今日はちょっと変わった業務の
お話をしましょう。
インタビューのテープ起こし&下訳と
校閲という業務です。
(※実際はテープじゃないけど:笑)
これは翻訳エージェント経由ではなく
ライターさんから個人的に
発注されている仕事なので、
お互いにとって最も効率のいい
作業方法を取っています。
まず、インタビューの音源を
受け取ります。
WMAかMP3ファイルです。
それをなんとSST G1で開きます!
映像じゃないのにG1?と驚いた方、
こちらをご覧ください。
ファイルの種類を
Audio Filesに変更すると
WAVやWMA、MP3が開けます。
字幕を作るわけではないので、
ハコ切りは大雑把に。
通常の字幕では4~6秒で
ハコを切りますが
特にそういうことも気にしなくていいので
12~13秒ぐらいで切ることもあります。
ざっと聞いて、すぐに日本語が
思い浮かぶ部分については
字幕ウインドウに訳だけを書きます。
(ライターさんも英語がわかるので
極力、無駄な作業は省きます)
精読したい部分については
原文ウインドウに英文を書き出し
じっくり解釈を検討した上で
日本語に訳していきます。
なぜわざわざG1を使うのかと言うと
それは、同じ部分を
繰り返し聞くのに便利だから。
聞き取れない部分は、
「F12キー」を押して
何度も何度も確認します。
(※重要な部分については、
ネイティブに聞き取りを
発注することもあります)
すべて終わったら、
エクセル形式でエクスポート。
これをライターさんに納品します。
ライターさんはG1を持っていないので
このタイムコードを頼りに
必要箇所を聞き直したりするとのこと。
この下訳をもとに、
ライターさんが記事を構成し、
第1稿が、ねこのところに送られてきます。
ここからは校閲作業。
字幕翻訳の場合と同様、
表記や事実確認を
ねちっこくやります(笑)
例えば、ジャズの名盤
"Waltz for Debby"。
『ワルツ・フォー・デビー』か
『ワルツ・フォー・デビイ』か
はたまた『ワルツ・フォー・デビィ』か、
世の中ではどれが主流なのか調査し、
根拠となるURLも添えて送ります。
http://www.universal-music.co.jp/jazz100/products/ucco-99001/
https://www.amazon.co.jp/dp/B000SLI7MY
作曲家の名前についても、
「シェーンベルグ」か
「シェーンベルク」かを確認します。
http://www.yamaha.co.jp/plus/person/?ln=ja&id=31
(老眼になると、どっちでも良さそうだけど:笑)
基本的に固有名詞はすべてチェック。
「ストラタス・ファンク」 か
「ストラタスファンク」 か
中黒(・)の有無なども確認します。
http://artist.cdjournal.com/d/stratusphunk--the-stratus-seekers/4112101492
また、固有名詞以外でも、
「モチーフ」と「モティーフ」の
表記揺れなどもチェックします。
こんなふうにして完成した原稿がこちら。
現在発売中の「JAZZ LIFE」8月号
P.51からP.53に掲載されています。
また、主に校閲をお手伝いしたのが
こちらのインタビュー記事。
「ラティーナ」8月号に掲載されています。
字幕翻訳で培った技術は
こういう場面でも
生かされています。
ああ、字幕やっててよかった♪
P. S.
内輪ネタですが、
「お蔵入り」という表現は
「ボツ」という言葉に変わりました(笑)