2013年8月6日火曜日

翻訳のあれこれ

皆さま、こんにちは。ねこです。
今日から、なんと10連休!
旅の予定は入れていないので、
この10日間は専業翻訳者生活です。

というわけで、今日は翻訳の仕事について、
いろいろ書いてみようと思います。
まず、どうやって、翻訳者になったかというお話。

最初はOLをしながら、バベルの通信講座で、
翻訳の基礎を学びました。
http://www.babel.co.jp/

そして、イベント事務局の仕事を得て、
簡単なメール翻訳などから始め、
その後、通信会社の社内翻訳者になりました。

数年後、もう一歩ステップアップするため、
今度は映像翻訳の学校に通いました。
日本映像翻訳アカデミーです。
http://www.jvtacademy.com/

週1回、会社のあとに
2時間ほどの講義を受ける生活を1年。
運良く“トライアル”といわれる
採用試験みたいなものに合格し、
そこから、映像翻訳人生が始まりました。

まあ、こう端折って書いてしまうと、
とっても簡単そうに聞こえますが、
実際はかなり山あり谷ありなので、
翻訳者を目指したい人は、
よぉ~~く考えてから決めてくださいね。(^^;

さて、では、どんなものを訳しているかについて。
最近よく訳しているのは、テレビ関係の字幕です。

今、レギュラーで訳しているのが、
BSフジのF1情報番組「The Inside Line」。
http://www.bsfuji.tv/top/pub/insideline.html

これは、放送時間帯が固定されていなくて、
大抵は週末のどこかのタイミングで
30分間放送されるのですが、
映像の受け取りから納期までが短いので、
5人の翻訳者で手分けして訳しています。

エンタメ系情報番組の
映画紹介コーナーで放送されるような
映画監督や俳優のインタビューに
字幕をつけることもあります。

映画製作に携わる人たちが、
「あのシーンを撮った時、実はこんなことがあったんだ」
なんて話をするのを訳していると、
映画本編を見る楽しみも増えます。^^

ミュージシャンのインタビューなどを交えた
ドキュメンタリー系ミュージックDVDなども
時々、手がけます。

他に音楽系では、CDの歌詞対訳や、
ライナーノーツの翻訳をすることもあります。
歌詞は独特の世界観があるので、
なかなか難しいところもありますが、
歌声を聞きながら、
「この人が日本語を話したら、どんな言葉を使うだろう」
と想像して言葉を紡いでいくのは、面白い作業です。

時々、演劇やアニメの脚本を訳したりもします。
これは、あくまでも資料としての翻訳で、
脚注などをつけながら、
できるだけわかりやすく情報を提供し、
それを基に、脚本家さんがセリフを作っていきます。

あとは企業の宣伝用ビデオや、
社員向けビデオに字幕をつけることもあります。

最近はやらなくなったけれど、
以前やっていて面白かったのは、
エアロビ番組のボイスオーバー字幕の翻訳。
これは、声優さんが読む原稿を作る作業なので、
実際に、手足を動かしたりしながら、
どのタイミングでどう指示を出すと、
視聴者が動きやすいかなどを考えて訳しました。
「オーケー、ワン、ツー」などと、
実際に声を出しながら、訳してましたねぇ。
夏場は一応、網戸は閉めて作業しました(笑)。

そうそう、Huluの海外ドラマの翻訳もやりました。
日常会話の口語表現というのは、
ある意味、一番、難しいですね。
「The Office」「It's Always Sunny In Philadelphia」などの
コメディーを担当したのですが、
とにかくネイティブの友人に相談しまくりでした。
ほんと、海外ドラマから学ぶことは山のようにあります!

そして、今、やっている仕事について。
ついに、念願のイタリア語翻訳の仕事をゲットしました!!
と言っても、イタリア語は初級レベルなので、
実際は、英語に翻訳されたスクリプトと
英語字幕のついた映像を使いながら、
作業をしています。

かなり古いイタリア映画のDVDに添えられる特典映像で、
有名な映画監督のインタビューです。
時折、本編が細切れに挿入されていて、
各シーンについて、監督が当時を振り返りながら、
その時の出来事や思いを語っています。

この“英語を介して訳す”というのが、
実はなかなかやっかいな作業で、
よくよくじっくりとイタリア語を聞くと、
「オイオイ、そうは言ってないだろう!」
という部分も出てきます。
すっぽり英語訳が抜けている部分もあります。

幸いイタリア語というのは、
綴りがローマ字に似ていて、
聞いたまま書き取って辞書を引いてみると、
けっこうな確率で単語が見つかるので、
それを手がかりに、どうにかこうにか
監督が伝えようとしていることを推測します。

あちこちから大量に資料も取り寄せました。
書籍やインターネットで事実確認をすると、
かなり誤訳を防ぐことができます。

というわけで、ついつい、翻訳について
長々と語ってしまいましたが、
そろそろ、そのイタリア語翻訳に戻るとしましょう。

ただいま午後7時半。
字幕翻訳、夜の部のスタートです♪