2018年2月20日火曜日

企業のプライド

皆さま、こんにちは。ねこです。
先日、母と都内に出かけたら、
「まあ、ほんと外人さんがいっぱいねぇ」と
母が心から驚いていました(笑)。

実際、都内の有名観光地では、
どこのお店でも、英語対応は必須。
店員さんたちが、一生懸命、
英語を使って対応する姿を見て
とても微笑ましい気持ちになりました。

さて、個人の努力は、
すごく伝わってきますが、
問題は企業の方。
案内表示やサイトの英訳に、
あまりにも手抜きが目立ちます。

小さな個人商店のおじちゃんが
一生懸命辞書を引きながら、
どうにかこうにか
手書きで書いたようなものなら、
ちょっとぐらい間違っていても
構いません。

しかし、いわゆる大企業が
公の場にずさんな英訳を
出しているのを見ると、
「なぜ、ちゃんと翻訳を発注しないんだろう?」
「なぜ、ネイティブチェックをしないんだろう?」と
首をかしげてしまいます。

最近驚いたのは、こちら:


Indeed without permission???

実に許可なしで???

この謎のフレーズを、
ダブルクォーテーションをつけて
Googleで検索してみたら、
なぜか、文例がわんさか。

ひょっとして、本当に
英語でそういう表現があるのでは?
と疑いたくなるほど、
このおかしな英語は
世の中に蔓延しています。

そもそも、日本語では
どういう意味だったのでしょう?
じっくり検証してみたら、
「誠に」を"indeed"
「勝手ながら」を"without permission"と
訳してしまったものだとわかりました。

そして、同じように間違って訳した人もいれば
間違った英文をそのままコピペする人もいて、
いつの間にか、かなり増殖したようです(汗)。

そもそも、どんな間違った文章を作ろうと、
英語ネイティブに見てもらえば、
一瞬で、「この文はおかしい」とわかります。
なのに、どうして、大企業が
チェックなしで誤った英文を
サイトに載せてしまうのでしょう。

留学経験のある若い社員に
「これ、訳しておいて」と頼んで、
そのままアップしてしまうのでしょうか?

世界中から閲覧できるホームページや
長年使い続ける案内表示が
恥ずかしい英語のままでも
気にならないのでしょうか?

「国際化なんて知るかー!
うちは、日本語だけで
貫き通すぞー!」という企業は
それで、いいと思います。
そういうこだわりって、
わりと好きです♪

ただ、「インバウンド対応だ」
「国際化だ」と騒ぐわりに、
言語に対する意識が低すぎる会社は
ちょっと残念ですね。

というわけで、大手企業の皆さま
社内で適当に済ませようとは考えず、
しっかりプライドを持って、
翻訳会社に発注してくださいませ。

「ネイティブチェックあり」と
「ネイティブチェックなし」が選べるなら
必ず「あり」で。

英語に堪能な日本人社員が訳す場合は
訳し上がった英文を
必ずネイティブに見てもらってください。
ネイティブはどこにいますかって?
大手企業なら、社内に誰かいるでしょう。
いないなら、翻訳会社に
ネイティブチェックだけ依頼することもできます。

とにかく、ネイティブチェックの
手間だけは、絶対に惜しんではいけません。
ほんと、お願いしますね!!

「個人レベルのコミュニケーションなら
通じれば何でもいいじゃん」というのが
ねこの基本的な考え方です。
しかし、企業やプロの翻訳者、通訳ガイドに対しては
実はかなり辛口です。ふふっ。


どう? おっかないでしょ?(笑)


<本日のおまけ>
「誠に勝手ながら」は、英語で
何と書けばいいでしょう?
正解は、何も書かない。
お店の臨時休業などについては、
ただ、情報だけを載せるのが普通です。

申し訳ない気持ちを添えたい場合は、
"Sorry for the inconvenience"と
書くこともあるようですが、
急な臨時休業などでなければ、
そこまで恐縮する必要もないのかしらね。

2018年2月7日水曜日

ねこ流ガイディング

皆さま、こんにちは。ねこです。
ここのところ、通訳ガイドの皆さんや
通訳ガイドを目指す皆さんと
お話しする機会が多かったので、
ねこ流ガイディングについて
ちょっとお話ししようと思います。

ねこは今、*FITと呼ばれる
個人旅行のお客様を中心に
観光のご案内をしています。

*FIT:foreign independent travel / foreign independent tour / foreign individual tourist

団体のバスツアーよりも気楽だと
思われがちですが、
ご夫婦やご家族だけで
1人のガイドを雇う方たちというのは
いわゆる富裕層なので、
その分、特別な心配りも必要になります。
実際にねこがやっていることを紹介しましょう。

<45分前到着>
都内在住の方は、もう少しゆっくりでも
大丈夫かもしれませんが、
埼玉県在住なので、
万が一、電車が止まった場合に備えて
おおよそ45分前に、
お客様のホテルに到着するようにしています。

45分前到着を目指して行動していれば、
車両に閉じ込められるなどの
よっぽどの事態にならないかぎり、
大抵、何らかの迂回ルートで
時間内にリカバリーできます。

順調に到着できた時は、
その日の観光ルートの
電車の運航状況などを確認し、
観光スポットの説明を見直します。

<ネームバッヂ着用>
ガイド証を首から提げてはいますが、
ガイド証の名前は、遠くからじゃ読めません。
最初に自己紹介をするものの
外国人の方たちにとっては
日本人の名前は、覚えにくいものです。
なので、いつも、はっきりと読めるバッヂを
胸につけています。

お客様が何度も名前で呼んでくれるようになったら、
「もう、外してもいいかしらね」と言って外します。

<気候への配慮>
前夜に日本に到着して、翌日すぐに
一日観光に参加されるお客様の場合、
外の気温などを把握できていないことがあります。
アメリカ人の場合は、摂氏ではなく華氏で
現在の気温をご案内して、
もし、必要があれば、
厚手のコートに着替えたり、
マフラーを取りにいったりなどの時間を取り
一日快適に過ごしてもらうよう心がけます。

また、特に寒い日には、
お会いした時にホッカイロを
プレゼントすることもあります。

<マスクの話>
日本に初めて来る方は、ほぼ全員、
「なんでこんなにたくさんの人が
マスクをしてるの?」と驚きます。
海外では、マスクをするのは
かなりの重病の人だけだからです。

人によっては、何か伝染病が
流行しているのかもしれないと警戒し、
薬局に消毒液を買いに奔走したりします。
なので、「日本人は予防のために
マスクをするのが好きなので
全員が病人というわけではないですよ」
という説明をする必要があります。

・風邪予防
・花粉症
・顔が温かいから
・乾燥を防ぐ
・お化粧が終わってない

この5つの理由を説明すると
皆さん、お化粧のところで
大笑いして、ちょっと和みます。

<健康状態確認>
体調に問題がないか、
サラッと確認しておきます。

足腰の弱い方がいないか
失礼にならないような聞き方で確認します。
Do you like walking?という
質問に対する反応で判断できます。

時差ボケがあるかどうかも聞き、
体がツラそうだったら、
歩く距離を減らして
座れる時間を長くするような
工夫をします。

歩くペースは、ホテルから歩き始める時に
お客様のペースを確認して、
なるべくその速度をキープします。

<コース概略説明>
時間に余裕がある時はロビーで、
急ぐ場合は電車の中で、
その日のコース概略を説明します。

事前にやり取りをしているお客様の場合は、
既にご希望のコースを聞いているので、
それが実際にどんな位置なのか、
英語マップを広げてお見せします。
(事前に印をつけておく)

当日、初めてお会いし、
そこで、ご希望を聞く場合は、
多少、時間をロスしても、
ロビーでコンサルティングをし、
極力、ご希望に沿うプランを
提案しています。
(そのために、日々、いっぱい
都内で遊び回っています)

<かんたん日本史>
最初の訪問地に到着する前に、
日本史紙芝居をやっています。
時間にして4分少々。
これをやっておくことで、
そのあとの説明が楽になります。
(いきなり徳川将軍や鎖国、
ペリー来航の話をしようとすると
唐突すぎてイマイチうまく伝わりません)

<エスカレーターの話>
エスカレーターの片側を空けることについて
「賛否両論がある」という情報も含め、
現状、都内では、左側に立つのが
主流になっているという話をします。

実は大阪だけが右側で、
名古屋、京都、広島、岡山は、
左側に立つという話をしても
面白いかもしれません。

ここで、車の左側通行の話になり、
馬や刀の話にまで発展することも。

<改札口と切符>
ツアー中、切符を利用することが多いので、
ICカード専用の改札口と
切符の入る改札口の見分け方を説明します。
また、海外では出札の時には
切符が不要なところが多いので
切符を紛失しがちです。
なので、改札に入るたびに
切符を回収し、出る時に渡します。
(あるいは、しっかり者のお母ちゃんがいる時は
お母ちゃんを切符係に任命します)

<アイコンタクトと方向指示>
基本的には、お客様を
先導するような形で歩きますが、
5~6人で話をしながら歩いていると
ガイドが後ろになることがあります。
その状態で、交差点にさしかかったり
改札を入ったりすると、
先頭を歩いているお客様は
必ずガイドを探します。

なので、こちらはアイコンタクトの準備をし
目が合った瞬間、進む方向を手で合図します。
これをするだけで、
「ちゃんと見ててくれてる」という
安心感を与えることができます。

<まずは最初の30分が勝負>
お客様は、それなりの金額を支払って
プライベートガイドを雇っているので、
自分が雇ったガイドが、
ちゃんとした知識を持った人なのか
確認したいと思うようです。
そのため、会ってから30分ぐらいは、
かなりいろいろ質問してくる人がいます。

なので、ホテルで会ってから
最初の訪問地までに目に入るもの、
そして、最初の訪問地で見かけるものについては
念入りに準備をしておきます。
例えば、浜離宮なら菰巻き(こもまき)や
雪吊(ゆきつり)については、
必ずと言っていいほど聞かれます。

このあたりをスラスラ答えておくと、
あとは安心するのか
あまり質問が飛んでこなくなります(笑)

予想外な質問が飛んできた時は、
「それって、すっごく面白い質問ね。
今まで誰も聞かなかったけど、
私も興味があるのですぐ調べるわ」と言って、
隙間の時間で調べて回答します。
(隙間の時間というのは、
お客様がトイレに行っていたり、
何かを熱心に見ていたりするタイミング)

<立ち止まって地図を見ない>
事前に訪問地が決まっている場合、
地図を見ずに歩けるように
下見の時点で練習しておきます
前夜に変更が入って、
下見が十分にできない場合は、
Googleストリートビューで、
3~4往復ぐらい「歩いて」
景色を頭にたたき込みます。

築地市場のように
小さなお店がいっぱいあって
場所を覚えきれない場合は、
どこで曲がるかの目印を
Evernoteに書き込んでおき、
チラッと見ます。

電車を降りた時に、
どっち方向に歩けば出口があるのかも
下見の時に確認しておきます。
確認ができない場合は、
ネットで駅構内図を見て、
おおよその方向を把握しておきます。

駅に着いてから、
何番出口から出たらいいのか
案内標識を見て確認するなんて
絶対やってはいけません。
その予習をすることも
ガイド料に含まれていると
考えるべきだと思います。

<理由まで説明する>
「鳥居が赤いのはなぜ?」
「芦ノ湖の片側だけ自然が残ってるのはなぜ?」
「明治神宮が国民に愛されたのはなぜ?」
「その大火事が起きた理由は?」
「その建物が取り壊された理由は?」
お客様は、いろいろと理由を知りたがります。

実際にお客様から聞かれ、調べて回答して
ちょっとずつ覚えていくしかないのですが、
ここでは、どんな「なぜ?」が
飛んでくるのかなと考えて予習をすると
多少は対策になるかもしれません。

<手水舎ではタオルを>
神社で手水舎の説明をし、
お客様が興味を持っているようなら、
実践してもらいます。
その際、ハンカチを持っている人は少ないので
すかさずハンドタオルを出して
手を拭けるようにしてあげると
とても喜ばれます。

木綿のハンカチだと、ベチャベチャになって、
お互いにあまり気持ちがよくないので、
少し大きめのハンドタオルがオススメです。

ちなみに、寺社仏閣の訪問が続く場合は、
「さっき清めたから、いいことにしましょうか(笑)」
と言ってスルーすることが多いです。

<小腹が空いたらチョコレート>
昼食時間がちょっと遅めになる場合、
お客様は少しお腹が空くかもしれません。
そんな時のために、
チョコレートを持ち歩いています。
電車に乗って、ちょっと暇になった瞬間や
列に並ばなくてはいけなくなった時などに
チョコレートをサッと出すと、
わりと喜んでもらえます。
(断られたことは、一度もないかも)

<待ち時間を待ち時間と思わせない工夫>
水上バスの乗船待ちや、
電車で15分以上移動する際、
いろいろネタを用意しています。

使いやすいのはプライベートの写真。
スマホで見せるよりも
プリントしてあるものを見せた方が
「ちゃんと用意してきてくれた」
という印象を与えることができます。

あとは、折り紙などもオススメです。
もちろん、待ち時間を使って、
次の訪問地の説明もします。

<トイレの案内>
清潔で快適なトイレの場所を把握しておいて、
「次の訪問地まで○○分だけど、
よかったら、ここにトイレありますよ」
と教えてあげるようにしています。

お客様を待たせて
ガイドだけがトイレに行くというのは
極力避けたいので、
お客様がトイレに行くタイミングで
なるべく一緒に行くようにしています。

<日本語ミニ講座>
旅行中使える日本語のフレーズを
日本語とローマ字と英語で書いて
そのプリントをお渡ししています。

「美味しかった」という言葉を教えて
お店を出る時に店員さんに言えるようにすると
ちょっとしたコミュニケーションが生まれて
お店の方もお客様も楽しい気分になるようです。

<電車の乗り方講座>
翌日以降、お客様が自分たちだけで
電車に乗ったりすることがあるようなら、
切符売り場の表示を英語に変える方法や
地下鉄路線図の見方、
駅番号のことなどを説明します。

ホテルに戻るまでの最後の1区間、
「さあ、何番線に行けばいいでしょう?」
などとクイズを出して練習してもらうと
ワクワク感が増し、自信もつくようです。

<翌日以降の観光アドバイス>
翌日以降の訪問地について、
何かオススメできることがあれば、
見どころやお店などを紹介します。

<祈る>
観光する日は、快晴が一番。
雨で風情が出るお庭などもありますが、
やはり快適に過ごすには
お日様に頑張ってもらいたいところです。

そのため、神社に行って
よくお願いをしています。
ガイドをする日だけではなく、
毎日、神社に行っています。
やっぱり神様だって
常連さんにはよくしてあげたくなるようなので、
ちょこちょこ顔を出して、
日頃のお礼をいろいろ言っています。

というか、実はただ単に、
朝のウォーキングコースとして
神社まで往復するのが
距離としてもちょうどいいというだけなのですが
まあ、素通りするのもなんなので、
寄っています(笑)

この「毎日、神社に行っています」というのが
ガイドをする時のネタとして、
すごくいいんです!
しかも、「私、お神輿担ぐんです」まで言うと、
Oh, you're Shinto lady!という感じ。
「実はバイトで巫女をやってました」と言うと
さらにびっくり仰天!

ま、実際、神社はいいなぁ…って思います。
運気上がってます。たぶん。

・・・・・・・・・・

ということで、ねこ流ガイディング、
いろいろ紹介してきましたが、
なぜ、ここまで念入りにやるかって、
実は日本史の知識が
かなりマズい状態だからです(汗)。

ずっと外国にばかり目を向けて
うん十年生きてきてしまったので、
ガイディングで準備した部分しか
ちゃんと話すことができません。
なので、それを補うために、
できることを必死でやっています。

で、とりあえず、約1年ほど、
ちょこちょことガイドをやってきて、
一応、お客様には
それなりに楽しんでもらえているようなので
この調子で続けてみたいと思います。

歴史は…
もうちょっと頑張りますね。
「超速-最新日本史の流れ」
また、読み直そうかなぁ。




日本事情については、
日々、この音声をランダムに再生して
シャドーイングしています。



2年ぐらいシャドーイングしていると
さすがにだいぶ覚えますね(笑)

ガイド試験に向けて頑張っている皆さま、
資格を取って、これから活動しようかな
と思っている皆さま、
一緒に頑張りましょうね。

2018年2月3日土曜日

通訳案内士のための写真講座

皆さま、こんにちは。ねこです。
今日、通訳案内士仲間の集まりがあり、
ミニ写真講座をやらせていただきました。
せっかくなので、講座の内容を
こちらのブログでも
ご紹介させていただきますね。


1)ホームページに載せる写真をどうするか?

通訳案内士の中には、自分でホームページを制作して
頑張って宣伝活動をしている人もいます。
その写真をどうするべきか。
簡単に言ってしまえば、方法は二択。

・写真についてじっくり学ぶ

・ストックフォトを購入する

自分で撮った写真で
素敵な大当たりショットがあったら
それを使うのもOKです。
でも、どうしてもうまく撮れないなら
妥協は禁物!
そういう場合は、ストックフォトを利用して
魅力的な写真を買うのも1つの方法です。

写真AC
https://www.photo-ac.com/

ぱくたそ
https://www.pakutaso.com/


2)手軽に写真を学ぶ方法

どうしても自力でステキな写真を撮りたい人は、
書籍やネットを利用して学んでみましょう。
以下は、ねこのオススメです。

カメラの学校(無料のオンライン講座)
http://www.camegaku.com

「1週間で突然うまくなる!写真の教室」



こちらの書籍は「写真を撮る」という
行為を行う際に考えるべきことを
上手に整理してまとめてくれています。

初心者さんでも、学べることがいっぱいあり、
本気で一眼レフを使う上級者さんでも、
さらにステップアップをするヒントが
盛りだくさんです。
キャリア30年以上のプロカメラマンも
絶賛していた本なので、
本当にオススメです。


3)お客様が求めるのはどんな写真?

さて、ここからが講座の本題です。
お客様がガイドに撮ってほしいのは、
どんな写真でしょう?

A) アーティスティックな美しい写真

B)普通の写真

正解はB)の普通の写真です。

スマホの普及で写真を撮る機会が増え
人を「おおっ!」と言わせるような
ステキな写真は、実は、
お客様が自分自身で撮りたがっています。
なので、ベストなフォトスポットを把握して
いい写真を撮る機会を提供しましょう。

そして、ガイドがツアー中に撮ってあげるべきは、
いわゆる「普通の写真」なのです。


4)普通の写真って?

・全員がちゃんとカメラ目線で笑って写っている

・場所や状況がよくわかる

この2点、簡単そうで、意外と難しいんです。
例えば、10人の集合写真を撮ろうとしたら、
誰かしら目をつぶってしまったり、
横を向いてしまったりします。

また、人にフォーカスしすぎて、
人物の顔だけの写真になってしまい
それが日本なのかアメリカなのか
はたまたオーストラリアなのかわからない写真を
撮ってしまうこともあります。


5)鉄則

・視線が散るので絶対に同時にカメラを向けてはいけない!!

これは、写真の師匠に最初に習ったことです。
例えば5人で集合写真を撮っている時に、
もう1人、誰かが同時にカメラを向けたら、
2人は自分のカメラを見て、
他の3人は別のカメラを見るかもしれません。
そうすると、人の視線がまばらな
力のない写真になってしまいます。

この鉄則を知らない人が本当に多いのですが、
集合写真を撮る時は、全員の視線を
1つのカメラに集中させることを徹底しましょう。

・1枚だけでなく、できれば最低3枚同じカットを撮る

いわゆる「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」ってやつです。
1枚だけだと、誰かが目をつぶったり、
口が動く瞬間だったりと、
残念な写真になることがあります。
でも、3枚ぐらい撮っておけば、
どれか1枚ぐらいは、OK写真があるはずです。
実際、CDジャケットの撮影などでは、
1時間で数百枚から千枚近く撮り、
その中から1枚だけ選ぶような作業をしています。
これを「下手な鉄砲も数打ちゃ大作戦」と
勝手に呼んでいます(笑)

・必ず声をかけながら撮る

これは撮るタイミングを被写体に知らせる意味もありますが、
実は周囲に対する威嚇(?)でもあります。
「さあ、撮りますよ」オーラを最大限に発揮することで
撮影中、カメラの前を横切られてしまうことを
防ぐ効果があります。

・下見の際に、必ず構図の研究をし、アングルを覚えておく

友人やガイド仲間と観光地を歩く際、
どこでどういう角度で撮ったら、
いい写真が撮れるのかを研究しておくと、
本番のガイディングでスムーズにいい写真が撮れます。
特に都内の定番スポットについては、
お客様をどの位置に立たせて、
自分がどの位置に立って、
どういう角度からどの部分をフレームに入れると
いい写真になるかを把握しておきましょう。
漠然と覚えておくのは難しいので、
周囲の目印も一緒に撮っておくことをオススメします。

構図研究の際は、「浅草 集合写真」や
「浅草 記念写真」などのキーワードで
画像検索をすると、案外参考になります。


6)実例

では、ここからは
ちょっと実例をお見せしましょう。


左の写真は、しゃがんで
撮ってしまったのですが。
そのせいで鳥居の大部分が
隠れてしまいました。
(あー、ごめんなさいっ!)

その反省を生かし、
右の写真では、立ったまま撮り、
鳥居の大きさを強調することができました。


左の写真では、人にフォーカスしすぎて
何に触っているのかがわかりません。

右の写真は、混雑していなかったので
運良く撮れたものではありますが、
全体が入っているので、
大わらじの大きさもよくわかります。


7)まとめ

・お客様が求めているのは旅の思い出を語るための写真

・友人に旅の思い出を語る時にどんな写真がほしいか考えてみると答えが見えてくる

・必ず数枚撮る

・自分なりのベストスポットを把握しておく


何か参考になることは
ありましたでしょうか?

東京のベストスポットは、
こちらのブログにわりと多めに載っているので
参考にしていただければ幸いです。
https://pict-japan.blogspot.jp/2017/09/tokyo-sightseeing.html

また、iPhone上での逆光の直し方も
紹介しているので、
よかったら参考にしてくださいね。
https://pict-japan.blogspot.jp/2017/10/backlit-photos.html