」と
言っているわけではありません!

友達とのメールや、
Facebookの投稿などは、
どんどん英語で書いていいと思います。
書くことで発信する力がつきます。

仕事上の英文メールも、
意思疎通が優先されるものなら
全然構わないと思います。

ただ、ポスターやチラシなどの印刷物、
イベントなどでの配布物、
お店のメニューや看板、ホームページ、
一般消費者に送信するメールなど
いわゆる公の場に出すものは、
必ずネイティブの目で
チェックしてもらうべきです。

間違ってもいいから、
どんどん発信すべき場所、
ネイティブの力を借りて、
正しく発信すべき場所、
しっかり使い分けていきたいですね。