皆さま、こんにちは。ねこです。
「ギリシャがデフォルトの危機」
というニュースが世間を騒がせていますが、
今日はこの「デフォルト」という言葉について、
じっくり考察してみたいと思います。
この「デフォルト」という言葉、
コンピューターの設定などでも
聞いたことはないですか?
「Wordのデフォルトのフォントは、
MS明朝の10.5pt」
「インクの節約のために、
プリンターのデフォルト設定を
グレースケールにする」
それなのに、なぜか「債務不履行」も
「デフォルト」だなんて、
いまいちピンときませんよね。
音の似た別の単語なのでは?
と思う人もいるかもしれませんが、
これは実は同一の単語です。
英語の綴りは、"default"
発音は【ディフォーッ】に近い音です。
「ランダムハウス英和」の名詞の定義を
少し抜粋してみましょう。
(※defaultは、名詞以外に
自動詞にも、他動詞にもなります)
1. (義務などの)不履行、怠慢
2. 債務不履行
3. 法律上の義務・好意の不履行
4. 競技への不参加、棄権
5. 欠乏、不足、欠如
6. 初期設定:ユーザーが特に指定しない場合、プログラム内であらかじめ設定された値、または実行する一連の動作
ここまで見て、ちょっとピンと来ましたか?
オックスフォードの英英辞書も
見てみましょう。
(※日本語はねこがザッと訳したものです)
1. failure to do sth that must be done by law, especially paying a debt
(法律によって義務づけられたことをしないこと、特に借金の返済)
2. (especially computing) what happens or appears if you do not make any other choice or change
(特にコンピューターで、何らかの他の選択や変更をしない場合に、起きること、あるいは現れるもの)
2つの定義の共通点が見えてきましたか?
「借金返済をしない」「他の選択をしない」
そう考えると、この2つが同じ単語でも、
何だか許せそうな気がしてきます。
参考として、defaultという単語を使った表現を
いくつかピックアップしてみました。
default setting
初期設定、お買い上げ時の設定
restore the template defaults
テンプレートを初期化する[購入時の状態に戻す]
default value
デフォルト値、初期値、省略時の値
default browser
標準設定のブラウザ
default in payment
支払いの不履行
default information
倒産に関する情報
default interest
延滞利息
default of water
水不足
default victory
不戦勝
いやはや、一緒に使う単語によって、
本当にいろいろな意味になりますね。
文章の中に、defaultって単語が出てきたら、
ちょっと気をつけて訳すようにしましょう。
<本日のおまけ>
2013年7月31日に
"It's Greek to me"という表現について
記事を書きました。
http://interesting-languages.blogspot.jp/2013/07/its-greek-to-me.html
そして、その年の冬に、
ギリシャのサントリーニ島を
訪れることができました。
ギリシャは本当に素敵な国でした。
1人に道を尋ね、その人が知らないと、
別の人に聞いてくれて、
しまいには、5人も6人もで、
ああだこうだと話し合いながら、
一生懸命、道案内をしてくれるような
とても面倒見のいいお国柄という印象です。
電車で行き先を確認した時も、
かわいらしいおばあちゃんが、
「あと2駅よ」「次よ」
「この駅よ、さあ、降りて降りて」と
心温まるサポート(笑)
そんな人情味溢れる彼らの国が、
真剣に債務問題と向き合って、
どうにかこの危機を乗り越えられますように!