皆さま、こんにちは。ねこです。
パネルディスカッション補足1から、
かなり日数が経ってしまいましたが、
当日お話ししそびれたことなどを
もうちょっと書きますね。
<いきなりガイド>
通訳案内士資格を取ったものの
なかなか勇気が出なくて
一歩を踏み出せない
という話をよく聞きます。
そんな人たちにオススメなのが
「いきなりガイド」!
どういうことかと言うと、
観光地を案内する方法(表現など)を
自分なりに用意をしておいた上で
現地でナンパ(?)するという方法です。
ただ、いきなり「ガイドさせてください!」だと
怪しまれてしまうので、
列に並んでいる時や、バスの中などで
さりげなく話しかけて、
実は自分は新米ガイドで下見に来た
ということを伝え、
「この説明でわかりにくくないか
聞いてもらってもいいかしら?」
という形でガイディングを実践させてもらいます。
とはいえ、これは運と縁の問題もあるので
常にうまくいくわけではないかと思いますが、
下見ついでに、誰かにちょっと声をかけてみる
というのは、なかなかいい方法だと思います。
ちなみに、箱根と日光でのナンパは大成功し、
そこで知り合った皆さんとは、
今でもFacebookでつながっています。
もちろん、こんなふうに
いきなり話しかけるというのは
性に合わないという人も
いるかとは思うので、
無理にはオススメしません。
でも、やるとクセになります(笑)
<奇跡の1枚>
パネルディスカッションでお話ししそびれた
ステキなエピソードがあります。
こちらの写真をご覧ください。
2016年6月10日、ニューヨークの
One World Trade Centerで、
あまりに美しい光景に息を呑み
思わずご本人たちに断りもなく
シャッターを切った1枚です。
キレイに撮れたので、
せっかくだから写真をあげたくなり
勇気を出して声をかけたところ、
なんと、プロポーズ直後だったとのこと!!
日本に新婚旅行に行きたいと思っている
ということだったので、
その後、Facebookで友だちになり、
連絡を取り続け、旅の計画をサポートし、
9月に来日が実現しました!
そちらのエピソードは、
Picturesque Japan(英語ブログ)で
紹介しています。
https://pict-japan.blogspot.jp/2017/09/tokyo-sightseeing.html
あの時、カメラを向けるのを躊躇っていたら、
声をかけるのを躊躇っていたら、
そのまま出会うことのなかったはず人たちが
「ドイツでも、抹茶にトライしてみたよー」と
今でもこんな風に写真を送ってきてくれます。
人との出会い、これからも
大切にしていきたいと思います。
<好きを仕事にする>
先日のパネルディスカッションの
テーマの1つが
「好きを仕事にする」でした。
こういう話題が出た時、
常に頭を過ぎるのは、この言葉です。
"Do What You Love, Love What You Do"
ちょっとかみ砕いて訳すと
こんな感じになるかと思います。
“好きなことをしなさい
自分のすることを好きになりなさい”
そうは言っても、
「好きなことを仕事にできる人なんて
どうせほんの一握りでしょ」
「毎日同じことの繰り返しなのに
仕事を好きになるなんて無理!」
という意見もあるかもしれません。
それでも、この考え方を実践すると
物の見方が変わるような気がしています。
ねこは、駆け出しの字幕翻訳者だったころ、
実は、翻訳という仕事を
あまり楽しめていませんでした。
「字幕翻訳者ですって名乗れたら
カッコいいよな~」というような
かなり甘っちょろい動機で始めたので
(もちろん、翻訳は好きだったんですが)
膨大な作業量に圧倒され、げんなり。
夏休みの宿題最終日のような状態が
延々と続くので、
とにかく頭の中にあったのは
「なんとか形にして納品する」ことだけ。
怒られるか怒られないかが基準という感じで
翻訳エージェントを敵や鬼のように
思っていました。
そして、実際に力尽きてしまい、
会社勤めに戻った時期もあります。
でも、やっぱりどこかで
字幕翻訳から離れがたい自分がいて
もう一度、トライアル(採用試験)を受け
OJTを受け、翻訳者として
再スタートしました。
そして、仕事との向き合い方を
根本から変えました。
まず、素材を徹底的に愛すること。
映像に字幕をつけると言っても
常にエンタメ系の面白い作品ばかり
依頼されるわけではありません。
スーツを着た気難しい顔のおじいさんが
ひたすら会社の四半期報告を話す
というような映像もあります。
でも、それをどうにかして
愛さなくてはいけません。
というわけで、ねこは、そのおじいさんの
私生活を勝手に想像し、
勝手に親近感を持つことに決めました。
かなり若い奥さんがいて、
おじいさんは、メロメロで、
こんな家に住んでて…という感じ。
そうしたら、その会社の四半期報告の
字幕依頼が来るのが
楽しみでたまらなくなりました。
そして、そのおじいさんが定年退職をする
挨拶の映像を訳しながら、
ちょっぴり泣きました。
もう1つは、訳したものを受け取る
チェッカーさんや担当者さんを
心から大好きになること。
「敵」と思っているうちは、
どうしたって、やっつけ作業になりがちです。
でも、「どういう申し送りをつけて納品したら
この翻訳を受け取った人は、
その後の作業がしやすいだろうか?」
と考えながら仕事をするようになったら、
すべてが順調にいくようになりました。
例えば、だらだらと申し送りを書いても、
受け取る側は、全部読まなくちゃ
いけないのだろうか?と戸惑います。
なので、各申し送り事項の冒頭に
(表記参考)(事実確認)など
手がかりになる言葉を添えておいて、
実際に検討してほしい事柄には
★をつけておいたりします。
そうすれば、きっと、
チェック作業もやりやすいですよね。
最近、お世話になった
チェッカーのTさんとは、
お会いしたことがないにも関わらず
メールやチェックの文面上で
すっかり仲良くなり、
かつては、恐怖に感じていた
チェックバックが
まるで交換日記のように
楽しみなものとなりました。
翻訳を勉強中の皆さん、
翻訳者になれたものの、
今後どうしようか迷っている皆さん、
まずは、素材と担当者さんを
心から愛してみてください。
ひょっとしたら、人生変わるかも!
<ブログを書く理由>
パネルディスカッション後の交流会で、
ブログを書く理由を尋ねられました。
実は7月に、「ブログを書く理由」という記事を
書いているのですが、
http://interesting-languages.blogspot.jp/2017/07/blog-post_15.html
簡単に言ってしまえば、文章修業です。
というわけで、本日は長い時間、
ねこの文章修業にお付き合いいただき
誠にありがとうございました(笑)
そうそう、パネルディスカッション後の交流会で
ニューヨーク観光の電子書籍出版のことや
実際の観光のポイントについても
質問を受けました。
近日中に、ニューヨーク関係の記事も書きますね。