2020年6月23日火曜日

バーチャルツアー成功事例

皆さま、こんにちは。ねこです。昨日、建築物のバーチャルツアー(英語)に参加しました。中銀カプセルタワービルという建物で、黒川紀章氏が設計したものです。

黒川紀章の『中銀カプセルタワービル』築47年の部屋が生み出す“不動産”以外の価値
https://www.asahi.com/and_M/20190409/1450039/ (2019.04.09 Asahi.com)

主催はShowcase Tokyoで、参加したツアーの申し込みページはこちら。
https://showcase-tokyo.com/tour/nakagin/

率直な感想を偽りなくお伝えしましょう。実は最初の時点で、私は現地からの中継だと勘違いしていたため、ガイドさんも部屋の中にいるのを見て、「あれ? 中銀タワーの中かしら? それともご自宅?」とちょっぴり困惑。その後、参加者の自己紹介タイムが始まったので、「う~む、ひょっとして、これは退屈なZoomミーティングになってしまうのかしら?」という微かな懸念が…。

でも、それは全くの杞憂でした。ガイドのHALさんが、写真を使いながら、建物の中にみんなを誘っていく様子は本当に見事で、しかも、動画の使い方が絶妙です。写真だからこそ分かりやすいもの、動画だからこそ臨場感が伝わるもの、見事な使い分けにひたすら感心しまくりでした。

説明も長すぎず短すぎず、心地いいリズムで進行し、参加者をぐいぐい引き込んでいきます。また、最初に自己紹介タイムがあったからこそ、質問しやすい雰囲気にもなっていて、そうか、あの自己紹介には、そんな効果があったのかと納得しました。本当にみんなで一緒に建物の中を歩き回っている気分で、ちょこちょこと質問も飛び交いながら、和気あいあい。ツアーが終盤に近づいた時、「えっ? もう本当に1時間以上経ってるの?」と心底驚きました。

ツアーの組み立て方が完璧な上に、ガイドさんのお人柄も、ツアーの雰囲気を盛り上げているなぁ…と実感。画面の向こうの満面の笑みから120パーセントの建築愛が伝わってきて、丸一日でも、この人のお話を聞いていたい!という気持ちになりました。

「バーチャルなんてつまらない」と思い込んでいる方、ぜひ、一度、こちらのツアーに参加してみてください。ツアー自体を大満喫できるし、建築への興味がグッと高まるし、実際に中銀カプセルタワーを訪れてみたくなります。

「バーチャル v.s. リアル」みたいな構図で物事を捉えて、バーチャルを否定する人もいるけれど、リアルとバーチャルは、つながっていると思います。だって、そこに本当に人がいるんだもの。ガイドのHALさんに、リアルで会って、いっぱい建築の話を聞いてみたい!! そんな気持ちになった素敵なバーチャルツアーでした。

<恥ずかしい余談>
この中銀カプセルタワーは、浜離宮恩賜庭園のすぐ近くにあります。実はガイド初心者だったころ、超富裕層のご夫婦を庭園にご案内した際、「あら? あの変わった建物はなあに?」と聞かれました。何の知識もなかった私は「あら? ほんと、面白い建物ですね。初めて気づきました」と流してしまい、あとで調べてびっくり仰天! 「ごめんなさい、あれは、とても有名で貴重な建物でした!!」と詳細を添えて、お詫びのメールを送ったことがあります。ひょっとしたらお客様は最初から知っていて、ガイドの知識を試すために質問をしてきたのかなぁ…と思うと、本当に顔から火が出そうなほど恥ずかしくなります。でも、それ以降、「あそこに見えるキューブ型の建物は…」と、説明できるようになりました。次にガイドする時は、「バーチャルツアーで中を見せてもらったんですが…」と、さらに話を膨らませていくことができそうです。

(2018年11月20日撮影 @Kumiko Hirama)