2019年8月4日日曜日

長時間露光って何? コンデジでも可能?

皆さま、こんにちは。ねこです。
先日、こちらの写真を
SNSにアップしたら、
なかなかの反響がありまして。


ちょっと嬉しかったので、
撮り方など解説しちゃおうかなと
思います。

利用したカメラは、
CanonのPowerShot G5 X



フルサイズ一眼でもなく、
ミラーレスでもなく、
いわゆるハイエンドの
コンパクトカメラさんです。

シャッター速度を
自分で設定できるカメラなら
もう少し、お手頃価格の
カメラさんでもいけると思います。

写真をマニュアルで撮る時に
設定する数字が
主に3つありまして、
F値(被写界深度)と
シャッター速度と
ISO感度と言います。

ここで嫌になっちゃう人も
多いかと思いますが、
実は面白いので、
もうちょっと聞いてくださいね。

F値っていうのを小さくすると
一部分だけピントがあって
あとはボケる写真が撮れます。
このカメラさんで言うと、
1.8というのが開放(最小値)です。
数字が小さいと、
光がいっぱい入ります。


逆に11というのが最大値です。
11にすると、風景と人を一緒に撮る時に
遠くの山から手前の人まで
しっかりピントが合います。
(ピントを絞っている状態)

次にシャッター速度です。
例えば、波しぶきを撮った時に、
水滴までしっかり写すには
シャッター速度を速く。
(こちらは、1/1250秒)


逆にスローシャッターにすると
まったく波のないような
写真が撮れます。
(こちらは、6秒。同じ時の海です)


シャッター速度が速いと
あまり光が入ってきません。
遅いと、シャッターが開いている間
ずっと光が入ってきます。

そして、ISO感度というのは
簡単に言ってしまうと
明るさの調整。
(厳密に言うと説明が長くなるので
端折りますね)

他にも設定できることは
山ほどありますが、
とりあえずマニュアル撮影の基本は
この3つの数字の組み合わせです。

何からどう始めたらいいか
わからないという人は、
まず、Pモード(プログラムモード)で
撮影してみてください。

そして、カメラが自動で設定してくれた
F値やシャッター速度を参考に
もっと、ボカしてみようとか、
もっとシャッター速度を
落としてみようという感じで
調整していくと、なんとなく
わかってきます。

で、いよいよ長時間露光のお話を。
浅草寺に撮影に行ったのは金曜日。
雷門の前には、外国人観光客や
飲み会帰りの皆さんが
思った以上にたくさん。

というわけで、ここで長時間露光。
まず、カメラを三脚にセットし、
F値は最大の11。
シャッター速度は15秒。
ISOは一番低い125。
(内蔵のNDフィルター使用)


これ、車がけっこう通ったんですが
車は見事に消えています。
でも、15秒間座っていた人は
写っています。

では、仲見世へ。
F値は同じく11。
シャッター速度は25秒。
ISOは200。
(f/11, 25sec, ISO-200, w/ ND filter)


けっこう人通りはあったのに
みんな消えちゃった!(驚)

さて、いよいよ本堂の撮影。
おーい、そこの僕。
そこで座ってスマホ見てると
長時間露光しても
写っちゃうんだってば…。


というわけで、いなくなるまで
しばらく待って撮影。
(f/11, 25sec, ISO-125, w/ ND filter)


こちらは、長いこと
お祈りしてる人だけが
しっかり写りましたよ(笑)


こちらは、誰もいないように
よーく見ると、右のドアの前に
何人かもやもやっと写っています。
う~ん、惜しいっ!


ところで、冒頭の写真、
別バージョンがあります。
もう少し近寄って
さらにズームして撮ったんですが、
25秒間撮ってる間に、
風が吹いて提灯がゆ~らゆら。


拡大して見ると、
提灯が微妙にブレてます。
しかも、ガードレールには
人の姿が…。

というわけで、
長時間露光の撮影は
技術力というよりは
忍耐力勝負の撮影になりますが
やり始めると結構ハマります。
マニュアル撮影のできる
カメラをお持ちの方は
ぜひ、お試しくださいね。

iPhoneやiPadでも、
iOS 11からは、
長時間露光の撮影が
(具体的に言うとエフェクト)
可能になったそうですよ。
http://yuu-photojournal.hatenablog.com/entry/2017/09/20/172316


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