2011年2月14日月曜日

「ニート」って英語!?

ふと疑問に思いました。
「ニート」って英語の単語なんでしょうか?

真っ先に思い浮かんだ綴りは "neat"。
でも、「きちんとした」「器用な」という意味なので
なんだか違いそうです。

調べてみると、現代よく使われる「ニート」という言葉は
NEET = "Not in Education, Employment or Training"
(教育を受けておらず、労働や職業訓練もしていない状態)
という表現の頭文字でした。
つまり、これ、一応英語(の頭文字)です。
※一般常識だったらすみません。(^^;

ただし、この "NEET" という言葉が英語圏の会話において
日常的に使われているかというと、
どうやらそうではない様子。

この言葉が世の中に登場したのは1999年。
イギリス政府機関が作成した調査報告書 "BRIDGING THE GAP" の中で
'New Opportunities for 16-18 years olds not in education, employment or training'
教育、雇用、職業訓練に参加していない 16〜18歳の若者に対する新しい機会)
という表現が用いられました。

ところが、このNEETという表現は、
日本以外ではほとんど使用されておらず、
逆に欧米では「日本における若年無業者問題を指す語」として
認識されつつあるのだとか。

ちなみに、カタカナ表記の「ニート」という言葉が浸透するようになったのは、
2004年に出版された『ニート フリーターでもなく失業者でもなく』(玄田有史著)
がきっかけだったのではないかと言われています。

ところで、「フリーター」という言葉は英語ではありません。
「フリーランス」もしくは「フリー(自由な)という言葉と
「アルバイター(ドイツ語で「働く人」という意味)」を
組み合わせて作られたのではないかと言われています。

「アルバイト」も英語ではありません。
ドイツ語の「働く」という動詞 "arbeiten(アルバイテン)"が
ちょっと形とニュアンスを変えて日本語に定着してしまったようです。
日本語の「アルバイト」を英語で表現するなら、
"part-time job" です。

ただし、フルタイムの仕事以外は、
契約形態がどうであろうと、すべて
"part-time job" と表現することができます。
有名大学の非常勤講師であったとしても、
"part-timer" なわけです。

さて、「ニート」からだいぶ話がそれてしまいましたが、
こうして見てみると、言葉というものは、
あちこちで使われている間に、
随分、意味や使われ方が変わっていくものなんですね。
これだから言語学は面白くてやめられません!^^