2015年10月21日水曜日

貴重すぎるキューバ映画

皆さま、こんにちは。ねこです。
先ほど、キューバのミュージシャンの
ドキュメンタリー映画を見てきました。
『Cu-Bop』という映画です。
http://kamita.ciao.jp/introduction/

上映中のアップリンクの公式サイトにある解説には
こんな文章が書かれています。
http://www.uplink.co.jp/movie/2015/37758

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映画『Cu-Bop』は、困難に直面しながらも、それをものともせずに、自分の音楽を演奏し続けるキューバのミュージシャンたちを記録したドキュメンタリー作品だ。キューバに残り音楽活動を続ける者、ジャズの本場であるアメリカ合衆国に移住する者…。その両者の元へ、監督自らカメラを持って自宅に泊まり込み、寝食を共にしながら『音楽が生まれる瞬間』を記録する取材方式によってこの映画は撮影された。ハバナの片隅の古びた住宅地、ニューヨーク・ハーレムのディープなラテン人居住区、カメラは驚く程近距離でミュージシャンたちを記録し、生活と共にある本物のキューバ音楽を活き活きと描き出してゆく。

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いわゆる普通の「映画」とは
まったく違うスタイルの作品で、
正直、今もどう消化すべきか
少し戸惑っている状態です。
その戸惑いを整理すべく、
記事にしてみたいと思います。

まずは忘れないうちに、
気に入ったシーンについて。
この映画の監督は、
本業がフォトグラファーということもあり、
いわゆる「絵のように美しい(picturesque)」
場面が随所に散りばめられていました。

例えば、絵の具の画材がアップで映るところ。
水槽の金魚がアップで映るところ。
真っ赤な車が道を曲がってくるところと
その次のシーンのバイクの映像なんて、
そのまま切り取って壁に飾りたいほどです。

また、バンドが練習している横で、
おばちゃんが何度も何度も
洗濯機を開け閉めしているシーンも
何だか妙にリアリティーがあるというか
逆にシュールというか(笑)。
まさに生活の一部として
音楽が存在している様を
見せてもらったという気がします。

会話はそれほど出てきません。
スクリーンに映し出されるのは、
キューバの日常、そこで演奏される音楽、
そして、ニューヨークの
ハーレムで演奏される音楽。

演奏はあまりカットされていないので、
『音楽が生まれる瞬間』に
自分が実際に立ち会っているような
錯覚すら感じます。

ただ、気になるのはそこです。
音楽のシーンが本当に長い!
いわゆる一般の人が、この映画を
どの程度楽しめるんだろうか
というところが気になるのです。

余計な説明もなく、音楽の前に
ポンと放り出される感覚。
観客は、目の前で繰り広げられる
ものすごい演奏を
ただ受け止めることになります。

エンターテインメントではなく
ドキュメンタリーであり、
そして、アートでもあるので、
おそらく、この映画は
このままでいいのだと思います。

でも、もう少し見やすく
もう少し分かりやすく作ったら
もっとたくさんの人に
見てもらえそうな気がして…。
(こういう感覚って低俗なのかなぁ)

また、字幕の出るタイミングや
表示手法も気になりました。
人が話し終えた後にも
字幕がしばらく表示されていたり、
話しているのに、
字幕が出ていなかったり。
バンドのメンバー紹介のところも
字幕をつけてほしかった気がします。

いずれにしても、この映像は、
今後、キューバが変わっていけばいくほど
さらに貴重なものになるかと思います。
もっと世界的に取り上げられるべき
作品だと思います。

映画ファンの皆さま、音楽ファンの皆さま、
まずは、ぜひ、作品をご覧になってください。
渋谷アップリンクで10月30日まで上映中です。
そして、どう思ったか感想を聞かせてください。

映画関係者の皆さま、
この作品の高橋監督をご紹介できますので、
映画祭やイベントなどでの上映を
ご検討いただけるようでしたら
ぜひ、Office NEKOまでご連絡ください。
https://www.facebook.com/officeneko
よろしくお願いいたします♪