2012年7月13日金曜日

翻訳者の悩み

皆さま、こんにちは。ねこです。
今日は英会話講師としてではなく、翻訳者としての
悩みを書いてみようと思います。

最近よく海外ドラマや音楽CDの歌詞翻訳をします。
とても楽しい仕事です。
ぴったりくる日本語が頭に浮かんでくるのを待ち、
それをひょいと捕まえて、並べていく。
しっくりくる言葉が見つかったときの気分は
本当に素敵なものです。

ただ、翻訳をする上で、悩みもあります。
それは、日本語表現よりも英文解釈の問題です。
最近のコメディーや、ヒップホップ、ラップなどでは、
いわゆる若者言葉が頻出します。
また、その文化を理解していないと、
辞書を引いただけでは想像すらできないこともいっぱい。

例えば、CDの歌詞でこんな一文がありました。

smashing in my coupe on the 5

"smash"は「粉砕する、強打する、壊す」。
"coupe"は車の「クーペ」でしょうね。
"on the 5"はさっぱり見当もつきません。
「5時」だとしたら、前置詞は"at"のはずだし、"the"も余計だし…。

こうしてまったく埒があかなくなったときには、
いつも英語ネイティヴの友人に相談をします。
ちなみに、この文章についての質問に、
友人は、こう答えてくれました。

smashing here refers to driving fast down Interstate 5,
which is a famous highway in California
(ここでの"smash"は、州間高速道路の5号線を
スピードを出して走るという意味。
5号線はカリフォルニアで有名な高速道路だよ)

ん~、にゃるほど!
さすがに、そこまではわかんないや。
ああ、聞いてよかったぁ。
助かったぁ♪

…と思うわけですが、時々ふと悩んでしまうのです。
これって、決して自分の力だけでは訳せなかったわけで、
もし、同じような依頼が来たときに、
誰かの力を借りることができなかったら、
自分はこの仕事を仕上げることができないんだよなと。

もちろん、普段からせっせと人付き合いをし、
いざという時に相談できる相手というのを作ること自体も、
ある意味、翻訳者としての1つのスキルではあるかもしれません。

でも、もっともっとネイティヴの語感を身につけて、
ちゃんと自力で解釈できるようにならなくては
とも思うわけです。

そのためには、何をすべきか?
結局、いっぱい訳して、いっぱい知らない表現に出会って、
1つ1つストックしていくしかないんでしょうねぇ。

ネイティヴの語感を持つ翻訳者、
そして、ネイティヴの語感を持つ英会話講師になれるように
ねこは、これからも日々精進を続けますよ。
まだまだ先はにゃがいぞ。(^^ゞ