2016年4月22日金曜日

言語のシンポジウム

皆さま、こんにちは。ねこです。
国連で行われた"LANGUAGE AND
THE SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS"
というシンポジウムに出席してきました。


"Sustainable Development Goals"は
持続可能な開発目標」と訳されます。

これは人間、地球及び繁栄のための
行動計画の目標で、
国連加盟国は、2015年から2030年までに、
貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、
平和的社会など、持続可能な開発のための
諸目標を達成を目指しています。

「持続可能な開発目標(SDGs)とは」
http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

今回、ねこが出席したのは、
「持続可能な開発目標」において
言語がどんな役割を果たすのか、
どんな改善が必要かといった問題を
話し合うシンポジウムです。

今日の資料の一部はこちらのサイトから、
閲覧およびダウンロードできます。
興味がある方はどうぞ。
https://sites.google.com/site/languageandtheun/events/event-documents

主なテーマは、言語の障壁のせいで
必要な情報が世の中に
行き渡らないという問題や、
移民の教育をどの言語で行うべきか
といった問題です。

特に印象に残ったスライドを
いくつかご紹介しましょう。


・世界の人口の54.6%は、
 インターネットを利用できていない。

・上位20か国が世界中での利用の
 73%を占めている。

これは、世の中でまだまだ
インターネットを使えていない人が多いので、
ラジオなどの普及しているメディアを活用し
情報格差をなくそうというお話でした。


こちらのスライドには、
「理解できる言語で、子供たちが
学校教育を受けられるようにすべき」
といった内容が書かれています。

これは、ある意味、衝撃的でした。
日本で生まれて日本で教育を受ける人は、
母国語で授業を受けられることを
当たり前のことと考えているかと思います。

しかし、世界には、家庭で話す言葉と、
その地域の公用語が違うという状態が
日常的に存在しているのです。

その結果、母国語なら、
もっと能力を伸ばすことができるのに、
言語が障壁になって、
落ちこぼれになってしまうという
現象が起きています。


両親は、「母国語の読み書きを
覚えても役に立たない」と考え、
政府も経済的負担が大きいという理由で、
母国語での教育に消極的
というのが現状のようです。

こういう現実を突きつけられると、
“日本語で書かれた英語教材が
書店に溢れている”という状態は
なんて恵まれているのだろう…と
思わずため息が出てしまいます。

ある意味、あまりに恵まれすぎているから、
教材を買っただけで安心してしまう
ということが起きてしまうのでしょうね。


このスライドには、
“母国語で書かれた教材が
不足していることが課題である”
ということが書かれています。

う~む…。とりあえず私たちは、
買ってそのままになっている本を
もっと活用しましょうね(汗)。

さて、難しい話ばかりでも
なんですから、
ちょっと休憩しましょう。

今日のランチはこんな感じで
用意されていました。
側面の丸いステッカーに
サンドイッチの種類が
書いてあります。


箱の中には、サンドイッチ、
サラダ、フルーツ、クッキー、
そして、ミネラルウォーター。


コーヒー、紅茶も飲み放題♪


さて、シンポジウムに戻りましょう。

英語学習者にとって、
すごく役に立ちそうなのが
こちらのお話。

「演劇は実社会を反映しているので
演劇をとおして言葉を学ぶのは
非常に有益である」という内容です。


演劇に参加するのは難しくても、
テレビドラマや映画のワンシーンを
そっくりまねて言う練習をするというのが
まさに、これに相当すると思います。

オーバーラッピングや
シャドーイングをして、
できれば、セリフを暗記して、
役になりきって英語を話してみましょう。
これは、絶対に絶対に効果的です!

さて、今日のシンポジウムには
ねこの友人のJちゃんとCくんが
登壇します。


打ち合わせ中。



LANGUAGE AND INCLUSION (Goals 4 and 10)
というセッションが始まりました。



2人は"Language Assessment for
Sustainable Development"
というテーマについて話します。



母国語での言語運用能力を
測定するテストについて
話しています。
(ねこは今、このテストの日本語版の
作成を手伝っています)



友人のおかげで、
思いがけなく面白い話が
たくさん聞けました。


それにしても、こんな形で
国連に来られるとは、
思わなかったなぁ。

朝の9時から夕方5時まで、
案外、あっという間でした。