今日の記事は、字幕翻訳者さん向けの
内容になりますが、
ひょっとしたら他の業界の皆さんにも
何か参考になることが
あるかもしれないので、
よかったら読んでみてくださいね。
今日、字幕翻訳のかわいい後輩
Kちゃんとランチをしながら
ハコ切り作業の方法について
話していたところ、お互いに
「???」と思うことがありました。
G1で原文を原文ウインドウに
コピペする方法についてです。
皆さんは、どうやっていますか?
Kちゃんは、「コピー」っていう
ボタンを押してますとのこと。
へっ??? ボタン???
わっ、ほんとだ!
そんなところにボタンがあるなんて
初めて知りました!!
(ねこが始めたころのG1には
ついてなかったのかしら?
それとも、ちゃんと学んでなかった?)
ねこは、Wordなどと同じように、
「Crtl + C」と「Ctrl + V」で
コピペしてると言ったら
「そんなことできるんですか???」と
今度はKちゃんがびっくり!
どちらが速いかはわかりませんが
とりあえず、現在ねこがやっている
ハコ切り技について、
あらためて整理したいと思います。
(※後日、文末に追記しましたが、
Kちゃんの使っている
「コピー」のボタンを使った方が
圧倒的に速かったです!)
まず、8ボタンマウスをご用意ください。
こういうやつです。
って言うと、駆け出しの翻訳者さんは
「まだ、それほど本格的に
やってるわけでもないし…」と
二の足を踏んでしまうようですが、
実は駆け出しの人ほど
時短のために、積極的に
活用すべきだったりします。
トライアル中、OJT中の人は
もうちょっと待ってもいいけれど、
実際にお仕事を始めている人は
今すぐ買ってOKです。
後悔はさせません!(笑)
さて、作業を効率化するためには
まず、G1でいくつか
ショートカットを仕込み
それをマウスのボタンに割り当てます。
もともと設定されていたものと
ねこが自分で設定したものの区別が
わからなくなってしまいましたが
現在はこんなショートカットを
活用しています。
(※特によく使うものを赤にしました)
字幕ウインドウにフォーカスを移す Ctrl+Q
波形ウインドウにフォーカスを移す Ctrl+W
表示位置・行位置ダイアログ Ctrl+L
ルビダイアログの表示 Ctrl+@
映像ファイルを開く Ctrl+M
字幕の結合 Ctrl+K
字幕の分割 Ctrl+D
再生 F11 現字幕の再生 F12
ブックマークの設定 Ctrl+F2
次のブックマーク F2
こんなふうに、ハガキに印刷して
壁に貼っておくと便利です♪
さて、今度はマウスの設定。
一見、難しそうに見えますが、
つないで、チョイチョイと
2~3分で設定できちゃいます。
ハコ切りで大活躍するのは
「コピー」と「貼り付け」です。
右手の親指だけで操作します。
「Page Down」と「Page Up」「F12」は、
翻訳中と見直しの時に役に立ちます。
(マウス操作だけで、
次の字幕に進んだり、
現字幕を再生したりできるので)
こちらはすべて
右手の人差し指で操作。
「Left Windows + M」は
すべての画面を一気に最小化する
ショートカットです。
(知ってた?)
これは左手の親指をちょっと伸ばして操作。
さて、では作業を始めましょう。
こんな手順でやっています。
まず、G1を起動。
新規作成を押して、映像も開きます。
「映像とタイムコードの同期」と
「フォーマット設定」と「画面 調整」を
各案件に合わせて行います。
「ユーザー設定」も必ず確認しましょう。
雛形のSDBが送られてきたから大丈夫と
思っていたら大間違い!
この数値は、個々のG1で
直前に設定したものが残るので
気をつけましょう。
例えば、字幕間が2フレと
字幕間が3フレの案件を
同時進行でやっている場合は、
別案件のファイルを開くたびに
数字を変更しなくてはいけません。
これを忘れていると、
あとで青ざめます(汗)。
さて、ここまで終わったら、
一旦、名前をつけて保存します。
では、いよいよスポッティングです。
(翻訳学校で習う方法とは
まったく違うと思うので
驚かないでくださいね)
最初の音から最後の音まで、
えーーーーーーーいっ!!と
1枚のハコにします。
びっくりしましたか?
こんなふうに教える学校は
おそらく、ないかと思います。
かなり特殊なやり方です。
以前、PCとG1の相性が悪く、
「Shift」を押しながら「→」を長押ししたら
そのままカーソルが暴走してしまう
という現象が常に起きてしまったので
仕方なく編み出した方法なのですが、
実は、この方が速いということに
気づきました。
最後まで1枚のハコになったら、
その長~いハコのIN点に
カーソルを持ってきてください。
そして、両手を
以下のポジションに置きます。
左手の小指を「Ctrl」
左手の中指を「D」
右手の人差し指を「←」
右手の薬指を「→」
(※キーボードの配列によっては
別の指がいい場合もあるかも)
いいですか? いきますよ!
「→」を長押しして、
2枚目の字幕のIN点を探します。
音が聞こえました?
そしたら、音の出たところから
「←」をトントントンと
指定回数押します。
(大抵は音が聞こえたところから
3フレ戻しの案件が多いですね)
さて、今、カーソルがあるところが
2枚目の字幕のIN点です。
周辺にカット変わりなどがなければ
ここで切ってOKなので、
左手の小指と中指で「Ctrl+D」。
そうです!
「Ctrl+D」には「字幕の分割」の
ショートカットを割り当てているので
これで、字幕をストンと切り出せます。
この時点では、OUT点のことは考えず
とにかくIN点のみ重視して、
ストンストンストンと切っていきます。
Kちゃんと私はこれを
「羊羹(ようかん)戦法」と呼んでいます(笑)
こんな感じで↑、とにかくひたすら
ストンストンと切っていきます。
このペースでIN点のみの
スポッティングをすると、
25分で130~150枚程度、
映像の尺でいうと5~8分の
スポッティングができます。
(ドラマかドキュメンタリーかでも
大幅に違ってきますが、
おおよその目安として)
ちなみに、25分作業をしては
5分休憩して…というペースで
タイマーをかけて仕事をしているので、
カウントが25分単位になっています。
でも、ねこ自身も、
最初から、このペースで
スポッティングができたわけではないので、
字幕の初心者さんは、まずは
丁寧にスポッティングすることを
心がけてくださいね。
いずれは必ず
ペースアップできますから!
さて、IN点のみの
スポッティングが終わったら
原文をコピペしつつ、
OUT点を調整していきます。
8ボタンマウスの出番ですよ!
右手の人差し指で
マウスホイールを上から押し込むと
現字幕が再生されます。
(F12を仕込んであるため)
その部分の原文をスーッとドラッグして
親指で「コピー」のボタンをポン、
そのままマウスを
原文ウインドウまで動かして
親指で「貼り付け」のボタンをポン。
その後、OUT点にカーソルを持っていき
左手の小指を「Shift」キー、
右手の人差し指を「←」
右手の薬指を「→」に置き、
トントントンとOUT点の調整をします。
調整が終わったら、
右手の人差し指を伸ばして
「Page Down」を仕込んだ
マウスのボタンをクリック。
そして、ホイールボタンを押し込み、
現字幕を再生。
この作業を繰り返します
調整が終わったら、
右手の人差し指を伸ばして
「Page Down」を仕込んだ
マウスのボタンをクリック。
そして、ホイールボタンを押し込み、
現字幕を再生。
この作業を繰り返します
会話の流れなどにもよりますが、
だいたい10~20枚コピペしたら、
その部分の字幕を訳して…
という感じで作業を進めています。
気持ちが翻訳モードにならない時は、
100~200枚ぐらい、
ひたすらコピペとOUT点の調整を続け
それから訳すこともあります。
…とまあ、こんな感じで
作業を進めているわけですが、
どうでしょう?
伝わったかしら?
Kちゃんは、さっそく
8ボタンマウスをネット購入したとのことで
「マウスが届いたら、
ハコ切り天国だぁ!!」と
今から大興奮しています(笑)
感想を聞くのが楽しみです。
<今日のおまけ>
G1の操作の画像を出すのに
実際のお仕事の映像は使えないので
どうしようかなぁ…と思っていたら
旅行中に自分で撮影した
飛行機の動画があったので
それを使うことにしました。
ニューヨークから飛んできた
アメリカン航空66便が
ダラス国際空港に着陸する際の
アナウンスです。
例えば、"Hong Kong, David 23"というのは、
「香港行きの乗り換えは、ゲートD23です」
という意味。
「香港人のデイヴィッドさんは23歳」
という意味ではありません(笑)
<追記>
その後、Kちゃんの言っていた
「コピー」のボタンを使って
原文のコピペをしたら、
まあ、速いこと速いこと。
今まで十数年、
いったい何をしてきたんでしょうね(爆)
<追記>
その後、Kちゃんの言っていた
「コピー」のボタンを使って
原文のコピペをしたら、
まあ、速いこと速いこと。
今まで十数年、
いったい何をしてきたんでしょうね(爆)