2013年5月28日火曜日

「パンツ」はいろいろと厄介!?

皆さま、こんにちは。ねこです。
いまだに、英語のことで、悩んだりヘコんだりします。
そんな時に大事なのは、開き直り!
「まっ、通じれば何でもいいっしょ」という
大らかな気持ちで取り組んでいたほうが、
コミュニケーションそのものを楽しむことができ、
結果的に、上達も早くなるような気がします。

とはいえ、翻訳者も、英会話講師も、
間違えてはいけない職業なので、
もっと頑張らないとなぁ…。


さて、今日の話題は「パンツ」。
いわゆる、ジーパンなどの腰から下に履く衣類のことです。
この言葉、そもそも日本語からして、ちょっと厄介ですよね。

昔は、「ズボン」という言葉をよく使いました。
「長ズボン」とか「半ズボン」。
今も十分通用する言葉だけれど、
ある一定の年齢より下の人は、
「ズボン」という言葉を使わなくなったような気がします。

そう、「パンツ」と言うんです。
でも、アクセントは「スズメ」や「メダカ」と同じように、
「パ」も「ン」も「ツ」も、同じ高さで、平坦に発音します。

「パンダ」「ピンク」「サンゴ」のように、
1つめの音節にアクセントを置いて発音すると、
下着の「パンツ」になります。
ん~、不思議ですね。日本語。

さて、英語のほうを見てみましょう。
"pants"は、イギリス英語では、下着のことを指します。
http://dictionary.cambridge.org/dictionary/british/pants_1?q=pants
("underpants"とも言います)

アメリカ英語では、いわゆるジーパンなどのズボンを指します。
http://dictionary.cambridge.org/dictionary/american-english/pants?q=pants

先日、レッスン中に、この説明をしていたら、
「じゃあ、スラックスは?」という質問が出ました。

はて?? さて??

slacks 〔名詞〕

一般に上着と対でないふだん着のズボン(ランダムハウス英和大辞典)

ズボン。特に、替えズボンのこと。もと、女性用のものをさした。
(大辞泉)

trousers/pants for men or women, that are not part of suit
(Oxford Advanced Learner's Dictionary)

a pair of pants
http://dictionary.cambridge.org/dictionary/american-english/slacks?q=slacks

a pair of trousers, usually of a type that fit loosely
http://dictionary.cambridge.org/dictionary/british/slack_4?q=slacks

pants, especially ones that are worn for informal occasions
http://www.macmillandictionary.com/dictionary/american/slacks

informal trousers worn by both sexes
http://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/slacks

いくつかの辞書の意味を総合してみると、
どうやら、スーツではないズボンで、
あんまりピタッとしているものではなくて、
フォーマルじゃないものというニュアンスのようですね。
この単語は、イギリスでもアメリカでも使えるみたいです。

それにしても、言葉って、場所や時代で、
どんどん変わっていくものですね。
「デニム」とか「ボトム」とか、
ほかにも履き物関係の単語はありそうだけど
とりあえず、今日はこのへんでおしま~い!

2013年5月17日金曜日

「ワンピース」って英語!?

皆さま、こんにちは。ねこです。
"at hand" "on hand" "in hand"の違いについては、
まだ調査中です。
NYの大学院で言語学の研究をしている友人に相談したところ、
「考えたことなかったけど、これは、面白い考察だわ」とのこと。
というわけで、もう少し保留にさせてくださいね。


さて、今日の話題は「ワンピース」。
あっ、ええと、まずは女の子の洋服のほうです。

買い物に行ったという話題で、生徒さんに、
"What did you buy?"と尋ねると、
"I bought one piece."というお返事を聞くことがあります。

実はこれ、英語としてはちょっと微妙です。
"one piece"の意味としては、
「1本、1枚、1個、1切れ、1片」など。
あるいは、水着、子供服、スポーツウェアや
レーシングスーツなどの「つなぎ服」全般を意味することもあります。

女の子の洋服の「ワンピース」のことを言いたい場合、
正しい表現は、"I bought a dress."
日本語で「ドレス」というと、床まで届くような長いスカートに、
レースがひらひらというイメージですが、
実はとてもシンプルな膝丈のワンピースでも、
英語では、"a dress"になります。

もしくは、“1枚布でできたドレス”というニュアンスを伝えるなら、
"I bought a one-piece dress."となります。
そう、この"one-piece"が一人歩きして、
日本語では、「ワンピース」「ツーピース」などと
呼ばれるようになったのですね。

ところで、アニメの「ワンピース」は、いったいどういう意味?と思った人、
こちらも、「1切れ」などと同じ綴りの「ONE PIECE」ですよね。
「ひとつなぎの大秘宝」を目指して
航海する物語だから、「ONE PIECE」なのだそうです。
つまり、「1かたまり」ってやつですね。

ちなみに、ジグソーパズルの「ピース」も、
この"piece"です。

そういえば、「平和」も「ピース」じゃなかったっけ?と思った人、
こちらは綴りが違います。
"peace"と書きます。
発音は"piece"と同じ、/píːs/(ピース)。
語源はラテン語の「pax」で
"freedom from civil disorder(市民の混乱から解放された状態)"。

この2つの綴りを混同してしまいそうな人は、
"a"が入っているほうが「平和」と覚えておきましょう。
「あ~、平和だなぁ~」ってやつです(笑)。


…で、実は本日の話題、ここまでがすべて前置きでして、
「ピース」絡みで、素敵なお知らせがございます♪

本日、友人がCDを発売しました!!
「Views Of Peace」 By NF4(←アマゾンのページに飛びます)


実は、ねこはこのCDのメンバー写真の撮影と
アメリカ人ヴォーカリストさんとの連絡のお手伝いを
させていただきました。
なので、名前まで入れてもらっています。へへっ (^^ゞ

今日は仕事があって、
残念ながら、ねこは発売記念ライブには行けませんが、
素敵なライブになるといいですね!

ひのりん、おめでとう♪

<追記>
ちょっと聞いてみたい人は、
こちらをどうぞ:
http://www.youtube.com/watch?v=OAHn_oSj3sY

2013年5月8日水曜日

前置詞の感覚

皆さま、こんにちは。ねこです。
講師業11連休の最終日ですが、
相変わらず翻訳てんこ盛りです。
今日は3案件同時進行の予定。(^^ゞ

さて、これを英語で言い表す場合、
"three project (at / on / in) hand"
どの前置詞を使ったらいいでしょう?

at hand

〔物の位置が〕すぐ手の届く所に、手元に
〔発生時期が〕間近に、近い将来に
いつでも使える(ようになって)

on hand
手持ちの、手元にある、自由に利用できる
差し迫って
引き受けて

in hand

支配して、管理して
手に、手持ちの、自分の意のままに
〔仕事などが〕進行中で、考慮中で

いまいちピンとこないので、
Googleで"have projects * hand"を検索したら、
どれも出てきちゃいました。

(※"  "で括ると指定された文字列のみ、
* を挟むとワイルドカード検索ができます)


We already have projects in hand which are under implementation.

We have projects on hand from time to time.

The organization can always have projects on hand.

We have projects at hand that needs money.

ざっと見比べた印象なのですが、
in handは、もう取りかかっていて、
on handは、取りかかっているかどうかはさておき
とりあえずやることが決まっている状態で、
at handは、これから取りかかる予定になっている
という感じでしょうか。

そうなると、3案件のうち2案件は、
まだ未着手な状態なので、on hand
しっくりきそうな気がします。

というわけで、仮の結論はon hand
ですが、ここでウソを書いちゃうといけないので、
あらためてネイティブの意見を聞いて、
正解をお知らせしますね。
今日のところは、ここでおしま~い!

2013年5月5日日曜日

“練習”してますか?

皆さま、こんにちは。ねこです。
GWはどのようにお過ごしですか。
ねこは、毎日PCに向かって、翻訳しています。
でも、つい、うっかりしていたことが…。

それは英語の“練習”です。
英会話の仕事があれば、
レッスンの前にせっせと話す練習をするのですが、
翻訳の仕事で英語に触れていることで安心してしまい、
話す練習をすっかり忘れていました!!

というわけで、あわてて英語ニュースの
オーバーラッピング(音声と一緒に読む練習)などを
せっせとやってみた次第です。

英会話の生徒さんとお話をするとき、
ねこはあまり“勉強”という言葉を使いません。
いくら勉強をしたところで、
英語を“話せる”ようにはならないからです。
必要なのは“練習”のほうです。

それは、楽器や歌やダンスなどを考えてみると
わかるかと思います。
例えば、ピアノを弾けるようになりたい人が、
繰り返し繰り返しCDを聴いて、
一生懸命何度も楽譜を書き写したところで、
決してピアノが弾けるようにはなりません。
(分析力は身につくかも?)

英語も同じです。
ある言語学者が
「言葉を話すことはフィジカルスキル(身体的な技術)だ」
と言っていました。
うん、ごもっとも!

というわけで、話せるようになりたい人は
とにかく練習していきましょう♪

ねこはNHK「ニュースで英会話」のホームページにある
音声を再生しながら、一緒に原稿を読む
という練習をしています。
http://cgi2.nhk.or.jp/e-news/index.cgi

時事英語の単語やフレーズとも出会えるし、
発音練習にもなるので、一石二鳥です。

今年の春(2013年4月)から、
「マイ語学」というものに登録してログインをすると、
動画や音声が利用できるという形に変わって、
一手間増えてしまいましたが、
無料だし、やる価値があることは保証します♪

もちろん、このサイトだけじゃなくて、
映画やドラマの英語字幕を表示して
オーバーラッピングをするのもありだし、
他の教材を使うのもありです。

ああ、そうそう、
「“スピードラーニング”って、
テレビでよくやってるけど
本当にあれで話せるようになるんですか?」
といろんな人から聞かれます。

実際に使ってみたことはありませんが、
どんな教材でも、
“ひたすら聴きまくれば聴けるようになるし、
一緒に音読しまくれば話せるようになる”
というのがねこの見解です。

大事なのは、誰の英語を真似したいか
ということなのかもしれませんね。^^

2013年5月3日金曜日

“ダイ・ハード”の謎

皆さま、こんにちは。ねこです。
掃除をすると金運が良くなるという話をよく耳にしますが、
どうやら、それは本当のようです。

GWに入り、いつもよりも念入りに掃除をしたら、
いつもより多めに仕事が舞い込んできました。
クローゼットの一大整理もしたいのですが、
それをやると、さらに仕事がドドッと入ってくるのでしょうか。
ちょっと迷うところです(笑)。


さて、今日は空耳の話の続き。
空耳と言っても、今回は音自体は合っています。

映画プレミアのインタビュー映像で、
こんな言葉が聞こえてきました。

“フォー ザ ダイ ハード ファンズ”

当然ながら、頭の中には、こんな文字列が現れます。

"for the 'Die Hard' fans"

そして、こんな訳文が生まれます。

“『ダイ・ハード』のファンにとっては”

頭の中では、ブルース・ウィリスが
ニヤリと笑っています。

ん!? でも、何かがおかしい!
そう、今、訳しているのは、
映画『ダイ・ハード』とは、まったく関係のない作品なのです。
なのに、なぜいきなり『ダイ・ハード』!?

2つの映画のタイトルをGoogleに入れて
関連性を探ってみますが、
どうにもこうにも謎は深まるばかり…。

翻訳を学ぶ時に、必ず言われるのは、
「何だかおかしいと思う部分には必ず誤訳があります」ということ。
そう、きっと、ねこは何か勘違いをしているのです。

あらためて、自分の書いた原文をじっと見つめていると、
疑うべき箇所が浮かび上がってきました。

"D"と"H"です。
この2つが大文字であるというのは、
単なる思い込みかもしれません。

もしや…と思って、小文字に変えて、
"die hard"で検索してみると、やっぱり!!

ハイフンをつけた"die-hard"という形で
形容詞が見つかりました。

「最後までがんばる、頑固な」

つまり、"for the die-hard fans"は、
「根強いファンにとっては」
と訳すのが正解でした。

いやぁ、危なかった。
映画宣伝用のインタビュー字幕で、
別会社の映画の名前なんて出しちゃったら
大問題ですから…。(^^;

2013年5月2日木曜日

英語の空耳を分析する

皆さま、こんにちは。ねこです。
GWは、いかがお過ごしですか。
ねこは、部屋の片付けなどしながらのんびりと…
というつもりでしたが、
思いがけなく、あっちからもこっちからも、
翻訳依頼をいただき、
“専業翻訳者”気分で頑張っています。
感謝、感謝♪


さて、今日のお話は、英語の空耳について。
基本的に、字幕翻訳のお仕事は、
原文スクリプトをもらうことができます。

原文スクリプトというのは、
映像の中で人が話している言葉を
(基本的には)ネイティブが
書き起こしてくれたものです。

ですが、たまに、
「今回はスクリプトなしです」
という案件が飛び込んでくることがあります。
そういう時は、できる範囲で精一杯聞き取って、
英文を書き出します。

とはいえ、雑踏の中でのインタビューなどは、
そもそも音が聞き取りにくかったり、
話者が早口だったりと、かなり苦戦することも…。

そんな時は、すべて書き起こした後で、
ネイティブの友人にチェックしてもらうのですが、
案の定、いろいろとおかしな“空耳”が発見されます。
今日はそんな空耳をちょっと分析してみましょう。

上段:正解
下段:空耳

with me
would me
/th/と/d/の音を間違えています。
どちらもハッキリとは発音されず、
口の中で飲み込まれますが、
そもそも母音の響きも違いますよね。

on her arm
an around
/n/の後に/h/が来ると、
「オンハー」が「オナー」という音に
化けることがよくあります。
まんまと引っかかりました。

on this
than this
どうして/th/に聞こえちゃったんでしょうねぇ。
でも、この2つ、交互に言ってみると
案外似ています。
「ん~ディス」って感じの音になります。

to walk back on the set
toward back and sit
「トゥー・ウォーク」ではなくて、
「トゥォー」って聞こえちゃったんですね。
「オンザセッ」ってのも、
「アンドスィッ」と聞こえてしまいました。

cracked on
clicked on
/l/と/r/の聞き分け、頑張りましょう。(>_<)

picked up
picked off
語尾に来た「プ」と「フ」を聞き取れていませんね。
そもそも母音も違います。

left off
lift off
ああ、ここも母音です…。

you know, have to
you don't have to
「ノウ」が「ドゥン」と聞こえてしまいました。
意味的にも、逆になってしまうので、
こういうのは致命的。(>_<)

annoyingly perfect
and only perfect
早口で言った「アノイングリィ」が
「アノンリィ」と聞こえたので、
"and only"だと思ってしまいました。

ears
years
これ、日本人にとってはすごく難しいんですが、
実は舌の位置が全然違います。
「アー」と「ヤー」なら、舌の位置の違いがわかりますよね。
でも、"ear"と"year"を言い分けるのは、
すごく難しいので、聞き取りも失敗しがちです。


さて、こんな風に分析してみると、
自分は、どういう空耳を聞きやすいのか
というのが少し見えてきます。

英語の空耳に悩んでいる方、
ぜひ一度、書き取りに挑戦して、
分析してみてはいかが?^^