2015年5月15日金曜日

体当たりせよ!

皆さま、こんにちは。ねこです。
先日、とても心に響く場面に出会いました。
日本人のJちゃんを、
アメリカ人のAちゃんに
会わせた時の話です。

英語はそれほど得意ではないJちゃん。
でも、“コミュニケーションを楽しみたい”
という気持ちが人一倍大きい人なので、
とにかく伝えたいことは、
自分の言葉で一生懸命伝えます。

そして、彼女のシンプルな表現は
本当によく相手に伝わるのです。
どんな単語を伝えば伝わるのか、
その選び方がとても上手なのだと思います。

また、Aちゃんがちょっと咳をした瞬間、
Jちゃんは、ためらうことなく、
スッとAちゃんの背中に手を置きました。
Aちゃんは、Jちゃんの目を見てニッコリ。
これぞ、言葉を越えた
最高のコミュニケーションです!

さまざま言語を話す人が、
混在して暮らしているニューヨークでは、
“とにかく伝われば何でもいい”
という感覚が当たり前です。
言葉だろうがジェスチャーだろうが、
とにかく意思疎通ができれば、
何だっていいのです。
言葉はただの道具にすぎません。

ところが、日本では、
“学問としての英語”というイメージが
どうしてもぬぐいきれません。
そのため、おかしな英語を話すのは
“カッコ悪い”という思いが
つきまとうのです。
それは本当に本当にもったいないことです。

自分も人間、目の前にいる外国人も人間。
“お互いに理解する気があれば
なんか通じるんじゃないの”
という、いい意味での大雑把さが大切です。

ねこの両親は、まったく英語が話せません。
でも、毎回、ねこが外国人の友人を
家に連れてくるたびに、
すごく楽しそうに話(?)をしています。
お互いに限られた単語を持ち寄って、
いろいろ想像力も働かせながら、
「おおっ、通じたぞ!」という感覚を
心から楽しんでいるようです。
本当に微笑ましい光景です。

父がエステルという友人に、
こんなふうに話しかけます。
「エステル」「ハウス」「オフィス」「タイム?」
(机の上の2点を指さし、次に胸の前で
両手の距離を少し離して、首をかしげます)
こうやって単語を並べるだけで、
"How long does it take to get to your office from your house?"
(家から職場まではどのくらい時間がかかるの?)
というニュアンスを伝えることだってできるのです。
いやはや、お見事!(笑)

極端な話、英単語じゃなくてもいいんです。
テーブルに料理を出し、母が言います。
「エステル、おいしいよ。食べて」
英語じゃなくても、十分伝わりますよね。

声だろうと、身ぶりだろうと、
とにかく伝えるために何か表現してみる。
これが基本です。
お互いが必死になれば、
多少勘違いがあろうが何かは伝わります。

相手が英語圏の人だからって、
英語以外は口にしちゃいけないなんて
思う必要はありません。
驚いたり感激したりしたなら、
「え~、ホント!?」「わ~、すごいよ!!」と
日本語で言えば
その声色と表情で必ず伝わります。
コミュニケーションは非言語8割、
言語2割とも言われています。
それを知るだけでも、
かなり気持ちがラクになりますよね。

まずは、何でもいいから
勇気を出して表現してみること。
さらには、単語をいっぱい覚えておけば、
かなり広範な内容を伝えることが
できることでしょう。

では、なぜ文法や発音を
学ぶ必要があるのでしょうか。
それは、メッセージを
より正確に伝えるためです。
例えば、こんな事例を想像してください。

あなたは日本企業で働いています。
そして、今、アメリカのA社とB社の
どちらと取り引きをするか迷っています。
提示してきた取り引き条件は、
どちらもほぼ同じ。
どちらの担当者も非常に感じがいいのですが、
A社の担当者は流暢な日本語を話し、
B社の担当者はカタコトです。

この場合、やはり言葉によるトラブルが
起きることを恐れて、あなたは
A社のほうを選ぶのではないでしょうか。

日本人のビジネスマンの英語についても
同じことが言えるかと思います。
正確な英語を話し、正確な英語を書けることは
信用につながるのです。
(英語だけが重要なわけではありませんが
前提条件としてという意味です)

また、日本企業で採用を担当する
韓国人女性から聞いた話ですが、
新卒採用の際、TOEICで足切りするのは、
実は英語力を求めているのではなく、
その人の勤勉さや世の中を見る力を
評価しているのだそうです。

「これだけ日本企業が
TOEIC、TOEICと騒いでいるんだから、
そういう世の中の動きを察知して、
学生のうちにハイスコアを取るのは常識。
それができないような人材は、
雇ったところでいい仕事はできないわ」
だそうで…。
(ひぃ、キビシー!!)

そんなわけで、ひとくちに“英語”と言っても、
ビジネスの世界で評価されるための英語と、
コミュニケーションのための英語は、
別物と考えた方がいいのかなぁ…
という気持ちがしなくもありません。

まあ、とはいえ、ビジネスの場面でも、
結局のところ、人の心を動かすことが
成功につながるわけだから、
“英語力”だけではなく
“コミュニケーション能力”を伸ばすことが
絶対に重要ではあると思うんですけどね。

ところで、ねこが英語の世界に
ここまでのめり込んだのには
大きなきっかけがありました。

中学3年の時のホームステイです。
3週間の滞在中、カタコトの英語で
ホストファミリーと一生懸命会話をし、
そして帰国。

成田空港から自宅に向かう車で
滞在中の思い出を両親に話しながら、
日本語で伝えられることの多さと
英語で伝えられることの少なさのギャップに
愕然としたのです。

「日本語で話せるのと同じだけのことを
英語でも話せるようにしたい」
ねこの英語へのエネルギーは
この思いなんだと思います。

そして、そのホームステイから16年後、
当時のホストファミリーを訪ね、
普通に会話ができた時は
本当に感激しました!



さて、皆さんの英語へのエネルギーは
どこから生まれていますか。

“TOEICでハイスコアを取って昇進したい”
“旅先でコミュニケーションを楽しみたい”
“レッスンで先生に褒められたい”
どれも、ステキな動機(motivation)だと思います。

そして、その目的に合った努力方法を
模索してみてくださいね。
このブログをとおして、
ねこは皆さんの夢を応援しています!