2020年4月22日水曜日

ニュースレターを訳す

皆さま、こんにちは。ねこです。昨日の朝、パソコンに電源を入れたら、ニューヨークのジャズクラブから、ニュースレターが届いていました。心に響く素敵な文章。思わず日本語に訳さずにはいられませんでした。オーナーの許可を取り、Office NEKOのFacebookページに訳文を掲載しましたが、せっかくなので、このブログでは、どう考えながら訳したのかという言い訳やツッコミなどを書いてみようと思います。


The SmallsLIVE Foundationのニュースレター

2020年4月19日

Dear Friends:

親愛なる友人たちへ

(冒頭から結構悩みました。この部分、日本語のメルマガでは、どうなっているかというと、「お客様各位」や「Office NEKO様」「○○会員の皆様」という感じです。「親愛なる友人たちへ」という表現は、いかにも外国語から日本語に訳しましたよという感じがするので、「みんなへ」という表現も考えました。でも、ニュースレターという性質を考えると、やっぱりカジュアルすぎるかも。まあ、外国臭さが出てもいいかなという結論に至り、直訳に近い形を取りました)

 Since March 16th, when the clubs were closed down, I’ve been glued nonstop to my phone/computer. 

3月16日に店が閉鎖になってから、僕は四六時中、スマホやパソコンの画面に向かっていました。

(closed downをどう訳すか迷いました。「クローズ」というカタカナも考えましたが、それだと日本語の「閉店」と同じで、一日の終わりに「閉店」する場合と、店の経営自体を辞めてしまう「閉店」というニュアンスになり、一時的に営業を停止させられているニュアンスにはなりません。また、日本とは違い「営業自粛」ではありません。最初は「休業」という訳語を使いました。その後、日本語で書かれたニューヨークの記事を読んでみると「閉鎖」という表現が多かったので、「閉鎖」に書き換えました)

(追記:いつも一人称はすごく悩みます。実際のところ、このニュースレターを書いたスパイクという人は、キャラ的に言うと絶対に「俺」が似合います。しかし、主語が「俺」なのに語尾を「ですます調」にすると、一生懸命敬語を使おうとしている新入社員みたいな雰囲気になっちゃうんですよね。「私」を使うこともできましたが、それだと、書いた人の性別がわからないので、読み手の想像の幅が広がりすぎてしまいます。そんないろいろを考えた結果、「僕」を選びました)

I guess that I’m seeking (in vain) for answers or comfort or to connect.  

何かの答えや慰めやつながりを(あてもなく)求めていたんだと思います。

But I felt myself going insane between the barrage of conflicting news and the non-stop inanity of Facebook.  

でも、世の中の混乱を伝え続けるニュースや、腹の立つ投稿ばかりが並ぶFacebookに、どうにもならない苛立ちを抱えるばかりでした。

(barrage of conflicting newsnon-stop inanityかなり難しいですね。conflictは「対立する」「矛盾する」「相反する」など。ニュース自体が矛盾しているというよりは、世の中の状況が混乱していて、そういうニュースばかりが溢れている状況と考えました。また、non-stop insanityとありますが、insaneと感じるのは、読み手の主観であると考え、「腹の立つ投稿ばかりが並ぶ」としました)

Yesterday, I took my daughter to an open space so that she could get some air and sunshine and to run around a little. 

昨日、僕は、広い場所に娘を連れ出し、新鮮な空気を吸って日光浴をし、少し走り回ったりすることにしました。

(open spaceは、ちょっと悩みますね。「広い場所」「開けた場所」「広い空間」。「空間」と書いてしまうと、何かで仕切られている印象なので、やはり「場所」でしょうか。このあたり、具体的な場所が分かっている場合は、「広い公園に娘を連れ出し」などと書いた方が日本語として違和感がない気がします)

I inadvertently left my phone in the car but decided to just leave it rather than go back for it.  

その時、うっかりスマホを車に忘れてきたのですが、あえて取りに戻ることはしませんでした。

(inadvertently。不注意な。うかつな。これは「うっかり」がちょうどいいですね。文章の後半、翻訳の初心者さんだと、「戻るよりもむしろ、そのまま置いておくことに決めました」と訳してしまうかもしれませんね。「あえて」などの日本語をうまく使いたいところです)

Doing so left the anxiety behind me and allowed me to focus on my little girl playing in the sun.  

すると、不安な気持ちも一緒に置き去り、太陽の下、幼い娘との時間を満喫することができたんです。

(ここの部分、実はplayingを省略してしまったので、文芸翻訳だとおそらくチェックが入りますね。「太陽の下で遊んでいる幼い娘に集中することができた」というのが直訳です。ただ、「集中する」と書いてしまうと、何だか仕事のようなので、彼自身が楽しんでいたというニュアンスを伝えるため「満喫」という訳語を選び、playingのニュアンスを勝手に切り捨てちゃいました。プロの文芸翻訳者さんは、どう訳すのかなぁ)

It was a glorious day, clear blue skies, cool but not cold and a nice breeze. 

澄み渡る青空、涼しいけど寒くはなく、心地よいそよ風が吹いている素敵な日でした。

(glorious day。悩んで悩んで悩んだあげく、「素敵な日」にしか出てきませんでしたが、他に何かいい表現あるかなぁ…。「栄光ある」「輝かしい」「壮麗な」「愉快な」「素晴らしい」なんだか、どれも仰々しいんですよね)

It reminded me of something that I hadn’t thought in a while, that life is so beautiful – really being alive. 

随分長いこと忘れていたことに気づきました。ライフ・イズ・ソー・ビューティフル。生きているって素晴らしい。

(lifeって単語は、いつも悩みます。「人生」「生命」「生活」「暮らし」、訳し方でニュアンスがものすごく変わってしまうからです。"It's a Wonderful Life"という映画の邦題は『素晴らしき哉、人生!』ですが、そういえば、『ライフ・イズ・ビューティフル』(原題:La vita è bella、英題:Life Is Beautiful)という映画もあったなと思い、ここは、あえてカタカナにしました)

Our minds can become so clouded with fear and ugliness that it causes us to see the whole world as ugly.

恐怖や欲で僕たちの心は曇り、世界が醜い場所に見えてきます。

(uglinessがこれまた難しい。uglyの意味は「醜い」「見苦しい」「不快な」「卑劣な」「意地の悪い」など。ただ、uglinessという形で、アルクの英辞郎で検索したところ、ugliness of desire for gain(何かを得よう[手に入れよう]と欲する浅ましさ)など、「欲」と直結する形での例文が多かったので、かなり思い切って「欲」と訳しました。このあたりは、文芸翻訳ではチェックが入るんでしょうかねぇ)

The reality is that the world is pure, still beautiful and that life is amazing.

しかし、本当は、世界はピュアで、今も美しく、そして、人生は素晴らしい。

(日本語訳の中でカタカナを多用するのは好きではないんですが、あえて「ピュア」もカタカナにしました。「純粋」「高潔」「潔白」どれも、ちょっと違いますよね。「無垢」というのはありかなと思っています。それと、ここのlifeは、流れ的に「人生」と訳して問題ないかなと考えました)

Yes, it’s important to stay informed and “connected” but it’s also important to remember that we are alive!

確かに、最新情報を得て、「つながっている」ことは大事です。でも、それと同じくらい重要なのは、「今、生きている」という事実を意識することです。

(stay informedをどうするか少し悩みました。直訳するなら「情報を得ている状態を保つ」なので、あえて原文にはない「最新」という表現を使うことで、「保つ」という言葉を割愛しました。逆に、文章の後半では、あえて原文にはない「今」という表現を補足しています)

 I drove from my apartment in Chelsea up to Washington Heights (were I was born) along 8th ave and there was zero traffic. 

チェルシー地区のアパートから、ワシントンハイツ(僕が生まれた場所)まで、8番街を車で走ると、渋滞はゼロ。

(zero trafficをどう解釈し、どう訳すか悩みました。交通量やデータ通信のことをtrafficと言うこともありますが、渋滞のことをtrafficと言うこともあります。実際、本当に全然車がいなくて、映画『バニラスカイ』のような状況だったのだとは思いますが、それでも、実際は、他にも何台かの車は見かけたはずなので、ここでは原文のzeroを生かし「渋滞はゼロ」という表現を選びました)

No cabs, no pedestrians, everything frozen in amber.  

タクシーも、歩行者もいません。まるで、すべてが琥珀の中に閉じ込められたようでした。

(原文は隠喩ですが、読み手が受け取る印象を考えて直喩に変えました)

As a born New Yorker, I’ve never seen anything like it.

ニューヨーカーとして、生まれてこのかた、こんな光景を見たことはありません。

(「ニューヨーカーとして生まれ」と訳すと、繋がりが悪いので、少し表現を変えました)

Honestly, it was sombering and frightening.

正直、恐怖を感じました。

(soberingのスペルミスでしょうか。ここは訳しませんでした。soberingなら「驚き」という訳でいいかと思いますが、すでに「こんな光景を見たことはありません」などの表現で十分に「驚き」が伝わっているので、「驚きと恐怖を感じました」と訳す必要はないかなと)

I know that this pandemic has wreaked worldwide havoc but here in our world, the jazz world of New York City, it’s been devastating on many levels.

このパンデミックは世界中で混乱を引き起こしていますが、ニューヨークのジャズ界でも、あらゆるところに被害が及んでいます。

(many levelsをどうするか迷いました。日本語で「レベル」と書いてしまうと、上級、中級、初級のようなレベルをイメージしてしまうのではと思い、「あらゆるところ」という表現にしています)

The jazz scene of New York has been completely shut down.

ニューヨークのジャズシーンは、完全にシャットダウンされました。

(shut down。迷いつつも、ここもカタカナにしました。「封鎖されました」「閉鎖されました」。う~ん、カタカナかな。外国だし)← オイッ

Live Jazz music is not the kind of thing that “work from home” applies to.

ジャズの生演奏というのは、「テレワーク」が通用するようなものではありません。

(work from home。「在宅勤務」と訳すのが一般的でしたが、今、メディアで多用されているのは「テレワーク」という表現ですね)

Culture and jazz art are about human interaction.

文化とジャズアートは、人間の交流あってこそなのです。

(---- is aboutって、なかなか訳し方が難しいのですが、例えば、アルクの英辞郎にこんな例文があります。show someone what courage is all about(勇気がどんなものか(人)に示す)。このあたりのニュアンスを踏まえて、「○○あってこそ」と訳しました。う~ん、説明になってないかなぁ…)

People getting together to perform and receive. 

人々が集い、演奏して、それを享受する。

(receiveは、ちょっと迷いましたね。目的語がないと、ちょっと違和感があるので「それを」という表現を足しました)

In the case of the performers and venues, we’ve been shut down with very little guidance.

ミュージシャンも店も、ほとんど何の助言も得られない状態で、休業を余儀なくされました。

(venueというのは、催しを行う「会場」のことで、音楽雑誌などでは「ベニュー」や「ヴェニュー」と表記されることもあります。ここでは、ジャズクラブの話に限定して考えてよさそうなので「店」としました)

Rents are due and yet government funding has been depleted.

家賃の支払い期日がやってくるのに、政府の資金援助は、ほんのわずか。

(depleteは「使い尽くす」「枯渇させる」です。もう少し説明的に訳すこともできましたが、文章の勢いを重視して「ほんのわずか」と完結に訳しました)

It’s nearly impossible to generate income.

収入を作り出すことは、ほぼ不可能です。

The City of New York this has been particularly devastated, and everyone is suffering.

ニューヨーク市は、特に大きな打撃に受けていて、皆が苦しんでいます。

This being said, I want to site some generosity that I’ve seen in the last 30 days, gestures that have not just been financial ones but spiritual – an inspirational show of faith in our jazz culture.

しかし、この1か月の間に、素敵な善意の活動も目にしてきました。経済的支援だけではなく、精神的な意味でも、心を打つような支援が僕たちのジャズ・カルチャーに寄せられました。

(This being saidは、「そうは言っても」という感じですかね。引っかかりをなくすために、「しかし」という表現で軽く流しました。文芸翻訳の場合はたぶんNG。それと、文章自体が長いので、日本語訳は途中で文章を区切っています。原文が長い場合は、訳文も同等に長くなくてはいけないという意見と、読みやすさを重視して、適宜、文章を切ったりつなげたりしてもいいという両方の意見があります)

 I ‘d like to site Wynton Marsalis and the Louis Armstrong Foundation (click here for their website).  

ウィントン・マルサリスとルイ・アームストロング教育財団の話をしたいと思います(こちらがホームページのアドレスです)。

https://louisarmstrongfoundation.org

(原文に「教育」の文字はありませんが、英語の正式名称がLouis Armstrong Educational Foundationで、日本語の記事でも「ルイ・アームストロング教育財団」という表記が使われているので、ここは正式名称を用いました)

Under Wynton’s guidance, this foundation just began awarding $1000 to 1000 musicians who were specifically, professional jazz musicians who lived and worked in the New York City area.

ウィントンの指示の下、財団は、1,000ドル(約11万円)を、ニューヨーク市在住で、ニューヨークで演奏活動をしている1,000人のプロのジャズミュージシャンに給付し始めました。

(「ウントン」か「ウントン」か。本当に小さな違いですが、字幕や書籍の翻訳では本当に気を遣います。日本ツアー公式サイト、ユニバーサル・ミュージック、ディスクユニオン、ビルボード、書籍のタイトルなどすべてで、小さい「ィ」が使われていたので、それに倣いました。でも、実際の会話では、「ウィントン」ではなく「ウイントン」と発音している人が多い気がします)

The ball got rolling on this and awards started going out.

物事が動き出し、支援が届き始めたのです。

(この部分はかなり意訳になります。前半は比喩ですが、そのままだと伝わりにくいので、一般的な表現に。後半はawardを「賞」や「奨学金」と訳すと違和感があるので「支援」としました)

I’ve received feed back from the artists that were grateful for the recognition – that, yes, the award money was helpful, but also the fact that they were recognized for the work that they do.

アーティストたちは、このような形で価値を認めてもらえたことを喜んでいます。そう、支援金もありがたいけれど、何よりも、自分たちのやってきたことの価値を認めてもらえたという事実が嬉しいのだと。

(recognition、recognizeという表現は、単に「認める」というよりは、「価値を認める」「高く評価する」というニュアンスで使われるので、「価値を」という表現を補足して訳しています)

This is some love from Louis Armstrong himself – his foundation.

これは、ルイ・アームストロング本人(彼の財団)から届いた愛なのです。

(原文にはない表現ですが、fromのニュアンスを出すため「届いた」という表現を補足しました)

I’d also like to mention the gift from rock legend Billy Joel.

ロックのレジェンド、ビリー・ジョエルからの贈り物についてもお話ししましょう。

My long-time friend, Peter Watrous, who was the former jazz critic for the New York times is friends with Billy’s lawyer.

私の旧友であるピーター・ワトラウスは、ニューヨーク・タイムズ紙の元ジャズ評論家で、ビリーの弁護士の友人です。

(「ニューヨーク・タイムズ」か「ニューヨークタイムズ」か、まず表記を調べました。また、雑誌の場合は「○○誌」、新聞の場合は「○○紙」です)

They were discussing the havoc on the jazz scene and Smalls and Peter was told that Billy wanted to help out jazz musicians.

彼らはジャズシーンの苦境について話し合ったそうです。そして、ビリーから、スモールズとピーターに対し、ジャズミュージシャンを救済したいという申し出がありました。

(この部分は、前半と後半で主語が変わってしまうので、文章を切りました)

After writing a letter I found out the Billy was going to give The SmallsLIVE Foundation $25,000 to help the musicians and the clubs. 

手紙を書くと、ビリーは、ミュージシャンと店を救済するため、The SmallsLIVE Foundationに2万5,000ドル(約270万円)を用意していました。

(was going to giveなので、これは、支援を受け取る前の状態です。しかし、「渡すつもりでした」と訳してしまうと、「え? じゃあ、渡さなかったの?」と思わせてしまうので、「用意していました」という訳文をひねり出しました)

This too came as a shot-in-the-arm (no pun intended) that we needed – a serious morale booster.

これもまさに僕らが必要としていたカンフル剤となり、士気を高めてくれました。

(no pun intended。「ダジャレじゃないよ」と書かれていますが、日本語ではダジャレになっていないのでスルー)

The cats were delighted, of course, and Billy Joel proved himself to be a man of the people and a musician’s musician.

キャッツ(訳者注:ジャズミュージシャンを表すスラング)は感激し、ビリー・ジョエルは、まさにミュージシャンの中のミュージシャンであることを、身をもって示してくれました。

(「ミュージシャンのためのミュージシャン」と書いてしまうと、リスナーをないがしろにしている印象になってしまうので、「ミュージシャンの中のミュージシャン」としました。「ミュージシャンのミュージシャン」というのも考えましたが、それだと何だかピンときませんよね)

CLICK HERE FOR THE NEWSDAY ARTICLE

Newsdayの記事はこちらをクリック

https://www.newsday.com/entertainment/music/billy-joel/billy-joel-foundation-donation-smalls-live-1.43848577

 Please check out our website – www.smallslive.com, which is now the new site for the SmallsLIVE Foundation for Jazz Art & Education.

スモールズのホームページもご覧ください。SmallsLIVE Foundation for Jazz Art & Educationとして、新しく生まれ変わりました。

https://www.smallslive.com/

We’ve been working out the kinks on the site and if you had some issues earlier please try again.

サイト上の問題解決に尽力しているので、もし、過去に閲覧でトラブルがあった人は、もう一度見てみてください。

(原文にはありませんが、「閲覧で」という表現を補足しました)

Our current mission is to just try to keep the venues afloat for the next few months with the hope that we will be allowed to operate soon.

僕たちの現在の使命は、営業再開を願って、ここから数か月、店を存続させていくことです。

(afloat。経済的苦境について語る際、よく見かける表現です。沈みかけている船をなんとかして「浮かせておく」というニュアンスかと思います)

As Smalls and Mezzrow are both dependent on our tourists, it may be some time before we can get back to where we had been.

スモールズもメズロウも、観光客に依存している店なので、以前の状態を取り戻すには、まだしばらく時間がかかるでしょう。

My dream is to have our foundation pay the performance fees for the artists in the newly reborn clubs.

僕の夢は、新しく生まれ変わったクラブで、アーティストたちに、SmallsLIVE Foundationから出演料を支払えるようにすることです。

I hope to get the jazz musicians working again and the music back out to the people who love it.

ジャズミュージシャンが再び活動できるようになること、そして、ジャズを愛するみんなに再び音楽を届けられるようになることを願っています。

(people who love it。「それが好きな人々」と訳してはあまりに味気ないので、「ジャズを愛するみんな」としました)

Sincere Regards,

心を込めて

(日本語のお手紙だと、この部分に書くのは「敬具」など表現ですね。Best RegardsやSincerelyというのはよく見かけますが、Sincere Regardsというのは初めて見ました。悩んだ末「心を込めて」と訳しました)

Spike

スパイク

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翻訳解説、楽しんでいただけましたか? 面白い!!と思った方、翻訳に向いているかもしれません。実際に、翻訳の勉強中で、なかなかトライアルに受からなくて…と悩んでいる方は、トライアルに提出した自分の訳文に対して、こうやって赤ペンでひとりツッコミを入れてみると、改善方法が見つかるかもしれません。実際、私もこのブログを書きながら、かなり訳文を修正しました。

納期より1日から半日前には訳文を完成させて、一旦、寝かせて、そのあとこういったツッコミ作業をすることで、訳文は格段に良くなります。翻訳者さん、翻訳者の卵さん、頑張りましょうね!

(追記:訳す時は、とにかく辞書をよく引きます。特に訳語を迷う時は、何冊もの英和辞典書を引き、英英辞典も引き、その後、候補として出てきた日本語をもとに、さらに類語辞典で他の候補の日本語を探し出し、その中で一番しっくりくる言葉を選びます。さんざん辞書を引いたあとで、まったく関係ない小説や新聞記事を読んでいる時に、「あっ、これだ!」という単語に出会うこともあります。言葉って本当に魅力的だなぁ)


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