常時2~3件の翻訳が同時進行している状態で、
なかなかブログをアップできません。
うれしい悲鳴です。
そして、気づけば、アクセス数8万件突破!!\(^o^)/
1日あたり200人前後が
読んでくださっているようなので、
頑張って書いていきたいと思います。
引き続き、応援よろしくお願いします。
さて、今日は翻訳のお話。
ここのところ、皆さんの目にふれる機会のある
案件が続いていたので、その内容と一緒に、
作業の進め方もご紹介したいと思います。
(※今回のブログは、やや翻訳者さん向けの内容になります)
まずは、今週末から公開されるこちらの映画。
『ルーシーズ』(日本語吹替版)
監督: マイケル・コッレンテ
出演者: ピーター・ファシネリ ジェイミー・アレクサンダー マイケル・マドセン
吹替版: 永井大 川越サキ 一馬芳和
脚本: ピーター・ファシネリ
http://www.ttcg.jp/human_shibuya/comingsoon#f2349
字幕ではなく、吹替えの翻訳を担当させていただきました。
他の案件も動いていて、
スケジュールが厳しかったので、
もう1人の翻訳者さんと前後半に分けて作業。
約90分の作品の後半をねこが訳しています。
ちなみに、この案件の作業開始から
納品までの期間は約2週間。
スケジュールが完全にフリーで、
吹替えではなく字幕だったら、
丸ごと引き受けられる分量ですが、
吹替え翻訳に慣れていないことと、
他の案件もあったことで、
半分だけ担当させていただきました。
1つの作品を手分けして訳す形で
発注が来るかどうかは、
翻訳エージェントによってまちまちです。
何人かで訳す場合は、納期よりも早めに仕上げ、
一旦、翻訳者同士で原稿を交換し、
統一が必要なところなどを相談します。
もう1つ、最近手がけた大きな案件がこちら。
な、なんと、マライア・キャリーの新譜の
歌詞対訳です!!
もう、気絶しそう!!
こちらは、作業開始から納品までが
わずか2日!
そのうちの1日は、丸一日レッスンがあったので、
実質的に作業ができたのは、わずか1日。
こちらも、もう1人の翻訳者さんと
手分けして訳しました。
ねこが担当したのは、
1、2、3、5、6、8、9曲目の計7曲です。
歌詞を訳す場合は、
英語歌詞がエージェントからメールで送られてきます。
曲もCDやMP3ファイルで送られてきます。
絶対に流出させてはいけないデータなので、
歌詞も音源も、かなり慎重に取り扱わなくてはいけません。
作業の進め方は、人によっていろいろだと思いますが、
ねこは、文字の翻訳の場合、
英文1センテンスごとに、次の行に日本語訳を書くという形で
まずは、英語と日本語のシマシマ状態の対訳ファイルを作ります。
解釈に不安があるところ、調査が必要なところは、
文字を赤にしておきます。
この段階では、とにかく誤訳や訳抜けがないかを
綿密にチェックしていきます。
納得がいくものができたら、印刷します。
次に、PC上で英文を1つ1つせっせと消します。
この消す作業をする際にも、見直しをしています。
そして、日本語だけになった状態で全体を読んでいくと、
言葉のリズムや流れの悪いところなどが気になってくるので、
対訳を印刷したものを眺めながら、
微調整をしていきます。
ちなみに、歌詞対訳をしている時は、
訳している曲のMP3をエンドレス再生しています。
歌い手がどういう気持ちで
この言葉を発しているのか、
そこに気持ちをシンクロさせていくと
なんとなく言葉が降ってきたりもします。
(降ってこない時もありますが…)(^^;
さて、今、もう1つ、
メジャーな案件を手がけています。^^
映画『X-MEN:フューチャー&パスト』の
プレミア映像の字幕です。
映画本編ではなく、
20世紀FOXの公式YouTubeにアップされている
世界各国でのプレミアイベントの
ハイライトをまとめた短い映像です。
こちらは1分半程度の短い映像ですが、
翻訳スケジュールはかなりタイトです。
夜の8時から11時ぐらいに映像が届き、
翌日の午前中に納品という感じ。
映像と一緒に、スクリプト(英文)ファイルが
送られてくる案件もありますが、
こちらの案件は、スクリプトはありません。
自分の耳で頑張って聞きます。
(聞き取れない場合は、ネイティブに
相談することもあります)
この案件の場合、まずは15分から20分程度で、
字幕を入れる位置を決める作業(スポッティング)を行います。
そして、英語を書き起こしていきます。
書き起こしにかかる時間は、
内容によってまちまちですが、
この案件は、30分くらいでしょうか。
(まったく覚えてない)(^^;
そして、サクサクと字幕をつけていきます。
いい言葉が思い浮かばないときは、
とりあえず直訳を書いておくこともあります。
ここまで終わったら、寝ちゃいます。
翌日、ウォーキングに出かけ、
朝食を食べ、掃除をし、英語音読を済ませたら
字幕の見直しをします。
そうすると、「おっ! やっぱりこうしよう!」
という感じで、違う字幕を思いつくので、
どんどん書き換えていきます。
ひととおり完成したら、
エクセルにエクスポートして眺めます。
そうすると、違和感のある表現や
タイプミスなどに気づくことがあります。
そして、「ひ~、危なかった」と思いながら、
またPC上で修正し、全体を通して見てみます。
そして、ようやく納品です。
何やら大変な作業のようですが、
かかる時間はトータルで2~3時間程度(かな?)。
字幕を訳す場合の時間の見積もりとして、
スポッティングから納品まで、
映像1分あたり1時間というのを
目標にして作業をしています。
例えば、5分の映像なら5時間、
30分番組(正味26分程度)なら26時間なので、
1日あたり約8時間の作業を3日やって、
半日ほど空けてリライト作業という感じ。
複数案件を同時進行する時は、
午前中はこっちの案件の字幕番号50まで、
午後はこっちの案件の字幕番号125まで
というふうに、スケジュールを決めて進めます。
で、そのとおりに進むのかというと、
まあ、ほんと、いろいろです。
予想以上に調べ物に時間がかかる時もあれば、
サクサクと作業が進んで、
お昼寝がたっぷりできちゃう日もあります。
まあ、でも、ある程度の時間の見積もりができることは
別案件を同時受注できるかどうかの
判断をするにあたって、とても重要ですね。
さて、ここのところ、いろいろと
面白い案件を担当させていただいていますが、
今後、訳したいものがいくつかあります。
・料理番組の字幕(昔、訳してたけど、またやりたいなぁ…)
・心温まる劇場公開映画の字幕(怖いやつはダメっす)
・ジャズ関連のインタビューや物語の字幕
(マイルスの映画、訳したいぞ!)
・絵本翻訳(昔、賞を取ったのに出版に至らなかったのです)
こういうのって、どんどん言葉にして発信していくと
夢が叶いやすくなるらしいので、
日頃から、言い続けてみることにしましょ。^^
では、仕事に戻ります。
今夜も、プレミア映像が届く予定。
楽しみ、楽しみ。^^