皆さま、こんにちは。ねこです。
先日、楽しみにしていた映画を見てきました。
辞書を作る仕事を描いた『舟を編む』という作品です。
http://fune-amu.com/(公式サイト)
なぜ、辞書を作る物語のタイトルが
『舟を編む』となるかと言うと、
言葉の大海原を航海するための“舟=辞書”を
“編集する=編む”という意味なのだとか。
十数年かけて1冊の辞書を作り上げると
いう過程を見ていくなかで、
辞書作りという作業は、
“今”を“未来”に伝える作業なのではないかと感じました。
言葉は常に変わり続けています。
例えば、室町時代の人が現代の新聞や書物を読んだら、
日本語とは思わないかもしれません。
そんな、変わり続ける言葉の“今”をつかまえるのが
辞書作りなのではないでしょうか。
“過去と未来では違うかもしれないけれど、
今、この時点での日本人の言葉の使い方の
平均的なところを取ると、こういう定義になります”
というのを示してくれるのが
辞書の役割なのかもしれません。
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映画のあと、日本語について、いろいろ考えていると、
テレビで某社の社長が発言していました。
「イノベーションとアントレプレナーシップが
日本のドライビングエンジンなんです」
これ、日本語として、どうなんですかねぇ…。(^^;
もちろん、国際化という社会の流れの中で、
カタカナ語が反乱していくのは、
ある意味、自然な流れとは言えるでしょう。
だから、頭ごなしに否定することはできません。
最近のビジネス書を多読している
ビジネスマンたちにとっては、
非常に共感の持てる発言なのかもしれません。
しかし、いわゆる世の中の日本人全般を対象にするなら、
もう少し、わかりやすい表現もできそうな気もします。
ねこなら、こう“訳します”。
「経営や技術の革新、起業家精神が
これからの日本を動かしていくのです」
driving (形容詞) 駆動する
engine (名詞) 原動力
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とはいえ、カタカナ語を使って訳さないと
おかしなことになってしまう例もあります。
“書類とじの取り込み”会話箱で “実行” をカチリと鳴らし、
“利用者口座制御”会話箱で“続行” をカチリと鳴らします。
まあ、今どき、コンピューター関係の取扱説明書が
こんな風に訳されることはないと思いますが(笑)、
これを見れば、カタカナ語を使うことの重要性もわかりますよね。
ちなみに、正しい説明はこんな感じです。
“ファイルのダウンロード”ダイアログボックスで “実行” をクリックし、
“ユーザーアカウント制御”ダイアログボックスで“続行” をクリックします。
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"V"の入った英単語をどう表記するかも、
なかなか悩ましい問題ですね。
一応、現時点では、NHKや新聞各紙では、「ヴ」は用いずに、
「バ」「ビ」「ブ」「ベ」「ボ」を使うのが標準のようです。
○バージョン
×ヴァージョン
○バイオリン
×ヴァイオリン
○バリュー
×ヴァリュー
○ビデオ
×ヴィデオ
○ベンチャー
×ヴェンチャー
○ライブ
×ライヴ
たしかに「ヴ」を使ったほうが、
正しい発音に近いものを表すことができるんですけどね。
でも、ねこは、ふと思いました。
日本語には"F"を表す文字が存在しないんだなぁ…と。
今、一般的に、「藤井さん」「藤田さん」「富士山」などは
"Fujii" "Fujita" "Mt. Fuji"というローマ字で表記されますよね。
でも、実際に発音する時には、下唇を噛んだりはしません。
つまり、本当は"Hujii" "Hujita" "Mt. Huji"のほうが
正しいのかもしれませんが、
そう表記してしまうと、英語ネイティブの人たちは、
「ヒュジイ」「ヒュジタ」「ヒュジ」と読んでしまうのかもしれません。
一番近い綴りは、"Hjii" "Hjita" "Mt. Hji"になるのかしら???
逆に、"fashion" "fan" "face"などは、
「ファッション」「ファン」「フェイス」と書きますが、
この綴りでは、「ヴ」のように、下唇を噛むニュアンスは表現できません。
まあ、それを言ったら、「R」と「L」のどちらも、「ラ」「リ」「ル」「レ」「ロ」。
結局、ある国の言葉を別の国の文字を使って
正しく表記しようということ自体に無理があるのかもしれません。
というわけで、新聞各紙は、
“無理して「ヴ」を使うのはやめましょう”
という結論に至ったのでしょうかねぇ…。
・・・・・
言葉について考え出すと、本当にキリがありません。
まだまだ書きたいことは、山ほどありますが、
今日のところは、このへんで。(^^)/