2013年11月8日金曜日

"like"は「好き」とは限らない!?

皆さま、こんにちは。ねこです。
最近、アニメ番組の吹替え翻訳もやっています。
アメリカで放送した番組の脚本を、
日本の声優さん用に訳すという作業です。

例えば、"Look at that"というセリフでも、
登場人物の雰囲気や口の動き、
その場面の緊迫感などに合わせて、

「あれ、見てよ!」
「あれを見てごらん」
「見て!」
「見ろよ!」
「ちょっと、見て!!」

など、いろんな訳しかたがあります。

ちなみに、効果音や叫び声などが多い番組は、
訳すところが少なくてラクですね(笑)


さて、今日は"like"という単語について。
英語学習者が、わりと早い段階で習う単語なのですが、
これが意外にクセモノです。

こちらの2つの文章の意味、分かりますか?

1) What does she like?

2) What is she like?

パッと見た感じだと、どちらの文章も、
「彼女は何が好き?」という意味に思えてしまうのでは?

ところが、この2つの文章、
実は文法的にかなり構造が違います。

1)のlikeは、動詞として使われています。
つまり、もとは、"She likes _______.(彼女は___が好き)" という文章で、
空欄部分をWhatを使って尋ねています。

「彼女は何が好きですか?」という意味になるので、
文脈にもよりますが、回答としては、

"She likes jazz.(彼女はジャズが好き)"
"She likes cats.(彼女は猫が好き)"
"She likes sushi.(彼女は寿司が好き)"
"She likes taking photos.(彼女は写真を撮るのが好き)"

などが考えられます。

2)のlikeは、「~のような」という意味の前置詞です。
もとの文章は、"She is like _______.(彼女は___な感じの人です)"。
回答としては、

"She is kind(彼女は親切です)."
"She is funny.(彼女は面白いです)"
"She is like a cat.(彼女は猫っぽい)"
"She is like my mother.(彼女はまるで私の母親みたい)"

といったものが考えられます。
基本的に、これは人の性格について尋ねる質問です。

外見について聞く場合は、
"What does she look like?(彼女はどんな風に見えますか?)"となります。
(※lookが動詞で、likeは「~のような」という意味の前置詞)


ん~、紛らわしくて、困っちゃいますね。(^^ゞ
でも、まあ、実際の対面コミュニケーションでは、
細かいことは心配しなくて大丈夫!!

間違った回答をしたら、おそらくネイティブは、
「あ~、この人、勘違いしたんだな」と思って、
"For example, kind? funny? easygoing?"
などと例をあげながら聞き直してくれることでしょう。

“間違ったって人が死ぬわけじゃないし~~♪”
という大らかな気持ちでやっていくと、
英語はどんどん楽しくなりますよ。^^