NHKのスーパープレゼンテーションで、
キューバ=フロリダ間の遠泳に成功した
64歳の女性のプレゼンを見ました。
こちらです。
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/backnumber/140507.html
これ見たら、本当に勇気が湧いてきます。
やりたいことは、何でもやっちゃいましょう!
さて、今日の話題は、"let"を使った表現について。
"let"には、いろいろな意味がありますが、
「~をさせる」のニュアンスで使う場面を
よく見かけるように思います。
例えば、英語を学んでいない人でも
よく聞いたことのある"Let's go"。
元の形は"Let us go(私たちを行かせよう)"で、
それを省略したものが、"Let's go"というわけです。
「ちょっと見せて」というカジュアルな表現で、
"Let me see"というものがあります。
これは、「私に見ることをさせて」というニュアンスです。
、
"let"を使った表現は、
歌のタイトルや歌詞にも、よく登場します。
例えば、ビートルズの"Let It Be"。
"be"というのは、いわゆるBE動詞で、
"am" "are" "is"などの原形です。
"I am happy." "It is hot."などのように
人や物の状態を表します。
ビートルズの歌の場合、簡単に言ってしまえば、
「それをそのままにしておきなさい」という意味になります。
もう一歩踏み込むなら、
「目の前の出来事を変えようともがいたりせず、
あるがままを受け入れればいいのですよ」
というニュアンスになります。
次は季節外れの曲になりますが、
クリスマスソングの"Let It Snow"。
この"snow"は「雪」ではなく
「雪が降る」という動詞で使われています。
つまり、"Let it snow"というのは、
「雪が降る状態にさせておけ」というニュアンス。
簡単に言ってしまえば、
「雪よ降れ、雪よ降れ、雪よ降れ」というのが
サビの部分の歌詞なんですね。
そして、今、話題の『アナと雪の女王』の"Let It Go"。
英語本来のニュアンスとしては、
「それをそのまま行かせてやりなさい」となり、
通常の訳例としては、「あきらめろ」「放っておけ」
「それを手放しなさい」「気にするな」
「さっさと忘れちゃいな」という感じになります。
この曲の歌詞としては、
「もう押さえきれないのだから、解き放ってしまえ」
というニュアンスのようですね。
そして、絶妙なのが松たか子さんの歌う
日本語版の歌詞です。
タイトルは「ありのままで」、
曲中の歌詞は、「ありの~、ままの~」となっています。
ねこが翻訳を学んだ学校が、アルクのサイトに、
この吹き替えについての記事を出しているので
よかったら、こちらもご覧ください。
http://www.alc.co.jp/eng/hontsu/tips/kaleido.html
「解き放て」と「ありのままで」では、
随分ニュアンスが違うのでは?と思う人も
いるかもしれませんね。
でも、ストーリーや歌詞を見ていくと、
「もう我慢して、いい子でいる必要なんてないから、
ありのままの自分を出して、力を解き放ってしまえ」
という流れになっているため、
「ありのままで」というタイトルと
「ありのままの」という歌詞は、
音や口の動きまで考慮した場合、
絶妙な訳と言えるわけです。
その絶妙な日本語吹替版がこちらです。
64歳のスイマーから勇気をもらったり、
ディズニーの歌詞から元気をもらったり。
立て続けにこういう映像に出会うと、
なんだかエネルギーが湧いてきますね。^^
<TOEIC用のおまけ>
今回取り上げた"let"は「使役動詞」です。
TOEICのパート5に、よく登場します。
"let"を使う時の単語の並べ方は、
"let +人または物+動詞"です。
"to"が必要だっけ?と迷ったら、
"Let It Be" Let It Snow" "Let It Go"を思い出してください。
"to"は使われていませんよね。
"let" "have" "make"のあとに「人や物」が来たら
"to"はつけずに「動詞」、
"get"のあとに「人や物」が来たら
「to不定詞」と覚えておきましょう。