皆さま、こんにちは。ねこです。今日は久しぶりに字幕翻訳のお話をしますね。
今、翻訳を担当している番組の第1話が、12月11日から期間限定で無料公開されています。
「ザ・密林生活 with エド・スタフォード」(ディスカバリーチャンネル)https://youtu.be/LE6hKeKIau8?si=ZH-T2gZCiH7OWgev
この番組を例に、どんな形で翻訳の仕事を受注し、どんなペースで作業をしているのかを、解説しようと思います。
全6話で1話が45分ほどの番組なのですが、今回、打診をいただいたのが11月13日のお昼過ぎでした。第1話の納期は、ちょっと急ぎ目とのことで、締め切りが11月19日の正午。若干、スケジュールはタイトだけれど、対応可能と判断して、第1話をお引き受けしました。
納期までに間に合うかどうかの判断は、最初のうちはなかなか難しいのですが、経験を積んでいくと、おおよその見積もりができるようになってきます。
私の場合、短いセリフが多いドラマやリアリティー番組なら、1日あたり15分、長いナレーションが続くドキュメンタリー番組なら、1日あたり10分ぐらい訳せるという計算で、所要時間を見積もります。
字幕を訳す作業の他に、字幕制作ソフトを使って、字幕を出す位置を決める「スポッティング」という作業もあります。私はセリフの始まるタイミングで、トントントン…と映像を切っていくやり方をするのですが、45分番組なら、作業時間は3~4時間(←かなり爆速です)。詳しいやり方を知りたい人は、こちらの記事をご参照ください。
爆速!字幕スポッティング
https://interesting-languages.blogspot.com/2020/07/subtitling.html
ちなみに、この第1話、字幕の枚数が887枚になりました。聞き慣れない表現かもしれませんが、字幕翻訳者は字幕を1枚、2枚…と数えます。
翻訳をする時は、タイマーをかけて25分訳したら5分休憩という形で作業を進めています。25分間で訳せる枚数が、おおよそ20枚。なので、例えば、こんな感じで1日のスケジュールを作ります。
9:00 字幕~20
9:30 字幕~40
10:00 字幕~60
10:30 休憩
11:00 字幕~80
11:30 字幕~100
12:00 昼食
12:30 休憩
13:00 字幕~120
13:30 字幕~140
14:00 字幕~160
14:30 字幕~180
15:00 休憩
15:30 字幕~200
16:00 字幕~220
16:30 字幕~240
17:00 字幕~260