今日はずっと前から書きたかった
句読点とカッコのお話をしましょう。
次の2つの文章の句点(まる)と
カギカッコにご注目ください。
どちらが正しい書き方でしょうか?
a) 「おいしい。」と彼女は言った。
b) 「おいしい」と彼女は言った。
実はどちらも正解なのですが、
文部科学省は、a)を正解とし、
メディア各社は、b)を正解としています。
学校で学ぶことと、
世の中一般で通用していることが
異なっているというのは、
ちょっと不便ですよね。
(※詳しく知りたい方は、
メディア各社が出版している
用字用語辞典をご参照ください)
ちなみに、以下は、
「記者ハンドブック 第12版」に
掲載されている句点の使い方です。
1 句点は文の終わりに付ける。
2 かっこでくくった文については次のようにする。
(1) 段落全体を構成する場合は付けない。
「―――――――――」
[例] 「これ以上は話し合っても無駄だ」
突然の打ち切り宣言だった。
(2) 段落の最後にあるときは付けない。
―――――。「――――」
[例] ○○会長は頭を下げた。「責任を取りたい」
(3) 直前に主語などの語句がある場合は、段落の最
後にあるときでも、「と述べた」などの述語が省略され
ているので句点を付ける。
――――― 「――――」。
[例] 男性はひと言「知りませんでした」。
それきり口をつぐんだ。
3 文末の丸かっこについては次のようにする。
(1) 部分的注釈の後は句点を付ける。
――――― (――――)。
[例] 今月の消費者物価上昇率は0.5%(季節
調整済み)。
(2) 文章全体の注釈、筆者名、クレジットなどは、
かっこの前に句点を打つ。
―――――。(――――)
[例] 手記の全文は次の通り。(原文のまま)
さて、今度は英語のお話です。
アメリカ英語では、カギカッコの代わりに
ダブルクォーテーション(“ ”)を使います。
このダブルクォーテーションと、
ピリオドやコンマの位置は、
どうするべきなのでしょうか。
アメリカでは一般的に
ダブルクォーテーションの
内側にピリオドやコンマをつけます。
例えば、こんな感じです。
"I saw the cat," he said to me. "I really saw the cat."
書籍のタイトルなどを書いた時も、
なんと、ダブルクォーテーションの
内側にピリオドがきます。
I read "Grumpy Cat."
アメリカ英語では、とりあえず、
「常に内側」と覚えておけばいいようですが、
イギリス英語では、地の文につける
という意識が強いようなので、
もう少しルールは複雑です。
詳しく知りたい方は、
こちらのサイトをご参照ください。
ところで、英文を添削する際に、
よく見かける些細な間違いがあります。
それは、コンマやピリオドの後には
必ずスペースを1つ入れる
というルールが徹底できていないことです。
(誤)I bought a book,but haven't read it yet.
(正)I bought a book, but haven't read it yet.
(誤)I ate the cake.It was delicious.
(正)I ate the cake. It was delicious.
本当に些細なことですが、
見ている人は見ています。
海外とのメールのやり取りがある人は、
相手がどんなルールに則って
文章を書いているのか
よく観察してみるといいですよ。