モスクワ、サンクトペテルブルク、
タリン、ヘルシンキを旅して、
無事、6月21日に帰国しました。
言語のこと、文化のこと、
旅のこと、本当にたくさんのことを
感じた10日間でした。
テーマを変えながら、何回かに分けて
旅のご報告をできればと思っています。
まずは、ロシアの英語事情について。
「ロシアでは英語が全然通じない」
という噂を聞いていたのですが
果たして実情は?
まずはアエロフロート航空。
そりゃあ、もちろん英語OKです。
座席モニターでも、英語が選べます。
(あれ? 日本語はなかったかも…)
シェレメチェヴォ空港の
地上職員さんたちも
ちゃんと英語を話してくれました。
ただ、空港でびっくりしたのは、
このお店のロゴ。
BURGER KINGって
ロシア語で書いてある!(笑)
モスクワ市内までの電車
アエロエクスプレスの
案内カウンターでは
英語が通じました。
モスクワのベラルーシ駅、
どーん!
CがSで、BがVです。
なので音としては、
/モスクヴァ/という感じ。
駅周辺の案内ボードは、
最近作られたという感じで、
しっかり二か国語表記でした。
こちらは地下鉄の切符の券売機。
ちゃんと英語表示に
切り替えられます。
ただ、トロイカという
チャージ式のICカードは
窓口で買わなくてはいけません。
(券売機でチャージは可能)
でも、大丈夫。
大きな駅には、
"We speak English"という
表示のある窓口があります。
ただ、他の窓口が空いてるのに
英語窓口で並ぶのもなんなので
Тройка (50P + 350P)という
手書きのメモを作り、
(※50ルーブルのデポジットと
350ルーブルのチャージという意味)
「トロイカ パジャールスタ」と言って
400ルーブルを渡したら、
ちゃんと買えました!
さて、いよいよ地下鉄です。
うおっ、全部ロシア語だ!!
と面食らっていたら、
向こうから歩いてきたお姉さんが
きれいな英語で話しかけてくれました。
実はその時点で、
乗り換え用メモを出していなかったので
自分の行き先すら言うことができず
「あっ、大丈夫です。ありがとう」
と言ってしまったのですが、
メモを出して、再び、
案内表示を見上げていたら、
また別のお姉さんが
英語で話しかけてくれました。
(みんな親切だぁ~)
「あっ、えっと2番の地下鉄に
乗りたいんだけど、
5番の地下鉄のホームに
来ちゃったみたいで…」と言うと
2番のホームへの行き方を
ちゃんと英語で説明してくれました。
何しろモスクワの地下鉄は
すごく作りが変わっていて、
ホームの途中に
乗り換え階段があります。
何回か乗り換えをしていると
慣れてきますが、最初のうちは、
乗り換え階段に気づかず
通りすぎてしまい、
あれ? 乗り換えができない!
と戸惑うことも…。
しかも、行き先表示はこんな感じ。
この中から、自分の行く駅を
探さなくてはいけません。
どこの駅で何線に乗り換えられて
乗り換え後にどこに行けるかも
こんな風に書いてありますが、
こちらとしては、まるで
百人一首でもやってる気分(笑)。
まあ、1~2本見送っても
すぐに次の地下鉄が来るので
行き先をしっかり確認してから
乗るのが無難かと思います。
さすがに地下鉄の乗り換えは
ハードルが高いのか、
あまり旅行者らしき人を
見かけません。
特にハードルが高いのは、
駅に到着する時です。
何しろホームの壁が、
こんなにスッキリ!(笑)
駅名は3か所ぐらいしか
書いてありません。
デザイン重視なのでしょうか。
なので、方法としては、
乗る時に何駅目というのを
しっかり確認して、
ずっと意識しているか、
あるいは車内アナウンスを
聞き取ることです。
ちなみに、車内アナウンスは
二か国語でした。
ただ、駅名の発音が
自分の想定していたものと
違っていたらアウト(笑)。
地下鉄駅の出口案内は
細かいところまで全部
二か国語表記になっていました。
さあ、いよいよホテルに到着。
町外れの格安ホテルなので、
フロントのおばちゃんは、
英語が話せませんでした。
でも、すごく感じは良くて
常にニコニコ。
お互いに翻訳アプリを使いながら
どうにか意思疎通を図ります。
こちらはYandexという
ロシア版Yahoo!のような会社の
翻訳アプリ。
日本語からロシア語に訳すより
英語からロシア語に訳す方が
言語的な隔たりが少ないので
基本的に英語を介して
“会話”します。
さて、部屋に入ると、
新たな難関が待ち受けていました。
こちらはテレビのリモコンの説明。
ロシア語のみ。
翻訳アプリが活躍します。
写メを撮って、翻訳にかけると
しばらくスキャン画面が出て
こんな風に英語にしてくれます。
ロシア語のエクササイズ動画を
見ることができました(笑)。
翌日は、街を歩きながら
街のロシア語表記にワクワク。
「カパオケ」に見えるけど、
これ「カラオケ」です。
こちらは、説明しなくても
ロゴでわかりますね。
こちらは、CがS、
TとOはそのままで、
最後の文字がPなので
STOPと書いてあります。
すべてロシア語。
お客さんもほとんど
ロシア人ファミリーという
感じでした。
(予約のメールは、
英語で対応してくれました)
トレチャコフ美術館の展示は
ほとんどが二か国語表記。
街を歩くと、あちこちに
インフォメーションの
テントが作られていました。
ワールドカップのためでしょうか。
ただ、そこで待機しているのは
英語学習中のボランティアさんなのか
あまり英語が通じませんでした(笑)
ただ、うまく話せないながらも、
ジェスチャーなどで
一生懸命、道案内してくれました。
こちらはセルフサービスの
レストラン。
指さしながら、
「それをください」と
注文していくのですが、
ドリンクの注文のところで
ちょっとつまづきました。
ロシア語で言ったところまでは
よかったのですが、
そのあと質問されたことが
よくわかりません。
すると、隣にいたお客さんが
「ミルクを入れますかって
聞いてるのよ」と
英語で助けてくれました。
さて、観光船に乗ってみましょう。
チケット売り場の英語は
ちょっと微妙な感じ。
どうやら「10分後」と
言おうとしているようなので、
"10 minutes?"と言ったら、
「あー、そうそう、それ!」
という感じの反応でした。
聞き取れるけど、
なかなか口からは出てこない。
日本人の英語学習者と
同じ状況のようです。
観光船で記念写真を撮って
販売していたお兄さんは、
流暢ではないものの
一生懸命、英語を話してくれました。
では、寝台特急で
サンクトペテルブルクに
向かいましょう。
ところどころ英語表記はありますが、
基本的にはロシア語です。
でも、なんと、
客室担当のお兄さん、
英語で対応してくれました。
「ロシア国鉄の客室担当は
ほとんどが女性で、
しかも全然英語が通じない」
と聞いていたので、
男性スタッフで英語が通じる
というのは想定外でしたね。
さて、サンクトペテルブルクでは
主にバスで移動しました。
ICカードもありますが、
デボジット分が無駄になりそうなので
乗るたびに車掌さんに
40ルーブルを渡して
チケットを購入。
「アジン パジャールスタ
(1枚お願いします)」と
言って買いましたが、
たぶん、無言で現金を渡しても
普通に売ってくれそうです。
ICカードを利用する人は
オレンジの機械にタッチします。
気になったのは、このボタン。
バスの中の、ほんの数か所に
ついているだけなので、
ひょっとしたら
非常停止ボタンなのかも?
押さなくてもすべてのバス停に
停まるようなので
一度も押しませんでした。
(英語で書いてあっても、
用途がわからないと押せませんね)
宿泊した貸しアパートの
管理人さんとのコミュニケーションには
Yandexの翻訳アプリが必要でしたが
そのお庭で暮らすニャンコとは
英語で難なく意思疎通できました。
アパートの近くにバーがあって
英語メニューがあり
英語が通じたので
ランチもディナーもここで。
さすがに完璧な二か国語対応。
ただ、日本語の
オーディオガイドを借りたら、
展示によっては
「日本語での音声案内はナシ」
というものが結構あったので
英語にすればよかったなと後悔。
サンクトペテルブルクの
猫カフェ「猫共和国」。
スタッフのお姉さん、
英語バッチリでした。
長年、剣道を習っていて
日本にすごく興味があるとのこと。
さて、路上にて。
これは…
押しボタン式信号なのか、
それとも非常ベルなのか(笑)
Google翻訳で見てみましょう。
нажмите кнопку ждите зеленый сигнал
Press the button wait for the green signal
なーんだ、押して大丈夫だったんだ(笑)
バスターミナルや主要駅周辺には
ワールドカップのために
臨時で作られた案内標識が
いくつかありました。
こちらは、国境越えをするバスの
ターミナル駅。
さすがに二か国語表記です。
うはーっ、バス乗る前に
これテイクアウトしたい!
でも、そもそもテイクアウトは
可能なんだろうか?
言葉が通じないと困るから、
諦めようか…。
でも、食欲が勝ち、
思い切って話しかけてみると
こちらのお兄さん、
ちゃんと英語で対応してくれました。
バスで隣の席に座ったおばちゃんは
ロシア人で、英語は話せませんでしたが
長時間の乗車中、
お菓子をお裾分けしてくれたりと
いろいろと世話を焼いてくれました。
「オーチン フクースナ!
(すごく美味しい)」
一生懸命覚えた表現、
思いがけないところで
使えました(笑)。
時々、アプリも使わずに
ちょこちょこと
言葉(?)を交わしたのですが
「1人で旅をしているの?
すごいわね。
いい旅になりますように」
と言ってくれたのが
なんとなくわかりました。
人間ってすごい!(笑)
そして、無事、ロシアから出国。
こうやって振り返ってみると
わりと英語が使えたんだなぁ…
という印象ですが、
実際に旅をしている間は、
「通じなかった瞬間」が
妙にくっきりと記憶に残り、
「ロシアでは英語があまり通じない」
という印象を抱えて帰ってきました。
実際のところ、
事前に切符の買い方や
乗り換え方法を調べておき、
現地ではGoogleマップや
Yandexの翻訳アプリを活用し、
そして、親切な人の力を借りれば、
英語を使っての
ロシアの個人旅行は
決して不可能ではありません。
キリル文字については
完璧に覚えなくても
こういうサイトの
http://rick08.hatenablog.com/entry/2014/01/29/000859
変換表を印刷して持っておくと
数日で見慣れてきます。
いずれにしても、ロシア人が
外国人観光客の対応をする際に
使う言葉は英語なので、
ロシア旅行にあたって
英語は有用です!
よーし、引き続き、
英語、頑張ろう!
ただ、英語で会話をしようと、
翻訳アプリで会話をしようと、
話しかける際に、
Извините (イズビニーチェ)や
Простите (プラスチーチェ)
と言って声を掛け、
何かお願いする時は、
Пожалуйста(パジャールスタ)と言い、
最後にしっかり
СПАСИБО(スパシーバ)と
お礼を言うことで、
よりコミュニケーションが
円滑になるような気はしました。
というわけで、すっかり長くなりましたが
2018年 ロシアの英語事情はここまで。
次回は旅と言語についての考察を
書いてみたいと思います。