皆さま、こんにちは。ねこです。
この1週間ほど、外国人の友人が
泊まりに来ていたため、
ブログをお休みしておりました。
文化の違いについてハッとしたことや
ネットを使って遠隔ガイドを
する方法などについて
あらためて記事を書きたいと思っています。
とりあえず今日は「土用」のお話。
昨日は「土用の丑の日」だったので、
Facebook上にも、
うなぎの写真がちらほら。
でも、そもそも金曜なのに
「土用」とは何なのさ?ということで
土用について調査してみました。
まず「土用」というのは、
四立(立春、立夏、立秋、立冬)の前、
約18日間のことを言います。
これは万物は木・火・土・金・水の
5つの要素から成り立つという
「陰陽五行説」に基づくもので、
春・夏・秋・冬をそれぞれ木・火・金・水として
土を各季節の最後に割り当て
「土用」と呼んだのが始まりのようです。
2015年の土用は、以下のとおりです。
冬土用:1月17日~2月3日 (太陽黄径297度)
春土用:4月17日~5月5日 (太陽黄径27度)
夏土用:7月20日~8月7日 (太陽黄径117度)
秋土用:10月21日~11月7日 (太陽黄径207度)
最初の日を「土用入り」最後の日を「土用明け」といいます。
入りの日によっては、18日間でない場合もあります。
「丑の日」というのは、12日に1回巡ってきます。
2015年の7月と8月で言うと、
7/12、7/24、8/5、8/17、8/29が丑の日です。
これは、昔、時間にも日付にも、
十二支が使われていた名残です。
「丑三つ時【うしみつどき】」などという言葉も
昔の時間の数え方の名残です。
(※23時から1時が子の刻。1時から3時が丑の刻で、
それをさらに4等分した3つめが丑三つ時なので
午前2時すぎのことになります)
ちょっと話が脱線しましたが、
夏の土用は暑さが一番厳しい時期なので
この土用の約18日間の丑の日に
柿の葉などの薬草を入れたお風呂に入ったり(丑湯)、
お灸をすえたり(土用灸)すると
夏バテや病気回復などに効き目があると
言われていたようです。
ちなみに、うなぎを食べるという風習、
仕掛け人は江戸時代の発明家、
平賀源内さんなのだとか。
知り合いのうなぎ屋さんが
夏はうなぎが売れなくて困っていたので
土用の丑の日に
「う」のつく食べ物を食べるといい
という昔からの風習を利用し
「土用丑の日、うなぎの日」と
貼り紙をしてみたところ、それが大当たり。
江戸時代のマーケティング術が
現在まで影響しているなんて
本当にびっくりですね。
ちなみに、土用の期間の
正しい過ごし方としては、
以下のようなことが挙げられています。
・梅干しの天日干し
・衣類や書物の虫干し
・薬草を入れたお風呂に入る
・「う」のつく食べ物を食べる(梅干し、うなぎなど)
・暑中見舞いを出す
ところで、2015年の夏土用には
丑の日が2回あります。
次回は8月5日。
うなぎ屋さんは大喜びですね。
ちなみに、土用の丑の日を
英語で"Midsummer Day of the Ox"と
訳してあるサイトなどもありますが、
この表現では、「Oxって何なの?」と
さらに尋ねられてしまうかと思います。
実際に外国人に説明するとしたら、
「日本では、昔からの風習で、
夏の暑い時期の特定の日に
健康を祈ってうなぎを食べる」
というシンプルな表現にとどめておいた方が
無難かもしれませんね。
<参考>
完全に同じ期間ではありませんが、
北半球では、おおいぬ座のシリウス(Dog Star)が、
7月上旬から8月中旬にかけて、
日の出と共に現れ、日没ごろに沈むので、
この暑い時期を"dog days"と呼ぶようです。
そのため、土用の丑の日の説明に、
この"dog days"という表現を使っているサイトも
見かけました。