2013年3月28日木曜日

気持ちを伝える

皆さま、こんにちは。ねこです。
先日の映像翻訳フォーラムで学んだことを取り入れ、
作業環境を大幅に改善しています。
翻訳者の仕事も、本当に道具1つでずいぶん変わるものですね。
(10年以上やってて、今さら気づくのもなんですが…)

さて、昨日は珍しく字幕以外の翻訳をしました。
いわゆる「紙の翻訳」と言われるもので、
Wordに書かれた英文を、日本語に訳していくというものです。
ビジネスレターや書籍の翻訳などがこれにあたります。

久しぶりに映像や音のない翻訳をして、
ハッとしたことがありました。
これまで、いかに人間の声色や表情に
助けられていたかということです。

久しぶりの紙翻訳の作業をしながら、
“あれっ? ここはどういうニュアンスだろう?
ちょっと音を聞いてみよう”と、
思わず再生ボタンを探してしまうことが何度もありました。
そう、紙の翻訳では、誰も読み上げなどしてくれません。

実際に人間が話していると、
文章の途中で息継ぎをしたり、大事な部分は強調したりと、
文字だけの情報と比べて、かなりの補足情報が盛り込まれます。
普段の生活の中で、私たちは、そういう情報も受け取りながら
コミュニケーションをしているわけです。

英会話のレッスンをしていると、
初心者さんでも、いわゆる“コミュニケーション能力”が優れていて、
カタコトながらも、言いたいことを器用に伝えられる人がいます。
逆に上級レベルの生徒さんでも、単語や文法の知識は豊富なのに、
“伝わることが一番大事”という意識が低いため、
何だかうまくコミュニケーションができないという人もいます。

英会話を習う人たちにとって、結局、何が大事かと言えば、
“伝わること”なんじゃないかしらと、ねこは思います。
だから、会話練習の時は、いつも
「状況を想像して、気持ちを込めて読んでね」と言います。

実際、そうすることで、
喜んだり、怒ったり、悲しんだり、気遣ったりという気持ちと
そこに出てくる単語やフレーズが結びついて、
記憶にも定着しやすくなります。
さらには、お手本のCDどおりの
イントネーションや息継ぎをまねることで、
気持ちを伝える術も吸収できるわけです。

というわけで、オーバーラッピングや
シャドウイングの練習は、
引き続き頑張っていきましょうね。
やり方は、こちらをご参照ください。
http://interesting-languages.blogspot.jp/2011/04/blog-post.html

練習チェックシートは、ただいま作成中です。
お楽しみに♪

ところで、文字だけで気持ちを伝えるというのは
難しいことですが、
本当に文章が巧い人というのは、
音声がなくても、映像がなくても、絵文字や顔文字がなくても、
言葉だけで見事に感情を表現しますよね。

日々のメールやFacebookでは、
絵文字や顔文字を使いまくりのねこですが、
たまには、“絵文字・顔文字を使わない日”というのを決めてみると
いい文章修業になるのかなと思う今日この頃です。